数ヶ月ぶりの更新です。

なんだか楽天から出た電子書籍リーダーが不具合ありのまま発売されて、って記事を見まして。

そこまではなんでもなかったんですが、会社として、というか三木谷社長の対応を読んであまりにひどすぎるからモノ申したくなりました。まあここで書いても誰にも届かないかもしれないが、モノ作りをしている人、売っている人の目に留まったらいいなあ。

発端はこの記事。
business.nikkeibp.co.jp/article/NBD/20120727/235043/?ST=pc
「細かいことで騒いでいるのは少数派ですよ」


もうね、楽天終わってる。
騒いでいるのはせいぜい2000~3000人」って、どういうことなの?
致命的な問題があった訳でもない」なら「大成功」?
よくそんなことを言えるな、と。

2~3000人が騒いでるだけって、企業としては絶対に言ってはいけない言葉だよ。
その企業にとっては「数万~数十万台の販売した中の数千人」って数%かもしれないが、購入した客からしたら「一台購入したその一台」が不具合に見舞われてるわけで。客の中では一台中の一台、100%なんだよ。

「致命的な問題」うんぬんにしても、「2日以内に解消」したら致命的じゃない訳じゃないよね。
だだの電子書籍リーダーだから、設定できない不具合があっても人が死んだりしないからね。そういう意味では「致命的」ではないだろ。しかし三木谷社長が同じ目に遭ったとして、「携帯買って二日間使えなかった」、「冷蔵庫買って二日間使えなかった」、でも二日以内に対応できたから文句言うなよ、とメーカーに言われたならどう思う?

「本来新品で購入したならば起らないであろう不具合」に見舞われてる顧客に対してこんなことを言うような企業を信用できますか。

三木谷社長、そのインタビューの中でさりげなくスティーブジョブスと自分を重ねてしゃべってる感じのところがあるけど、そこがまた痛い。全く違いますよ。
ジョブスは顧客満足のために陣頭指揮を執っているのであって、問題を収束させ、もみ消すためにやっているあなたとは違いますよ。

で、さらに。
http://blogos.com/article/44060/
こちらの方の記事によると、自分たちに不利な「楽天ユーザーレビュー」を全て削除した、と。

ひどすぎるね。

とはいえ、アマゾンとか海外勢に押されてる電子書籍産業(といえばいいのか?)が国内企業で盛りあげて、ほとんどの日本語小説がタブレットで手軽に読める時代にしてほしいという願望はありますが。
最近気づいたんですけど、
レイヤーありのtiffもFinalcutで扱えるんですね。(ずっと?)

FinalcutPro5のころは
psdでテロップを打って、保存のときにアルファチャンネルを作って保存して、tiffも書き出して、ってやってました。
で最近は、アルファチャンネルつけるのがめんどくさいのでpngで書き出してました。

しかしどちらの方法も、元データとしてpsdで持っておかないと修正のときに対応できないのでめんどくさいなあと思っていたんです。今回、立て込んでいる同僚にかわりテロップデータを打って渡すためにtiffのレイヤーありで作ってるときに判明しました。

仕様は
・「別名で保存」→TIFF
・「TIFFオプション」→透明部分を保持にチェック入れる、レイヤーの圧縮RLE

これで保存するとテキストがラスタライズされず、以降上書き保存のたびにFinalcutが再リンクしてくれていい感じですね。


それと、psdファイルの扱いも変更になりましたかね?
時々psdがシーケンスにならずに一枚絵で読み込むんですよね。
保存時の設定の問題なのか、ご存知の方がいたら教えてほしいです。
結構前に書こうと思って下書きにしていたものです。あしからず。




いよいよ、新年度ですね。

弊社も昨日(この記事を書いた前日の4月2日)入社式があり、数十名の新入社員が増えることになりました。
私の後輩になるみなさん、これからよろしくお願いします。

たぶんここ一ヶ月は、ブログなり会社の上司なりに、「お前らこれだけは肝に銘じておけよ」みたいな話をたくさん
聞くことになると思います。なのでもう聞き飽きてしまったり、「実際いろんなこといってるけど、全員違うこと
言ってるぞ」ということになると思いますが、あえて書きます。
私の考えが正しいという訳でもありません。まあ、年寄りのたわごとだと思っていただいて。


仕事というのは職種業種を問わず、全てがサービス業だと私は考えています。

社会人になって20年近くたちます。いままでいろんな新人、中途の人をたくさんみてきました。
最初から自分の表現したいものを作ってもだいたいはうまくいかないです。自主制作ではなく仕事としてやると
いうことは、大勢の人に評価されるものを作るということです。仮に奇跡的に観客を感動させる完璧な作品が完成
したとしても、それは世に出ないかもしれません。なぜならーー

まずは、目の前の人に評価されなければその先はないんです。だって、プロデューサーがOKを出さなかったら
制作許可がおりないですよね。それからプロデューサーが金を出してくれる人を説得してやっと制作できる。
そうなると、プロデューサーが自信を持ってクライアントに持っていけるものじゃないといけない。それはどういう
ものかというと、プロデューサーが「そうそう、俺が作りたかったのもこういうものだよ」となる作品。だから、

目指すものは「すべての観衆に訴えるもの」ではなく、「プロデューサーの好みにあったもの」

という、矛盾したものになります。
これは映像の仕事に限ったことではなく、営業職でもなんでも、プレゼン資料などを作成する場合にも同じことが
言えると思います。逆の立場で考えてみましょう。そのプロジェクトが成功するかどうかはこの際関係なくて、
自分の部下が持ってきた資料を見て、「え~、これ持ってクライアントにいくの?確かによさそうだけど、俺はこれを
うまく説明できる気がしない。納得いってないんだけど。先方に説明するの俺だよ?」っていう状況です。

日常でも同じです。サークルで旅行にいくとして、幹事が持ってきた旅行のスケジュールがどうにも自分の
行きたいところではない場所が中心になったものだったとします。部長のあなたが、後輩たちにこの旅行の概要を
説明するとしたら、自分がノリノリじゃないものを楽しい旅行であると伝えられるでしょうか?

反応が見えないテレビの前の視聴者がどういうものを観たいのか、どうしたら感動してもらえるのかを考える前に、
まず「たった一人」を納得させるものを作る。

そのためには、「この人はどんなものが好きなのか」を考えて、調べてみるんです。どんなことでもいいんです。
チラリが入っていたら喜ぶ、というならそういうシーンを入れてみるとかね。

これを常に心がけていると今度は「もっとこうしたらおもしろいと思ってもらえるんじゃないか」というサービス精神が
鍛えられていきます。これが段々過剰に考えるようになっていき、果ては最終目的の「視聴者の方はこういうのを
楽しいと思ってくれるんじゃないかな」という、見る側にたった制作ができるようになっていくと思います。

見る側の立場ってのは、頭ではわかっていても意外と難しいんですよね。

そして、初めは上司の代弁者のごとく制作していたものが、あるころには、見る側のことを考えた作品であると
同時に、あなただけのアイデンティティとテイストが加わった、オリジナルの作品になっていることでしょう。

みなさん、精進してください。