ゆき の ね

 

雪の音

 

雪の音

 

か細い音

 

 

幾何学模様の結晶が

ほてった頬を湿らせた

 

 

雲の中で

雨になりきれない氷が

 

ちらちらと無邪気に

雪となる

 

 

いっそ雨なら

全て流してしまえたのに

 

 

か細い声

 

か細い温

 

か細い色

 

 

雪を下から見ることを

君に教えた

 

そして

 

 

肌と肌の間に火があることも

 

 

どうして離れ離れになったのか

今でもわからない

 

 

 

この鼓動の跡が

 

いつまでも経っても消えないよ