彼女は二挺拳銃とキャット・バルー | 懐古趣味親爺のブログ

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幼少期(1950年代)から成人期(1970年代)までの私の記憶に残っているものを網羅。

女性が主人公となって活躍するコミカル西部劇といえば、『彼女は二挺拳銃』と『キャット・バルー』ですな。

『彼女は二挺拳銃』(1950年/監督:リチャード・セイル)は、デビュー当時のマリリン・モンローが出演しているということで、早い時期にビデオソフト化された作品。私も初見はセルビデオでした。コロラド初の鉄道をめぐって商売を奪われることを恐れた駅馬車業者と、鉄道を護ろうとする保安官たちとの戦いを描いた上出来のコメディ西部劇です。

行商人のジョニー(ダン・ディリー)はトマホーク行きの1番列車に乗ったものの、線路の上に巨大な岩が落ちてきて立ち往生。トマホークの町に5日後の正午までに到着しないと開業免許が取り消しになるので駅馬車会社が妨害したのね。近くのエピタフの町には何とか到着しますが、ここから40マイルの間、線路が敷いてないことがわかります。線路のある場所まで列車をラバで引いて運ぶことになり、保安官の孫娘キット(アン・バクスター)が駅馬車会社の手先に襲われて負傷した祖父に代わって列車を護衛。ダコタ(ロリー・カルホーン)たち駅馬車会社の一味だけでなく、中国人の洗濯屋にショーガールの一座が加わり、にぎやかに出発しますが……

ショーガールの中にマリリン・モンローがいて、ミュージカル『ショーほど素敵な商売はない』より一足早くダン・ディリーと共演して歌と踊りを見せています。初見の時はダン・ディリーなんて知らなかったのですが、後年『ショーほど素敵な商売はない』を観て、芸達者なミュージカル俳優と知った次第。ダン・ディリーと絡むのが拳銃の名人でナイフ投げの達人のアン・バクスターで、演技力で見事なコメディエンヌぶりを見せてくれます。恋愛は初心なバクスターとディリーとの接吻談義は可笑しかったね。バクスターが最初にポウッとなるのが色悪のロリー・カルホーン。『帰らざる河』でもモンロー相手に色悪を発揮。ロリー・カルホーンは二枚目だが、どこかひねたところがあるので色悪が似合います。西部劇としての骨子がちゃんとしているので、馬鹿々々しい喜劇になっていません。最後のオチは最高に笑えま~す。

 

『キャット・バルー』(1965年/監督:エリオット・シルヴァースタイン)は、無法者と一緒に父親の仇をうつ娘の活躍を描いたコミカル西部劇。

1894年のワイオミング、教師志願のお嬢さんキャサリン(ジェーン・フォンダ)は、町を支配するパーシヴァル(レジナルド・デニー)が差し向けた殺し屋ストローン(リー・マーヴィン)に牧場を営む父親を殺されたことから復讐を決意。牧場で働いていた先住民(トム・ナルディーニ)、キャサリンに恋している無法者クレイ(マイケル・カラン)とクレイの叔父ジェド(ドウェイン・ヒックマン)、そしてガンマンのシェリーン(リー・マーヴィンの二役)を従えて強盗団を結成。パーシヴァルの大金を運ぶ列車を襲い、キャット・バルーと呼ばれるお尋ね者になります。シェリーンは因縁のあるストローンと決着をつけ、キャサリンはパーシヴァルを色仕掛けで誘惑し射殺しますが……

コロンビア映画ロゴの女神が女ガンマンに変るオープニングに続き、本をめくるタイトルクレジットは洒落ています。物語は、ナット・キング・コールとスタッビー・ケイの歌うバラードに乗って楽しく、おかしく展開。マーヴィンが絶妙の二役を見せ、アカデミー賞主演男優賞を受賞。ジェーン・フォンダも生きのよいコメディエンヌぶりで、なんとも小気味よい作品となっていま~す。