手乗りダルマを手のひらに弄び氏は悩んだ。




さて宣言どおりにダルマ市に出かけた氏であるが、道中自転車に乗ったダルマのようにまるまるした男児が、『か~~め~~』と叫び通り過ぎるのを見た。

おいおい、今日びの子供がまさかカメハメハするなんてことはないだろうな?ドラゴンボールしないよな?と思って気にするともなく気にしていると、『は~』と続いたのでこりゃもう絶対カメハメハだ、そうに違いないと確信した次第でございました。

しかし、『かーめーはー』まできた時点で、母親と思わしき淑女が『もう少し端を走りなさい』と注意すると、男児は気のない返事を『あぁ』とした。

その後すぐに『め~』と言ったので、あぁ続けるのかと氏は思いました。

『かーめーはー、あぁ、めーはー』とはイマイチすっきりしない、なんなら氏自らカメハメハをうちなおそうか、いやそれは恥ずかしいか?しかし、すっきりしない。

そんなモヤモヤした気持ちで電車にのり、ダルマ市の開かれる高幡不動まで出かけていったのです。


駅に着くと、すでに買い物を終われたと思しき老人や初老の紳士淑女がダルマを抱えて楽しく談笑していた。

これがかなりの人数がいたもんだから、なんというかかなり超現実的であったという。

大きなダルマ、小さなダルマ、お持ちになっているダルマの大きさはさまざまだが、『駅でダルマを抱えて談笑する大勢の人々(老人)よりによってダルマ?』。こんなシチュエーションをシュールと呼ぶのだろう。


『来年もまた元気で来ましょうね』


そんな他愛もないコトを笑いながらお話しているのだが、失礼ながらご尊顔を仰ぎ見るに結構笑えない。

そもそも2009年始まったばかりなのに、来年の話って『お前ら生き急ぐんじゃねぇ!』と氏は自分の3倍近く生きているであろう方々に小1時間説教した。


思わぬ説教で時間をとってしまったが、参道という名の商店街を歩き不動尊へ到着。

正直言うと、ダルマ・ダルマ・ダルマ、ダルマだらけ!を想像していたのだが、普通の縁日であった。

たしかに、ダルマしかないような市場にどなた様も起こしになることはないであろうから当然である。

氏はバナナが嫌いであるが、チョコバナナに少々心を動かされた。

どなたか後日いっしょにチョコバナナを食べに行きましょう。全部は多分食べれないから半分こで。さっちゃん気分で。


不動尊に着きなにが不満かって、なんで巫女服きてねぇんだよ!!オマエら莫迦か!?というコト。

この際だ、どっちが莫迦かという話は置いといて全員左袒せよ。

なんだその中途半端なモンペ姿は?


ま、まぁいいだろう。

氏の今日の目的は巫女服にはなく、あくまでダルマ。広い心を持ってすれば、ただ風の前の塵に同じ。

とまぁダルマを眺めてみるも、どれも同じ顔してやがる。

そしてこんなドデカイのはいらん。

実に手ごろ、小さい小さいダルマを手にとって値段を聞くと500円だとおっしゃる。

あら、意外と高い。ミカンよりちょいとばかし大きい程度のサイズで500円?


氏は悩んだ。


なぜなら隣の屋台に置かれるリンゴ飴の値段たるや300円であったからだ。

明らかにリンゴ飴の方が大きい。

そして形状・色はほぼ同じ。



『ふむ、これは決まりだな』



そして本日の予定を難なくこなし、満足して家路についたのであった。




Not Place Utopia←ワンクリックよろしく