んん
東京都庁から真横に五重塔が生えている。
1、2、3本?
連結部分から伸びているのは通天閣??
空には一面、緑の非常口マークが、卑猥なネオンみたく光っていて、人マークの隙間からは砂時計の砂が落ちてくる。
足下は深い深い蒼い水で、ベネツィアの様な前世紀の美しい建物が沈んでいるけど、何故か牛丼屋もコンビニも混じっていて、それだけで俗っぽく見える!
ワニのプランク氏は、四次元立方体に存在する高次元の”何か”は、人間には認識できないと言うけど、話題に出せると言うことは認識してるんじゃ??
と思ったら、そのまま白い水に引きずり込まれて、色とりどりの土星とコンペイトウが、あちこちから頭にぶつかる。
それを振りほどくと、今度は目の前の大きな十字架が出てきて、その正面は大きな姿鏡になってる??
そこに映った私は、カンカン帽子を被ったコーヒー豆で、飛び出た足はストッキングにローラーブレード。
が、次の瞬間、私は鏡そのものになって、貴族服を試着する、プテラノドンのマダムたちを映し続ける。服はいいけど下着はダサい。
もう、どうにもこうにも辛くなって叫ぼうとすると、鏡のドアを開けてワニのプランク氏が出てきた。
「どうでしょう。この作業着。雪の影響で17分遅れた準急の車内で買ってきました」
?? ?
「??の連続、脈絡のない心象風景は疲れるでしょう。ん?何だこの手にはまってるのは?生きたエスカルゴのロレックスか。要らない」
「ここは?ブラトリア?ん??」
「都庁から生えていた五重塔が2023年時点のものだと思っていませんか?あれはよく見れば羽黒山で1372年の2日前に完成したものです。そして左下は大石寺の五重塔ですから今から18秒後のものですよ。そして………暗転します」
法廷。
アンモナイトの裁判長。
「被告人。貴方は2023年6月13日午後2時32分頃、東京都江戸川区の中央森林公園で何をしていましたか?」
ドンタイタチの弁護人。
「裁判長、被告人は詳しい日時と場所を覚えておりません」
手が生えたメガネの検事。
「被告人は無罪にします。今すぐ釈放しましょう」
裁判長の背後にある、ひな壇のプテラノドン貴族たち。
「最近は棘がないわね」
そうして女陪審員たちはやかんに入った血を飲み干した。
東京都庁から真横に五重の………。
「やめて!!!!」
「あら。………腹が立ちました?まだブラトニア王の愛人の息子の茶碗ちゃんにも会って………」
「もー無理。も~無理。どうせ、これも刹那で、結局混乱で、理解なんてできる訳ない!」
「そうそう。この錯乱の世界はプラトリアを認識できない貴方の頭脳の風景です」
「もう、そんなの、どうでもいいの。なぜ難しく話すの?私は『誰か』を探しているだけなの!ここに居たくない!」
「………そういったモノがですね。四次元立方体に存在する高次元の”何か”より、簡単に見つかるとお思いか?」
(つづく)