セイタカアワダチソウというと、私は山崎ハコの歌う「織江の唄」を思い出す。
♪♪月見草 いいえそげんな花じゃなか
あれはセイタカアワダチ草
信ちゃん 信介しゃん
うちは一人に なりました
明日は 小倉の夜の蝶
そやけん 抱いてくれんね 信介しゃん
どうせ汚れて しまうけん
織江も大人に なりました ♪♪
映画「青春の門」の主題歌で作詞は原作者の五木寛之。それを山崎ハコが作曲した。映画は見てないし小説はおろか五木寛之という人の書いたものは何ひとつ読んだことがない。戦前戦後の極貧の中から生まれてくる物語は私には水上勉の「飢餓海峡」や松本清張の「砂の器」(この2作は映画も見てる)だけで十分だったのだ。が、それでも、山崎ハコの歌う「織江の唄」を初めて聴いた時の衝撃は忘れない。情念の持つ重さや暗さが熱を帯びてくる様が山崎ハコの慟哭するような声に乗って、私の魂を揺さぶった。
物語の舞台となる時代はもちろん、この歌がうたわれた時代もまだ、男と女の性の営みというものが重い意味を持っていたし、それだけ性に対する倫理感もはっきりしていた。だからセクハラなんて中途半端な言葉もなかった。
セイタカアワダチソウは背高泡立草と書く。帰化植物で明治期に日本に入って来た。
花はまだ蕾で萌黄色、それがきれいで撮りに出かけた。花が開くと濃い黄色に変わる。そしたら、また撮りに行く。