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「投資信託の買い方・考え方」について

こんにちは、実践派FP 斉藤俊行です。


ご無沙汰しております。

読者の皆さまもお元気でしょうか。


2014年9月21日の日曜日、東京は、朝から快晴です。

今日も一日、気持ち良く仕事ができそうです。(笑顔)



早速、本題に入ります。


今回のテーマは、

「投資信託の買い方・考え方」についてです。


8月下旬以降、急速に円安・ドル高が進み、

ドル円相場は、1ドル=109円台に乗せました。

約6年ぶりの円安水準です。


このように円安が進行しているなか、

私は、まだしばらくのあいだ、中期的なドル・円相場では、

円安・ドル高傾向が続くと見ています。


米国は、FRBが量的緩和を終了する10月が近づくなか

その出口戦略の議論が活発になる一方で、

日本は、まだしばらく日銀が量的緩和を積極的に継続するなど、

ここにきて、日米の明確な金融政策に違いが出てきたからです。


この日米・金融政策の明確な差が日米の金利差に表れ、

それが益々拡大していくと、マーケットは期待するからです。


おそらく、今後、市場の期待どおり、

米金利は上昇して行くことが予想されます。

ただ、金利、とりわけ長期国債の利回りは、

その国における実体経済の体温計のような性質をもつため、

金利上昇も限定的だと考えます。


とはいえ、

8月下旬以降、急速に円安(ドル高)へ進行したことは事実です。

ただ、私個人としては、この相場の流れに根拠は感じられるず、

短期的に円高への巻き戻しがある確率は少なくないとみています。



最近の為替相場(日本株市場)の流れに、

投資信託の基準価額も大きく変動するファンドも少なくありません。


とりわけ、ハイリスク・ハイリターンを期待する投資信託ほど、

上昇率が高いと思われます。

一方で、リスクが低い安定型・債券ファンドなどは、

為替リスクがない、または、為替ヘッジをかけ為替のリスクは限定的なため

基準価額が上昇しているものは少ないはずです。


ただ、このような相場環境のときほど、私たち投資家は冷静になるべきです。

反対に、相場が円高へ巻き戻す局面では、そのまた逆も然りだからです。


投資信託を相場の動きに合わせ常に1つ2つの少数のファンドを保有し、

売買をしている投資家さんは、

ハイリスクを承知のうえですからそれはそれで良いと思います。

そのようなことを実践できる方は、リスク許容度も相応に高いからです。

また投資をゲーム感覚で楽しまれている方もいらっしゃるのも事実です。


しかし、

ポートフォリオで運用する投資家さんには、

まず第一に、アセット・アロケーション(戦略的な資産配分)という

大切な投資戦略の柱があるはずです。

投資信託の売却・買付は、この戦略的な資産配分を実践するなか

常に冷静な判断のもと行われるべきではないでしょうか。


そもそも、そのアセット・アロケーションは、

ご自分のリスク許容度にも適合しているはずです。


アセット・アロケーションを設計するには、

手間も時間もかかりますし、

その後、ポートフォリオを管理するのも面倒かもしれません。

しかし、

とりわけ、リスク許容度が高くない投資家さんが、

投資信託のリスクを考慮し効率よく運用を続けたいのであれば、

必要不可欠な投資戦略だと理解しています。


さらに、

“投資家心理は、相場の影響が9割”といってもよいくらいです。(笑)

それくらい、投資行動に影響を与えるのが、為替相場や株式相場です。


リーマンショックや欧州債務危機の当時を振り返りますと、

投資に対し、弱気なコメントをする市場関係者やエコノミスト、

ファイナンシャル・プランナーなどの専門家、

そして雑誌や書籍が実に多かったことを思い出します。


それが今では、どうでしょうか。

そのようなことを言っていた人たちも、

相場に対し強気なことを言う人が多いものですから

私は個人的に色々な意味で心配になります。



事実として、私がこの円安相場で懸念することは、

マーケットのムードが、2007年のサブプライム問題が出始める前の

世界的に投資家がリスクに対し緊張感を失いつつある状態に思えるのです。

気のせいだとよいのですが……。



ドル円相場は、リーマンショック前は、

1米ドルあたり120円、1ユーロあたり170円など当時の円相場からは、

投資家の目には、まだまだ円高に映ります。

しかし、

実質実効為替レートでは、日本円は、すでに当時の水準に近いというのが、

マーケット動向からいえることです。


<日銀のHPより参照>

実効為替レートとは、

特定の2通貨間の為替レートをみているだけでは捉えられない、

相対的な通貨の実力を測るための総合的な指標です。

具体的には、対象となる全ての通貨と日本円との間の2通貨間為替レートを

貿易額等で計った相対的な重要度でウエイト付けして集計・算出します。

この実効為替レートに、各国のインフレ率の差を考慮したものが、

実質実効為替レートです。



では、リーマンショック後と同水準で、

為替相場が、急激に円高へ巻き戻した場合には、投資信託はどうなるか?

過去の基準価額の推移をたどると、

為替相場で円高(為替差損)の影響を受けない、または限定的にした

(安定型)債券ファンドは、リーマンショック以降、

欧州債務危機当時も基準価額が上昇するなど、

非常に堅調なファンドが多かったです。

一方で、日本株式ファンドを筆頭に、欧米先進国の株式ファンド、

アジア株式ファンド、そしてコモディティ・ファンドなど軒並み下落しました。


次に、投資信託の基準価額が高く上昇していたから積極的に買い、

リーマンショック後、ファンドの追加投資を減額・または、やめてしまった方は、

運用ポートフォリオの回復力・スピードの面でやはり厳しかったのは事実です。

それでも、リーマンショック後、途中、売却・出金(大きな損失確定)するよりは、

だいぶよかったといえます。


最近、急激な円安相場なので、

担当させて頂いている複数のクライアントさんからご連絡を頂きました。


先週は、毎月定額で積立投資を中心に資産形成をされている方々からも

たくさんお電話頂きました。

円安・株高だと毎月・買付けをしている投資信託の基準価額が割高になり

投資信託の口数を多く買えないというご不満?を頂いた事実について、

皆さん共通の認識を持たれていたので健全な投資脳で安心しました。(笑顔)


現在、ファイナンシャルゴール、資産形成の途上であって、

これからも金融資産を大きく増やしたい投資家さんの場合には、

投資信託の基準価額が上がらないでいてくれた方が有難いのです。

(資産形成をスタートした時点を基準として)


このような投資効率についても、

投資を始めたばかりでは、きっと肌感覚で理解できないかもしれません。

しかし、長期で積立投資もしくは追加投資で資産形成を実践し

金融資産を築いてきた投資家の方には理解できるのです。

さらに、

金融危機や円高・株安の下落相場を何度か乗り越える経験をしますと、

アセット・アロケーションの重要性はもちろんのこと、

手を緩めず、その時に投資信託を積極的に買い続けたことが、

いかに大事か、また数年後大きな成果となることに気づきます。


これからも投資信託を活用し資産運用・資産形成を楽しんで行きましょう。



本日も最後までブログを読んで頂きありがとうございます。






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これからも


『「投資信託にだまされるな!」にだまされるな!』に

関連する内容や是非伝えたいことをブログでご紹介していきます。

最後までお読みくださりありがとうございました。

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拙著:『「投資信託にだまされるな!」にだまされるな!』は、


マネー知識ゼロの女性の方を読者として想定し、


女性の感性へ働きかけるよう意識して書きました。