どこか遠くの海です。

 

嵐とさざ波が繰り返されます。

 

そこに棲む生き物たちに話を聞いてみました。

 

 

 

 

 

嵐の時はどうしていますか?

 

 

サメさん:ヒレが出せないが、特に問題はない。

 

クジラさん:そんな時もある。特に問題はないよ。

 

サンマさん:皆がはぐれないよう、声を掛け合って乗り越えています。

 

チンアナゴさん:どこかに飛ばされそうで怖くてたまらない。

 

人間みたいな魚さん:まず自分が誰だか分からない。

 

稚魚ちゃん:あうあう。

 

 

 

さざ波の時はどうしていますか?

 

 

サメさん:ヒレが出せる。

 

クジラさん:水面を飛び跳ねている。ここに生まれて幸運だったよ。

 

サンマさん:出産と育児、エサの確保に努めます。

 

チンアナゴさん:パチンコに行きます。

 

人間みたいな魚さん:まずここがどこだか分からない。

 

稚魚ちゃん:ばぶー。

 

 

 

陸はどんな所だと思いますか?

 

 

サメさん:腹減った。

 

クジラさん:ここと大して変わらない。身体が重くなるだけだよ。

 

サンマさん:それは人間に獲られるという事です。覚悟をする場所です。

 

チンアナゴさん:考えたくない(´;ω;`)ブワッ

 

人間みたいな魚さん:あなた誰ですか?

 

稚魚ちゃん:まーま、ぱーぱ。

 

 

 

私は誰だと思いますか?

 

 

サメさん:寝る。

 

クジラさん:貴方も泳ぐ生き物ですよ。

 

サンマさん:神様でしょうか。

 

チンアナゴさん:助けてください!

 

人間みたいな魚さん:人間でも魚でもないのなら、心なんて要らなかった。

 

稚魚ちゃん:きゃっきゃ。

 

 

 

 

 

どこか遠くの海がありました。

 

嵐とさざ波が繰り返されます。

 

生き物達のヒレはみな、形は違えど精一杯動き続けます。

 

 

 

きっと、それだけで海は美しいのでしょう。

 

 

 

 

 

今日はとてもいい天気でした。