アパッチ大平原 | 懐古趣味親爺のブログ

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幼少期(1950年代)から成人期(1970年代)までの私の記憶に残っているものを網羅。

『アパッチ大平原』は、東京12チャンネル(現:テレビ東京)で1968年4月30日~8月6日に放送されたテレビ西部劇。ジョン・ウェイン主演の映画『ホンドー』(1953年)をテレビ化したものです。パイロット版として放送された最初の2話は映画用に編集され、『荒野のアパッチ』(1967年/監督;リー・H・カッツィン)の題名で劇場公開されました。

主人公のホンドー(ラルフ・テーガー)は、以前は優秀な騎兵隊のスカウトでしたが、アパッチの酋長ヴィットロ(マイケル・ペイト)の娘と結婚し、アパッチと暮らしていた時に妻が騎兵隊によって殺され、今では賞金のかかった流れ者になっています。しかし、アリゾナ旅団管区の司令官クルック将軍(ウィリアム・ブライアント)に頼まれ、アパッチとの和平交渉の橋渡しをすることになります。

ヴィットロ酋長に会いに行く途中で、アパッチに襲われているアンジー(キャシー・ブラウン)とジョニー(バディ・フォスター)の母子を救出。二人は馬車でロウエル砦に帰る途中で、ホンドーは二人を送って砦に入ります。砦の酒場で旧友のバッファロー(ノア・ビアリー・ジュニア)と久しぶりに会い、バッファローが懐かしさのあまりゲームをやめて立ち上がったことから、ゲーム仲間の一人がホンドーに食ってかかり、殴りあいの結果、ホンドーが男をKO。KOされた男は砦で雑貨店を営むアンジーの夫エド(ジョン・スミス)で、酒とバクチに溺れて借金まみれ。KOされたことを根に持ったエドは、ホンドーがお尋ね者と知って、翌日砦を出て行くホンドーを待伏せしますが、逆に撃ち殺されてしまいます。

ホンドーに会ったヴィットロ酋長は、クルック将軍との話し合いに同意。しかし、アパッチとの和平を好まない運送業のクランツ(ジム・デービス)が、白人との和平を好まないアパッチのシルバーを煽って、リチャーズ大尉(ゲイリー・クラーク)の騎兵小隊を襲撃させます。更に、シルバーが鉱山を襲撃するのをホンドーが防ぎ、ヴィットロ酋長がシルバーを成敗。和平の道が開かれることになります。

テレビシリーズ(全17話)はリアルタイムで観ておらず、後年CATVで観賞。インディアンを単なる野蛮人として扱ってはいませんが、インディアンに対する認識は、“悪い白人もいれば、悪いインディアンもいる”といった程度で、白人からみた綺麗ごとの世界になっています。そんな中で印象に残ったエピソードは……

4話「Hondo and the Superstition Massacre」

アパッチの土地から金が出たという噂が流れ、事実を確認するために地質調査官がやってきます。その調査官というのが、かつてホンドーの妻を殺した騎兵隊の指揮官。ホンドーは復讐しようとしますが、調査官の妻から彼が毎晩悪夢にうなされ、自分のやった過ちに苦しんでいることを知らされます。ポピ族に調査隊が襲撃され、調査官の妻が連れ去られ……

ポピ族の戦士とホンドーが決闘するんですが、サボテンを周りに敷き詰めた中で行われます。プロレスの有刺鉄線デスマッチみたいなものね。それまでの西部劇では見たことのないものでした。

9話「Hondo and the Judas」

クァントレル(フォレスト・タッカー)が生きていて、ゲリラ隊だったメンバーを集めます。ホンドーもその一人。妻を殺した相手を見つけて殺すために、南北戦争の時はクァントレル・ゲリラ隊に入っていたんですな。クァントレルの目的は自分を裏切った人物を見つけ出すこと。呼び集められたメンバーは、ジェームズ兄弟、ヤンガー兄弟、フォード兄弟。それと、何故かジョニー・リンゴ。目がテンになるようなエピソードでした。リッキー・ネルソンがジェシー・ジェームズ役で出演。

13話「Hondo and the Death Drive」

クルック将軍に頼まれて、ホンドーはアパッチの居留地へ羊を運ぶことになります。途中で待ち受けている羊を毛嫌いしているカウボーイたちと対決。L・Q・ジョーンズがアパッチにウイスキーを密売している小悪党役を好演。このウイスキーを火炎瓶にして襲撃してくるカウボーイを防ぐシーンは迫力がありましたよ。

15話「Hondo and the Gladiators」

ホンドーといつも一緒にいる犬のサムが、ストリート・ファイター(クロード・エイキンズ)に闘犬用として連れ去られます。犬のサムは、このシリーズのコメディリリーフ的存在で、ホンドーとサムのやりとりが各エピソードにユーモアを与え、物語に厚みをもたらしていました。

紹介できなかったエピソードには、ニック・アダムス、ロイヤル・ダノ、ジョン・キャラダイン、フェルナンド・ラマス、ロッド・キャメロン、アラン・ヘイル・ジュニア、ジャック・イーラムなどがゲスト出演していま~す。

ちなみに、後年CATVで放送された時は原題の『ホンドー』でした。