仏教以外の思想との対話 | ノートさんのブログ

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玉城康四郎(1986)『仏教の根底にあるもの』(講談社)


 第六に、「原始経典から大乗諸経典への思潮が、仏教の幹線であり原型である。この原型に意味を看取し体得することが、今日の仏教者に負わされた根本課題である」

 それに加えて、「未来の仏教を形成するためには、仏教以外の諸思想と対話を重ねていくことが必要であろう」と指摘する。(p274280


 仏教は西洋の哲学・宗教に比して決して引けを取らない。もっと積極的に諸思想と対話すべきだ。例えば、ヘーゲルは「精神現象学」と仏教との比較も面白いだろう。ヘーゲルが「精神現象学」でもっとも言いたかったことは、「『絶対的実在absokutes Wesen』は彼岸にあるものであり、『自己Selbst』(此岸の私たち)とは次元をことにするように見えるかもしれないが、両者が統一されるのが『精神現象学』の結論となるべき思想である」という。

 私に師事している西洋哲学の先生にお尋ねしたとき、先生は「ヘーゲルは仏教の考えを拝借している可能性がある」と言われた。先生は、どこの部分をどのように、と具体的に明らかにされなかったが、大変興味あるテーマである。