玉城康四郎(1986)『仏教の根底にあるもの』(講談社)
「未来の日本仏教の思想を想定する場合、いかなる心構えが必要であろうか」(P274)として、いくつかの項目を挙げている。
第五に、「現在わが国において、大衆の心を捉えている新興宗教の実態に思いを致さねばならない」。
玉城は新興宗教に注目している。その代表として創価学会に触れてみたい。
ウィキペディアによると、宗教法人創価学会は、文部科学大臣所轄の宗教法人。現在は創価学会インタナショナル (SGI) の日本組織である。当初は日蓮正宗内部の宗教法人格を持たない法華講として発足し後に独自の法人格を取得し日蓮正宗の法華講と完全に分裂し現在に至る。本部は東京都新宿区信濃町。『聖教新聞』(日刊)、『創価新報』(月2回)などの機関紙や、『大白蓮華』(月刊)、『グラフSGI』(月刊)などの機関誌を発行している。公明党の最大の支持母体である。
創価学会公式ホームページによると、次のようになる。
創価学会は、大乗仏教の真髄である日蓮大聖人(1222~1282)の仏法を信奉する団体です。その目的は、仏法の実践を通して、一人一人が真の幸福境涯を確立するとともに、生命の尊厳を説く仏法哲理を根本に、恒久平和、豊かな文化、人間性あふれる教育の創造を推進し、人類社会の発展に寄与することにあります。
1930(昭和5)年の創立以来、日本では827万世帯、海外にも192カ国・地域の会員が日蓮大聖人の仏法を実践し、各国の繁栄と平和を願い、活動しています。 「創価」とは価値創造を意味しています。その価値の中心である「生命の尊厳」の確立に基づく「万人の幸福」と「世界の平和」の実現が、創価学会の根本の目標です。
日蓮大聖人は「自分の幸福を願うならば、まず周囲の平和を祈るべきである」と述べ、個人の幸せは世界の平和・安穏なくしてはありえないと説いています。その意味で創価学会は、一人一人の幸せのみならず、真の平和・幸福社会の実現を目指しているのです。