黒いチューリップとゾロ | 懐古趣味親爺のブログ

懐古趣味親爺のブログ

幼少期(1950年代)から成人期(1970年代)までの私の記憶に残っているものを網羅。

アラン・ドロンが主演した西洋剣戟に『黒いチューリップ』と『アラン・ドロンのゾロ』があります。

『黒いチューリップ』(1964年/監督:クリスチャン・ジャック)は、『三銃士』で有名なアレクサンドル・デュマ原作の西洋チャンバラ。

フランス革命勃発前のある村では剣の達人ギョーム(アラン・ドロン)が、近隣の国へ亡命を図る多くの貴族から謎の黒マスク“黒いチューリップ”となって金品を強奪。ある日、憲兵隊の罠にかかり、隊長のラ・ムーシュ(アドルフォ・マルシラック)から顔に傷を負わされます。ラ・ムーシュは頬に傷のある男を指名手配。正体がばれるのを恐れたギョームは、パリから瓜二つの弟ジュリアン(アラン・ドロンの二役)を身代わりとして呼び寄せます。村にやってきたジュリアンは鐘の音に驚いた馬から落馬。革命派市民のプランタン(フランシス・ブランシュ)の娘カトリーヌ(ヴィルナ・リージ)に介抱され、二人は互いに惹かれあいます。ギョームの愛人である侯爵夫人(ドーン・アダムス)に招待されたパーティにギョームとして乗り込んだジュリアンは、革命鎮圧のための連隊が村を通ることを知り、プランタンに連絡。ギョームに黒いチューリップとしてプランタンと一緒に戦うことを勧めますが、金品強奪だけが目的だったことがわかり、ジュリアンが黒いチューリップになって革命軍に味方し……

ドロンが二役を気持ちよさそうに演じています。フェンシングも中々の腕前。クリスチャン・ジャックの演出に緊迫感はないですが、ユーモアを交えてノンビリ楽しめる作品で~す。

 

『アラン・ドロンのゾロ』(1975年/監督:デュチオ・テッサリ)は、何度も映像化されている“快傑ゾロ”の物語。

剣の達人ドン・ディエゴ(アラン・ドロン)は南米カルタヘナの町で親友のミゲルに出会います。ミゲルはニューアラゴンの町の総督として赴任する途中でしたが何者かに暗殺され、ミゲルの死に際の頼みでディエゴがミゲルに成り代わって総督として赴任。ニューアラゴンは、前総督亡き後、ウエルタ大佐(スタンリー・ベイカー)が軍隊を率いて圧政を行っており、ディエゴは敵をあざむくために臆病者を装います。耳は聞こえるが口がきけない忠実な従僕ベルナルド(エンツォ・チェルシコ)と町に出たディエゴは、不正と戦う貴族の娘オルテンシア(オッタビア・ピッコロ)や修道僧フランシスコ(ジャンカルロ・アルベルティーニ)を知り、彼らを助けるために、黒覆面のゾロとなって戦いを開始します……

ジョンストン・マッカレーの『快傑ゾロ』は、これまでにも何度も映像化されており、これは米製でなく欧州製。そのため、舞台がロサンゼルスでなく、中南米の架空都市になっています。ベルナルドやガルシア軍曹などの登場人物は、ほぼ原作通り。監督はイタリアのデュチオ・テッサリで、相変わらず、かったるい演出。ユーモアも泥臭いですなァ。「アラン・ドロンというスターの映画を作る」という意識が強く、ドロン中心の演出で、ドロンのカッコ良さだけは出ていま~す。