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風ふいて仮名書くように波もよう君よむ文の夏のかがやき

海を見ました。夏、8月。私はものを書く時漢字が多めですが、平仮名も大好きです。吹く風の力で砂が作り出しそうな、柔らかな線を見せます。水もそうですね。夏の海は風を受けてその身体を揺るがせて、一瞬ごとに違う部分で光を反射し続け、キラキラと輝いています。ふと、その波模様は文字みたいだし、漢字ではなく平仮名だろうなと思いました。これが手紙なら、時の流れにも距離にも関係無く、尽きることなく心を表し続けるでしょう。

心は、ひとりの人のものでありながら、ひとりだけのものではありません。自分の好きな波模様の美しさを見つけるまで、水面を見つめます。かがやきの文字を認めたなら、その瞬間の風をこそ覚えていよう。時が来たら、誰かの心に同じ風を吹かせよう。きっと同じ波模様を、同じ手紙を、相手の心に書けるでしょう。ひとりだけだったはずの心は、互いに繋がっていきます。

気配り、優しさ、情熱的に求める思い。洒落た言葉も、不器用な言葉も。上手な風もあるでしょう、ぎこちない風もあるでしょう。時の流れの中には辛いこともあるけれど、輝く文字を生むような、そんな風だけを覚えて。何度でも、何度でも吹かそう。

仮名書くように。