柔らかな冬の日差しが

 

私の心を捕まえる

 

白い息が尾を引いて

 

あの日の駅を発つ




突き刺さる冬風が


私の身体を重くする


失った心を求めても


どこにも線路が見当たらない

 




どうか私が白くなる前に


溶けて消えてしまう前に




貴方の肌が暖かいうちに


あの場所へ辿り着きたい




ポケットの中には古びた切符があった




駅も線路もなくーーー


私の汽車は走り出す






車窓からは春の匂いがした