2021年始まりました
はいはいどうもあけおめことよろ。年を経る毎に挨拶がテキトーになってくね、トシだかんね仕方ないね。ここ数年はアレっすよ、職場の後輩ちゃん達にもこんな感じだもん。流石に上司とかにはキチンとするけど。うん。でもアレだなー、年賀状はだいぶ書く枚数は減りましたな。意図的に減らしてるのもあるけど。貰う枚数も随分と減りましたね。自分はそれでいいかなあと、そう思うしね。この冬休みはデデーーーーンと冬休みを頂きまして、全く罪悪感の欠片もなく堂々と休める身分はいいもんだと満喫し、毎朝ダラダラと惰眠を貪っていた所為で初夢も見れたんですが、覚えておこうと努力したけれど、起きてすぐにメモを取らなかった所為で、昼過ぎ辺りには忘れてしまった。残滓のような、薄っすらと残っている感覚としては、大して良い夢でも悪い夢でもなかった気がする。そういう起伏がなく、平坦で、ウキウキワクワク、ビックリドッキリもなく、ただただ、淡々とした夢だったような。いやあね。初夢でなく、大晦日の夜(というか元旦だな)に見た夢が随分と印象的で。夢を思い出そうとする時は、何となく、なんとなーく頭のどこかに残っている、その残滓の中に意識を溶け込ませて、流れに身を任せてゆらゆらしていると、ある時急に、夢を見ている時の感覚にピッタリと重なって、映像がパッと出てくる。のです、自分の場合は。でもその印象的な夢の占める存在感が大きすぎて、夢の感覚に周波数を合わせられても、その夢しか思い出せないっていうね。とても寒い夢だった。きっと夜で、空は暗かった。自分は氷の張った湖の上に立っていて、他にも十数人の人がいた。外国人が多かった。拙い英語で何か話していた気がするけど、忘れてしまった。ぼちゃり、と音がして。見ると、氷の床の一部が崩れていた。慌てて近くへ寄って、ぽっかり空いた大きな穴を覗き込めば、外国人の男性と女性が一人ずつ、湖底に沈んでいるのが見えた。月明かりのお陰なのか判らないが、水は透き通っていて、湖底はさしたる深さもなかったから、目を閉じたままの二人の姿がよく見えた。寒いから、二人とも厚着をしていて。水の中だというのに、苦しそうな表情もなく、ただただ、湖の底に向かい合って体を横たえて、静かに眠っているように見えた。さしたると言っても、自分の身長くらいの深さはあるだろうか。いくら腕を伸ばした所で、とても二人には届かない。助けに潜ったとしても、二人を引き上げることは、自分にはできないだろう。きっと、一人を引き上げる間に(もしかしたらその前かもしれない。特に自分は寒さに弱いので)、自分が彼らのようになるだけ。ミイラ取りがミイラになる。なんて解りやすい。四つん這いになって伸ばそうとした手を、そっと氷の上に戻した。手袋越しでも、その冷たさが伝わってくる。その氷の下の、凍てつくような水の中。夜風がそっと水面を撫でると、それに合わせて彼らの輪郭もゆらゆらと揺れる。ああ、こんなに近くにいるというのに。冷たさというのは、残酷で、静謐で、澄み切っていて、ーーとても美しい。無力さに打ち拉がれると言うよりは、忘我と言った方が正しい気がした。何もできない自分に対するもどかしさと共に、どこか諦念を受け入れた自分を自覚した。やがて、少々混乱していた感情が落ち着いて、涙となって形を成してからも、湖底で眠る二人をずっと眺めていた。