作戦は、どぶ鼠・やま猫・のら犬 | 懐古趣味親爺のブログ

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幼少期(1950年代)から成人期(1970年代)までの私の記憶に残っているものを網羅。

『独立愚連隊』と同じテイストで作られ、一般的に“独立愚連隊”シリーズとして位置づけられている作品に、『どぶ鼠作戦』『やま猫作戦』『のら犬作戦』があります。

『どぶ鼠作戦』(1962年・東宝/監督:岡本喜八)

終戦近い北支最前線、八路軍に襲われて行方不明になった師団長(上原謙)の息子・関大尉(夏木陽介)救出のために白虎(佐藤允)を隊長とする特殊部隊が編制されます。隊員は、脱走常習の林(加山雄三)・食事を盗んだ兵を殴り殺した三好(中谷一郎)・炊事場に手榴弾を投げ込んだ穴山(田中邦衛)・忍術を研究している佐々木(砂塚秀夫)という4人の札付き兵士。彼らは関隊が襲われた老頭へ向かいますが、敵の密偵隊長・無双(中丸忠雄)が待ちうけており……

岡本喜八監督らしいユーモアにみちた痛快アクション映画で、前線司令官の藤田進がトボケた味わいを見せてバツグン。佐藤允・加山雄三・中谷一郎・田中邦衛・砂塚秀夫のキャラも明確になっており、佐藤允と中丸忠雄との関係もカラッとしたもので、世界に通用する映画だと思います。

 

『やま猫作戦』(1962年・東宝/監督:谷口千吉)

竜ゲリラが出没する北支最前線の大田原部隊に平良少尉(伊吹徹)と若葉少尉(夏木陽介)が配属されてきます。部隊の一色中尉(佐藤允)は大田原少佐(中丸忠雄)と同期ですが、その反骨精神から独自で竜ゲリラのアジトの探索を開始。竜ゲリラによって電信は破壊され、若葉少尉が護衛していた李洪白(田崎潤)の穀物輸送隊が襲われます。一色中尉の協力で若葉少尉がゲリラの一人を捕虜にしますが、捕虜は何者かに殺され、一色中尉は基地内に内通者がいることを推理。怪しいとにらんだ酒場の主人(沢村いき雄)が白商会の張(堺佐千夫)に殺され、張が竜ゲリラの副指令とわかります。平良少尉が指揮に当たっていた特別監視所が竜ゲリラに襲われて全滅。一人生き残った平良少尉はゲリラのアジトを見つけますが……

カラーによる谷口千吉作品で、平良少尉を好きになる芸者の水野久美や、若葉少尉を好きになる中国娘の星由里子が見せる情感ある演出に谷口千吉らしさが出ています。ユーモアは不足するものの、喜八監督のスタイルを全体的に踏襲。だけど、中谷一郎たち特別監視所のごろつき兵が活躍しないままアッサリやられるのは残念で〜す。

 

『のら犬作戦』(1963年・東宝/監督:福田純)

北支最前線の河口部隊に雪旭斎勝々(佐藤允)と名乗る奇術師が慰問と言ってやって来ます。河口大隊長は死んでおり、軍医の薮田(三橋達也)は死因について何も語らず、勝々は不審に思うのね。部隊の指揮をとっている赤木中尉(平田昭彦)と倉野曹長(田島義文)は、何かと好奇心を持つ勝々が煩わしく、大門一等兵(藤木悠)を護衛につけて追い出します。地方軍閥の娘・王白洋(団令子)や、その部下の祭文礼(夏木陽介)と知りあった勝々は、河口大隊長が何者かに殺され、生前にドラム缶3個分のアヘンを隠していたことを知ります。匪賊を率いる李(堺佐千夫)もアヘンを狙っており……

誰が大隊長を殺したのか、アヘンの隠し場所は何処か、雪旭斎勝々の正体は…等、ミステリー色の強い内容になっています。アヘンを巡って争いが繰り広げられるわけですが、喜八監督と比べると切れ味は悪いものの100%痛快アクションになっています。第1作『独立愚連隊』で見せた佐藤允の持ち味全開で〜す。