13日朝、配置された現場に向かう旨、会社に電話を入れたらいきなり「中止になりました」と言われた。我々の仕事では雨でなくてもまれにそんなことがある。そんな時に急遽他の現場に増員が出たりして、そちらに行けと言われることもあるのでしばらく待機したが連絡がない。結局休むことになって、これさいわいと展覧会に行ってきた。前から行こうと思っていて、なかなか時間がとれなかったのだ。
「西洋絵画の500年」というサブタイトルでルネッサンス以降のヨーロッパ絵画の歴史が概観できる構成になっている。とはいえ500年を展示された65点の作品で概観するのは無理があって、何かを理解した気分にはなれなかった。私は絵を見るのは好きだが、中世やルネッサンス期の絵画に興味を持ったことはなく、いちいち美術史を理解して頭に叩き込もうという気も毛頭ないので、理解できないものは理解できない、それはそれで構わない。加えて好きな画家の作品はおろか名前を知っているという程度の画家の作品すら数えるほどしかなかった。
しかし、絵は見てみるものだ。名前を知らなくたって直に対面すればよいと感じられる作品はやっぱりあるものだ。上の、ポスターになった「女占い師」という作品は17世紀前半に活躍したというジョルジュ・ド・ラ・トゥールの作品で、描かれた人物のあやしい表情や目線、実に精緻に描かれた衣装の模様など、実物を前にしないとわからないが思わず「スゲェ」と唸ってしまった。私は「黒」が作品の命になっているような絵が好きになる傾向があるようで、たとえばサルヴァトール・ローザの「自画像」やレンブラント・ファン・レインの「フローラ」などの人物画も良かった。キリスト教徒でもなければ聖書を手にしたこともない私には西洋の宗教画に魅かれるところはほとんどないけれど、北ヨーロッパで盛んに描かれた風俗画には見ていて楽しめるものが多かった。宣伝ではないが興味のある人にはおすすめです。
平日の午前中ですいてるかと思ったが、コロナ対策で入り口では並ばされた。密にならない配慮だが、人気の絵の前ではどうしても密になる。これはしかたないか。