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朝じゃんね

でも布団を出るにはまだ早い

微妙なライン



この季節 外はまだ真っ暗

朝日のカケラも見えない

そして足元では小さな戦車と歩兵隊がドンパチやつてる



枕元には鷹がいた

神妙な面持ちで有難い書を咥えているが

嘴でベトベトではないか



京都で寒ブリが大漁らしい

17kgの個体もあり良い値がついてるとか

我々にもイノチの値段をつけてくれると有難い

無駄な命を使わずに済むからね



そういや鷹は鳥目だから夜明け前は狩りができず

余った時間で僕を勧誘しに来てくれたのか

気持ちだけでも受け取っておくべきだったか

いやしかし僕は人間が想像しうる神を信じない



足元でやっているドンパチはまだ終わらないらしい

休戦しながらも続くようだ




随分と昔にテレビで見た




とある戦場の難民キャンプで

アラブ人らしき女児が

泣いているのか

笑っているのか

わからない感情を出していた




泣いているのか笑っているのかさっぱりわからない

嬉し泣きとかとは次元が違う感情表現




震えた

怖かった

女児が壊れていた

目の前で母親が亡くなったのだろうか



あんな表情の人間見たことない



だけどこの世界で最も聖なる土地では



今日もこんな子がいるんだろうな






夜が明けてしまった