「投資信託にだまされるな!」にだまされるな! -3ページ目

2015年の投資方針は、リスクテイクが基本ですが、油断大敵です。

こんにちは、実践派FP 斉藤俊行です。


読者の皆さん、大変ご無沙汰しております。


お元気でしょうか。


本年もどうぞよろしくお願いいたします。



年初からマーケットでは荒い展開が続いています。


市場関係者や投資家のあいだでは、

主なリスク要因として、次の3つの動向に注目しています。



1.原油価格


2.ECB(欧州中央銀行)の量的緩和導入


3.ギリシャ情勢



新年の幕開けから長期金利が低下するなか、

リスクオフ・モードから円の買い戻し圧力が強まり、

株価下落と為替は円高へと相場が推移し、

肝を冷やされた投資家の方も少なくないかもしれません。


ちなみに、2015年の為替相場では、

主要通貨のなかで日本円の上昇率が顕著となっています。


ただ、私自身の2015年の投資方針は、

昨年に続き、株式ファンドとREITファンドを中心とするポートフォリオで

運用する予定です。


とはいえ、

価格変動リスクは、昨年以上に大きいことが予想されるため

投資家の心構えとして、『油断大敵』の言葉を念頭に置いています。


市場では、世界的な金融緩和策の流れから、

長期金利の低下が続き、昨年の後半から一段と金利が下がり、

日本の10年国債利回りは、いよいよ0.2%台に突入しました。

これは、すごいことだと思います。


ちなみに、

米国10年債利回りは、1.8%台、

英国10年債利回りは、1.5%台、

そして、ドイツの10年債利回りは0.4%台ですから、

金融マーケットは、「過剰な流動性」ともいえる状態です。


各国中央銀行の金融緩和策により、

また、市場へ大量のマネーが供給されるなか、

さらなる金利の低下を招き、

利回りが低すぎて先進国の債券による運用では、

金利収入が期待できなくなりつつあります。

そんな事情もあって、債券の運用難から、さらに株式が買われていました。

(ただし、現在は、投資家のリスク回避志向から株価は軟調に推移しています)


昨年、この傾向が最も顕著だったのは米国株です。

過去最高値を何度も更新してきました。


これまで、私が担当をさせて頂くクライアントさんには、

安定型の運用ポートフォリオへ切り替えることを推奨してきましたので、

昨年からボラティリティ(価格変動リスク)が非常に大きい相場が続いても

きっと皆さんは、安心して運用しかつ、

金融資産を増やされていることと認識しています。


株式ファンドとのマイナス相関となる債券ファンドの配分を高めていくなか、

マーケットでは、金利が低位で安定しているため、

債券相場は堅調(債券価格の上昇)、

その結果、

株式ファンドやエネルギー関連ファンドやコモディティファンドが、

大きく下落する局面においても、

安定型債券ファンドの基準価額は堅調に推移しているからです。


とはいえ、

ハイリスク・ハイリターンのポートフォリオを選択されているリスク許容度が高い

投資家の方(クライアントさん)も担当させて頂いておりますので、

もしも、マーケット動向に不安を感じた場合、遠慮なくご相談くださいと、

お伝えしております。


まず、2015年は、原油価格が、50%以上急落する局面では、

ヘッジファンドや、エネルギー関連ファンド、コモディティファンドなどは、

運用が軟調なはずです。

しかし、実体経済としては、

原油安は生活者や企業にとってメリットの方が大きく、

その後、実体経済のGDPを押し上げる効果があります。

つまり、原油安は、中長期でポジティブに考えられるのです。


次に、今後、ECBが量的緩和策を導入すると予想されている

ユーロに関しては、

ユーロ圏の経済は経常黒字が大きく、物価が上がらず実質金利が高いため、

しばらく円高で苦しめられていた過去の日本経済の状況に似ています。

そのため、市場ではユーロは強い通貨と評価されますので、

たとえECBが量的緩和策を導入し、

一時的にはユーロ安に推移したとしても、

その後、しばらくすると、

ユーロは買い戻され上昇する可能性が高いように思われます。

その場合、円安・ユーロ高の方向へ進むことが期待されます。


ただし、1月25日(日)に行われるギリシャの総選挙の結果次第では、

一時的であったとしても、マーケットが反応し、

大きく「リスクオフ」の局面に向かう可能性も否定できません。


その場合、円が買い戻され、ユーロが売られ、

円高・ユーロ安への推移が予想されます。


今週から来週にかけて重要なイベントが続きますので、

以下のイベントスケジュールを確認して頂ければ幸いです。


今年もマーケットの動向を注意深く視て行きましょう。




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<今週・来週ののイベント>


1月19日(月)  鉱工業生産確報(11月)


           消費動向調査(12月)



1月20日(火)  日銀金融政策決定会合・中間評価(1/20~21)


           米国 住宅市場指数(1月)



1月21日(水)  全産業活動指数(11月)


           黒田東彦日銀総裁記者会見


           米国 住宅着工戸数(12月)



1月22日(木)  主要銀行貸出動向アンケート調査(1月)


           日銀金融経済月報


           米国 FHFA住宅価格指数(11月)


           欧州中央銀行(ECB)理事会



1月23日(金)  米国 中古住宅販売(12月)


           米国 景気先行指数(12月)


           韓国 GDP(10~12月期)



1月25日(日)  ギリシャ総選挙



1月26日(月)  貿易統計(12月)



1月27日(火)  企業向けサービス価格指数(12月)


           米国 耐久財受注(12月)


           米国 新築住宅販売(12月)


           米国 消費者信頼感指数(1月)


           米国 S&P/ケース・シラー住宅価格指数(11月)


           米国 連邦公開市場委員会(FOMC 1/27~28日)



1月29日(木)  商業販売統計速報(12月)


           米国 中古住宅販売保留指数(12月)



1月30日(金)  東京都区部消費者消費物価指数(1月)


           全国消費者物価指数(12月)


           完全失業率(12月)


           有効求人倍率(12月)


           家計調査(12月)


           鉱工業生産速報(12月)


           新設住宅着工戸数(12月)


           米国 実質GDP事前推定値(10~12月期)


           米国 雇用コスト指数(10~12月期)


           米国 シカゴISM製造業景況指数(1月)




          



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これからも


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関連する内容や是非伝えたいことをブログでご紹介していきます。

最後までお読みくださりありがとうございました。

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拙著:『「投資信託にだまされるな!」にだまされるな!』は、


マネー知識ゼロの女性の方を読者として想定し、


女性の感性へ働きかけるよう意識して書きました。