もうすぐ向日葵が眠る
その花弁が消えるまで
僕は地に耳をつける
反対側の耳は
空いっぱいに星の音が聞こえる
そして君の声も聞こえた
二人で地に耳をつけて
向日葵を見送る
来年も咲きますようにと
星が皆を祝福しますようにと
言葉を捨て僕らは見つめ合った
そんな夏の終わり
もうすぐ向日葵が眠る
あなたは
その壊れたラジオが聞こえない耳を
答えのない自然に委ねている
それは私にとって意味のない耳
だって私は壊れたラジオ
星がいくら輝こうとも
私たちの体温は
冷えた夏の土に吸い込まれる
寝そべって目を合わせても
こんな暗闇じゃ何も伝わらないよ
あなたは土を愛して向日葵と浮気して星空と結婚する
そこに私は必要ない
私はこの手で触れたものしか信じないから
そんな夏の終わり
もうすぐ向日葵が眠る
ーーー
僕を突き放す風が強くなる
そして気づいていない訳ではない
これからの風は夏の夜の土より
冷たく
来年も2人の間に向日葵が咲くとは限らない
ーーー
私の見る花が枯れてゆく
こうなる事はわかっていたのかも
星の夜にこの向日葵畑で寝そべったこと
なぜか切なく
悲しい記憶になるかも知れないと
ーーー
だから僕はひまわり畑に行こうと言った
だから私もひまわりの顔が見たかった
それは言わずとも分かっていたからだ
本当は星も土も壊れたラジオも要らない
ほんの一輪のひまわりでいい
ひまわりの花言葉は
私はあなただけを見つめていたい
そんな、終わらない夏


