星前回記事の続きです。

 

Somebody To Love 愛にすべてを

作詞作曲 フレディ・マーキュリー

華麗なるレースの6曲目に収録されています。

 

Queenでは初めてのゴスペル風の曲でQueenの強みであるコーラスとフレディの表現力がとても光る曲であると思います!!

 

 

邦題が「愛にすべてを」となっていますが、直訳すると『誰か愛する人を見つけて』という意味合いです。

見つけてほしいのは『愛してくれる人』ではなく『愛する人』というのがまたそれも美しいと思いました。

 

この曲の素晴らしさは聴いているだけで良くわかるのですが、歌詞が特に好きなのです・・

拙い訳ですが、自分なりに訳した歌詞と一緒に紹介していきます。

 

(ものすごく長文になりましたお願いあせるまたとても主観的な内容です。)

 

Life is RealHammer To Fallの記事にも書いたようにこの曲にも少しずつ死に近づいているという歌詞が初めに出てきます。

 

"each morning I get up I die a little

Can barely stand on my feet"

 

毎朝少しずつ死に近づいている

立ち上がるのもやっとなくらいだ

 

"Take a look in the mirror and cry 

(Take a look at yourself and cry)

Lord what you're doing to me "

 

鏡で自分の姿を見るたびに泣けてくる

(自分自身を見るたびに泣いている)

神よ、どうしてそんなことをするのですか?

 

"I have spent all my years in believing you

But I just can't get no relief, Lord!

Somebody somebody

Can anybody find me somebody to love ?"

 

生涯あなたを信じ尽くしてきたのに、安らかになることはない

神よ、誰か愛する人を見つけてください

 

この歌の主人公が神へ自分の人生の悲惨さを問いかけるところから始まります。

初めから悲惨な歌詞アセアセ

ですがこのゴスペルサウンドのためか神や天使が主人公をあたたかく見守っている様子が思い浮かんで絶望の果てにあったとしても、最後には救いがあように思って聴いてしまいます。

 

"I work hard (he works hard)

every day of my life

I work till I ache in my bones

At the end

(at the end of the day)

I take home my hard earned pay 

all on my own"

 

毎日必死で働いて(彼は必死で働いて)

骨がきしむほど働いて

1日の最後には(最後には)

稼いだ金を家へと持ち帰る

 

"work till I ache in my bones"というのがその悲壮さがよくわかるフレーズだと思います。

この辺りの歌詞に胸がギシっとしてきます汗美しいサウンドやコーラスが辛さをさらに際立たせてきます。

この働くというのはオフィスワーカーではなく、歌詞そのままの受け取り方ですが労働系のような仕事を私はイメージしています。

そして(カッコ)で書かれている歌詞のバックコーラスが入り、主人公の声を繰り返すもう一つの声が出てきます。

これは男の言葉を天使が神へ伝えているのですね。

(コーラスはジョン以外の3人の声です)

 

"I get down (down) on my knees (knees)

And I start to pray

Till the tears run down from my eyes

Lord somebody (somebody), ooh somebody

(Please) Can anybody find me somebody to love ? "

 

膝まづいて(膝まづいて)祈りを捧げる

涙が頬をつたうまで

神よ 誰か(誰か) (どうか)愛する人を見つけてください

 

涙が溢れるまで祈り続ける・・・

熱心に祈って祈って救いを求めるというのがキリスト教的だと思いました。

フレディはおそらくキリスト教徒でもなくご両親がゾロアスター教ではあるもののフレディ自身はあまり宗教には特別な思いはなさそうな気がします。

私もキリスト教徒ではないですし救いのため熱心に祈るというのはあまり実感が湧かないのもありますが、本当に辛くて人生がどうにもならないと感じた時、やっぱり神様へ救いを求める気持ちはよく分かる気がします。

(そういえばLiarでも神に祈り続けるという歌詞がありました。)

 

そんな時、主人公は他の何でもなく"愛"に最後の救いがあると信じている姿が美しく映ります。

 

"(He works hard)

Everyday (everyday) 

- I try and I try and I try

But everybody wants to put me down

They say I'm going crazy

They say I got a lot of water in my brain

Ah, got no common sense

I got nobody left to believe in

Yeah yeah yeah yeah"

 

(彼は必死で働いている)

毎日(毎日)

- 努力して、努力して、努力しても

みんながバカにするんだ

僕のことがいかれてると言う

頭には水が入っていて

常識知らずだって

 

信じられる人なんて誰もいない"

 

"Oh Lord

Ooh somebody - ooh somebody

Can anybody find me somebody to love ?

(Can anybody find me someone to love)"

 

主人公はここにきてやっと神様に心の内を打ち明け始めた感じがします。(というか神様に八つ当たり!笑)

自分に降りかかってきた嫌なことやかっこ悪いことは家族にも友達にも言いたくないことだと思います。

ましてや救ってくれるかもしれない神様には自分の嫌な面をなおさら見せたくない気もしますが、、この主人公はよっぽど人生に嫌気がさして、もうその限界にきてヤケになってるのだと思われます。

 

"Got no feel, I got no rhythm

I just keep losing my beat 

(You just keep losing and losing)

I'm OK, I'm alright

(he's alright - he's alright)

I ain't gonna face no defeat

I just gotta get out of this prison cell

One day (someday) I'm gonna be free, Lord!"

 

感覚がない、リズムもなくしてしまった

ビートはだんだんと失われていっている

(ビートを失いつつある)

でも大丈夫、なんとかやっている

(彼は大丈夫-なんとかやっている)

負けはしない

この監獄から抜け出そう

いつか(いつか)自由になるんだ、神よ!

 

"Find me somebody to love

Find me somebody to love

Find me somebody to love

 

Somebody find me somebody to love

Can anybody find me somebody to love ?"

 

自暴自棄になり感覚もリズムも失ってしまったというその感覚、少しわかる気がします。

心がバラバラに切り刻まれたように感じて自分が何者でもなくなり、もうこのままの状態だと死んでしまうんじゃないかな・・と思うような時。

そんなこと滅多にはないですがあせる

 

でもある程度発散して吐き出してしまって落ち着いた時、ふと我に返って、大丈夫、きっとうまくいく。

負けないで乗り越えていける、と自分をしっかりと持ち直し、思い直すんですよね。

自分が辛い時ほど自分に暗示をかけるように言い聞かせたり。

それでもなんとか立ち直っていくので人間って案外強いものだなと思います。

 

また朝起きて、鏡を見て・・神よ・・の繰り返しなのだとは思いますが。。

 

私が考えるところでは、神様がいるのなら、神様はその人が超えられない試練は与えない、と思っています。

そしてこの歌詞にもあるように、神様がいつも見守ってくれる訳ではないけど、天使たちは見ていて神様へ伝えている天使たちがいるんじゃないかな?とかほっこり

フレディもこういった曲を作っているので、もしかしたら、そう思っていたのでは・・と勝手に想像してしまいます。

(それかフレディは見えない天の存在という神ではなく、自分の中にある内在神みたいなものへの問いかけなのかもしれません。)

 

ここからも私の勝手な想像なのですが・・

この主人公とは状況が少し違いますが、きっとフレディはこの曲も自分に重ね合わせて書いていそうだな・・と感じました。

全てがフレディの身に起こったり感じた出来事なのかもしれないな、と。

そうでなければ、なかなかそういう歌詞は書けないのではないかと思うのです。

 

私の中のフレディ論になってしまいますが

"みんながバカにするんだ、クレイジーだって言う。"

という歌詞がありますがそれもフレディはきっとそう言われたりして傷ついたことがあったのではないかと思いました。

 

きっと外面は悪くなさそうな人なので、嫌な気をしていてもユーモアで返したり気にしないそぶりをしていたんじゃないかと思えてきます。

でも我慢している分、きっとそれがどこかでは爆発していた気がします。

それか若い頃はそれさえも抱え込んで生きていたのかもしれません。

 

そしてフレディはもともと何か人とは違う特異性(オーラ?)があるのを周囲も察知するのか、きっと好き勝手なことをしたり目立つことをしていたら普通の人よりも余計に目立って非難されるタイプの人だったのではないかな?と思うのです。

言うなれば生きるのが難しそうなタイプのような・・。

本人は普通にしていて悪意もないのに、身の振り方を気をつけていないと合わない人からは特に目をつけられたり攻撃されやすいタイプのような気がします。

フレディは小さい頃から親元を離れ、寄宿学校で生活していたので処世術は身につけていたのだと思います。

だから自分のそういったところにも早くから気づき、きっと自分を出そうとするならそんな目にもあいかねないのでなるべく摩擦のないように、人には柔らかく品行方正な態度を心がけて接していたのではないかな?と思いました。

 

本で読んだり、フレディを知る人の証言からあるように、フレディは若い頃から礼儀正しく、とても感じの良い子だったと言われていることが多いです。

よく友達の家に居候などしてお世話になっていたようですが、その時もお母さんに特に気に入られた、とよく書いてあるのを目にしました。笑

 

フレディは、他の人はこんな思いをしていないのに自分だけなぜ?と少し自分の運命を恨み、悩み疑問にも感じ、神様へ問いかける歌詞、"what you're doing to me?" のように、その意味を見出したいとも思っていたのではないかな、と思ってしまいました。

 

ロジャーはというとなぜか好き放題発言したりしていてもあまり咎められずに人から好かれている、、とフレディはロジャーの存在を少し羨ましくも思っていたのではないでしょうか。笑

 

私が思うのには、フレディはこんな自分を受け入れて、どうせなら自分を守り抑え込む苦しい人生よりも仮面を被りフレディ・マーキュリーを演じ楽しい人生にしよう、と思ったのではないかと思います。

 

"演じている振り"をしているというのが本当だと思います。Pretend The Pretenderのような感じです。

仮面の一つ一つは、きっとフレディの一部です。

でもそれは演技だと認識してもらうことで誰にも咎められないし、もし非難されたとしても自分でもそれは仮の自分で、本当の自分ではないのだから・・といい風に責任転嫁ができ、精神的にも穏やかでいられたのではないかと思うのです。

そして自分自身もそうすることを楽しんでいたのではないかと思います。

それがフレディの処世術、生きるすべになっていった気がします。

 

でもその後には、自分の決めた生き方、作り出した仮面の姿にまた苦しめられることになるんですよね・・・

本当の自分でいられないことが葛藤にもなり、朝起きて「また演じる」自分に嫌気がさし投げ出したくなるような時がきっとあったのだと思います。

この曲もそうですし、同じく神に祈る曲というので星Liarを思いついたのですが、Liarの歌詞を見てもその仮面の自分でいることの苦悩が描かれているように感じてきました・・。

 

"演じるフレディ・マーキュリー"に対する周囲の言動は、全てが虚構のように思えて誰が本当の自分を見てくれるのか、誰を本当に信じて良いものか、フレディ自身も分からなくなってしまったのではないかと思います。

 

そして本当の自分を出したとして、受け入れて愛してくれる人はいるのだろうかという不安をずっと心に抱えるようになったのでは。。

こんな話をメンバーにしてもきっと分かってもらえないと思っていたと思います・・。

言えるとしたらメアリーくらいだったのではないでしょうか。

 

でもメンバーとはプライベートはべったりではなく、フレディは仕事仲間ときっぱり断言していますが、きっとフレディは本当の自分の姿を見せていたと思いますし、見せていなかったとしてもきっと見えていたと思うのです。笑

それを分かった上でフレディのことを受け入れ愛しずっとそばに居てくれたメンバーだと思います。

 

フレディのことをそうやって愛してくれている人はきっとたくさんいただろうと思うのですが、フレディは案外そういった愛に少し鈍感で気づかなかったり、素直に受け取っていいのかどうか戸惑ったり、受け入れられなかったところがある気がします。。何と無くですが。

きっと普通の人が素直に受け入れられる愛も、フレディはそれができなかったり、自分自身を愛してくれる人なんているのだろうか、となぜか疑心暗鬼な人だったのではないかな?とも思えます。

 

(フレディが本当にそんな人かは分かりませんが、フレディの書く歌詞や色んなエピソードなどを見て共感するところが多くあり、フレディがもし感じ方などが自分と似ているのだったら・・という想像の中で好きなように話してしまいました。)

 

 

フレディは後年のインタビューでこう話しています。

 

「今は自分を出すのが怖くない

以前は自分で作った仮面をつけていて

外ではそれを演じていた

期待を裏切らないようにね」

 

「たいていの場合は世間の要求に応えてきた

偽りの自分を生きてきたわけだ」

 

と話しています。

 

フレディはこの歌詞のように大丈夫、なんとかやっている。

と自分に言い聞かせ、神の救いや希望を信じ、"愛”の力を信じ続けていたのかな。

 

良かった、フレディニコニコキラキラ

 

だいぶと主観的な記事になりましたお願いあせる

 

 

次はライブ映像まとめなどです。

次がラストです。

 

image

 

歌詞を記載させていただきます。

 

https://sentimentalblvd.exblog.jp/238255449/

 

Can anybody find me somebody to love

誰か見つけて

愛してくれる人を

 

each morning I get up I die a little

Can barely stand on my feet

Take a look in the mirror and cry 

(Take a look at yourself and cry)

Lord what you're doing to me 

毎朝起きると少しずつ死んでいく

立ち上がるのすらやっと

鏡を見る度に悲しくなる

(鏡で自分の姿を見てご覧)

主よ、何故こんな試練を与えるのですか

 

I have spent all my years in believing you

But I just can't get no relief, Lord!

Somebody somebody

Can anybody find me somebody to love ?

生涯すべてを賭けて

あなたを信じてきたのに

救いの手は差し出されない

主よ! 誰か 誰か

誰か見つけて

愛してくれる人を

 

I work hard (he works hard)

every day of my life

I work till I ache in my bones

At the end

(at the end of the day)

I take home my hard earned pay 

all on my own

必死で働いて(必死で働いて)

すべての日々

骨まで堪えるほど働いて

1日の最後には(最後には)

自力で稼いだ金を家へと持ち帰る

 

I get down (down) on my knees (knees)

And I start to pray

Till the tears run down from my eyes

Lord somebody (somebody), ooh somebody

(Please) Can anybody find me somebody to love ?

跪いて祈りを捧げる

(跪き、主を称えよ!)

涙がこぼれ落ちるまで祈り続ける

主よ 誰か

(誰か、探してくれ)

誰か見つけて

愛してくれる人を

 

(He works hard)

Everyday (everyday) 

- I try and I try and I try

But everybody wants to put me down

They say I'm going crazy

They say I got a lot of water in my brain

Ah, got no common sense

I got nobody left to believe in

Yeah yeah yeah yeah

(必死で働いた)

毎日(毎日)

何度も何度も挑戦しても

みんながバカにするんだ

イカレてる

頭には水が入っていて

常識知らずだって

誰を信じたらいいんだ

 

Oh Lord

Ooh somebody - ooh somebody

Can anybody find me somebody to love ?

(Can anybody find me someone to love)

主よ

誰か 誰か

愛してくれる人を見つけて

愛してくれる人を見つけてよ

 

Got no feel, I got no rhythm

I just keep losing my beat 

(You just keep losing and losing)

I'm OK, I'm alright

(he's alright - he's alright)

I ain't gonna face no defeat

I just gotta get out of this prison cell

One day (someday) I'm gonna be free, Lord!

感覚はなく リズムもない

ビートは失われてゆく

(失っては、失ってはいけない!)

大丈夫、平気さ

(大丈夫、平気さ)

負けたりするもんか

この独房から出ていこう

いつか(いつか)

自由になるんだ、主よ!

 

Find me somebody to love

Find me somebody to love

Find me somebody to love

愛してくれる人を見つけて

愛してくれる人を見つけて

愛してくれる人を見つけて

 

Somebody find me somebody to love

Can anybody find me somebody to love ?

誰か愛してくれる人を見つけて

誰か見つけてよ

愛してくれる人を