東日本大震災から丸3年。
今日は日本中、その話題でいっぱいです。
当たり前ですけどね…。
今でも当日の事は鮮明に覚えてますね。
東長崎の小劇場「てあとるらぽう」さんで、映画「IKARIDA」のクランクインに向けて、準備をしているまっ最中でした。
外に出ると、金属製の電柱がミョンミョン釣竿のようにしなって、ビルのガラスに突き刺さりそうになっていましたね。
翌日も普通に撮影があったので何としても帰らねばならなかったし、あの池袋駅の大混雑も実際に見ました…。
レスキューに所属している友人はどんなに大変だろうと考えた事もあったし、水戸に住んでいる幼馴染の消息を心配した事もあったし、東北電力に努めている友人から東京電力の福1に応援行く時に、特攻に向かう兵隊のようなメールが来て、本当に心配したこともありました。
あれから3年、自分も被災地に対して何か出来る事があるのかといつも考えていますが、自分はボランティアとかの感覚が非常に人より乏しいのか、いつも自分の無力さに突き当たって堂々巡りに陥ります。
トラックに支援物資をいっぱいに詰め込んで、芸能界で真っ先に被災地に向かった江頭2:50さんの行動力には、本当に敬服します。
募金箱を見つけて少額の募金を繰り返す事くらいしか出来ていない自分は、震災直後にビートたけしさんが『週刊ポスト』誌上で語ったインタビュー記事が本当に考えさせられました。
* * *
(前略)
どのチャンネルつけても、報道番組一色で、オイラはすっかりテレビから遠ざかっちまった。こうなってくると、ホントにお笑い芸人とかバラエティ番組にできることは少ないよ。
(中略)
よく「被災地にも笑いを」なんて言うヤツがいるけれど、今まさに苦しみの渦中にある人を笑いで励まそうなんてのは、戯れ言でしかない。しっかりメシが食えて、安らかに眠れる場所があって、人間は初めて心から笑えるんだ。悲しいけど、目の前に死がチラついてる時には、芸術や演芸なんてのはどうだっていいんだよ。
オイラたち芸人にできることがあるとすれば、震災が落ち着いてからだね。悲しみを乗り越えてこれから立ち上がろうって時に、「笑い」が役に立つかもしれない。早く、そんな日がくればいいね。
(中略)
それでも、オイラたちは毎日やるべきことを淡々とこなすしかないんだよ。もう、それしかない。
* * *
「悲しいけど、目の前に死がチラついてる時には、芸術や演芸なんてのはどうだっていいんだよ。」
これ、自分も常々考えている事です。
自分達は、人の命の前では一番必要のない事をやって、生活させて貰ってるんだなって。
だからこそ、心を動かせる演技をし、作品を作らなきゃいけないんだって。
そう思いながら、俺は結局また自分の事にだけ想いが行っちゃうんだなぁ…と、自己嫌悪に陥ったりするんですけどね。
これからでも遅くない。
自分にできる事を何かしたい。
改めてそう考える、今日一日です。
被害に遭われた方々のご冥福を、心からお祈り申し上げます…。