ショートストーリーの1です
…………………………✂️……………………………
どう考えたっておかしい。
え?
いつから?
どうして?
釣りバカ☆サークル男女4人で清流に来た。
テントを立てた。鮎を釣った。
で、夜になって焚き火を始めた………。
で、
………気づいた………。
A治「………みんなさ、気づいてる?」
酒盛りしていた学生達はシーンとなった。
B子「何の話ー?」
C志「………」
D美「やめて。それ以上言わないで」
E雄「なになに〜?」
しばらくの間、焚き火の音だけがパチパチとなっていた。
B子「あ………ホントだ」
E雄「?あれ〜?」
全員が気づいた。
本当は口に出すべきことじゃないのかも知れない。
C志「………4人で釣りに来たのに、なぜ5人いる?」
A治「どう考えたっておかしい。俺はさ、お前らのこと全員知ってるぞ!?」
B子「え、え、何でみんな、みんなを知ってるのに、一人多いの!?」
D美「私らは軽自動車で来たのよ?」
E雄「4人しか乗れないじゃん!なんで〜!?」
A治「間違いない。釣ってる時はさ、気づかなかった。焚き火をしてからだ。一人増えてる。
でもどう考えてもお前らはさ、親友ばかりだ。なんだこれ?俺がおかしいのか?」
C志「いや、おかしくねえ。確実に4人で来た。でも今はどうしたって5人いる………」
A治「………誰が増えたのかわからない………みんなさ、免許証出してくれ。あるんなら学生証も」
B子「………みんな、持ってるね。私たち釣りバカ☆サークルは4人しかいないのに」
D美「ちょっと待って………みんな。一枚ずつ紙渡すから、釣りバカ☆サークル結成時、最後の最後、
ボツになったサークル名、書いて。それで皆で見せあおう。これは絶対4人しか知らないから」
「エコエコ☆鮎釣り部」
B子「みんなわかってる。もうやだ………。」
A治「最近さ、お前らの周りで誰か死んだか?」
みな首を横に振った。
C志「………妖怪とかそんなのか?ありえねえ………。」
D美「………今日はみんな起きていよ。そんで朝になったらすぐ帰るのよ」
E雄「え、帰ろうよ〜。今すぐ!」
A治「軽にさ、5人乗れるわけ無いだろ」
疑心暗鬼。
A治「親友ばかりの釣りサークルの4人がさ」
B子「なぜか釣りが終わったら5人になってるの」
C志「皆お互いを知っているのに誰が増えたかわかんねえ」
D美「気味が悪い。幽霊のがよっぽどマシよ」
E雄「でも偽物がいるのは確実なんだよね〜?」
誰?
(つづく)