自由詩です
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黒く溶けた蒼の中
僕らは呼吸を知らなかった
君の手は白くぼやけていて
液体よりも軽かった
飽和した蒼と白が
透明な水疱に隠れて
しばし揺れた
あれから
君は呼吸ができただろうか
この星を包む液体から
その身体を起こせただろうか
僕はまだ液体に包まれたまま
水面が明るくなるのをじっと待っている
ごめんね
僕は笑い方を知らなかった
ありがとう
この星の液体より多くの幸せが
貴方を潤しますように
そしてもう立ち止まりませぬように
(2018.9.15)