鎌田茂雄(1994)『法華経を読む』(講談社学術文庫)
安楽行品――自らを律する四つの教え――(p230)
「『安楽行』というと、苦労しないで容易に簡単に行なえる修行のように聞こえるが、決してそうではない。『安楽行』とは、安らかな気持ちから楽(ねが)って修行し、教えを説いてゆくことである」「四つの安楽行とは、(1)身安楽行、(2)口安楽行、(3)意安楽行、(4)誓願安楽行である。(1)身安楽行とは身のふるまい、行ない、(2)口安楽行とは言葉の使い方、(3)意安楽行とは心の持ち方、(4)誓願安楽行とは教えを弘めるための努力の仕方である」(p231)
安楽を辞書で引くと、心身に苦痛がなく楽々としていること、とある。仏教では、法華経安楽行品第14に説かれる4安楽という。釈尊滅後、法華経を修行する者が、身・口・意・誓願に住して弘通すれば、危うき離れ、安きを得、遠く楽の果を得るという摂受の修行である。摂受は正像の修行法であり。末法は折伏こそ時を得た修行法である。