ふゆのねふゆ の ね 冬の音 冬の音 音の無い音 幾何学模様の結晶が 鼻の頭を湿らせた 音もなく 色もなく 空も地面もない 白く 白く 沈んでゆく 雪を下から見ることを 貴方は教えてくれた そしてそこには熱があることも 肌と肌の間に火があることも 冬の音 冬の音 その場限りの一生 この鼓動の跡が いつまでも経っても消えない