仮面の忍者赤影 | 懐古趣味親爺のブログ

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幼少期(1950年代)から成人期(1970年代)までの私の記憶に残っているものを網羅。

時は戦国時代、怪しい宗教や奇怪な兵器や妖術者、恐ろしい怪獣たちと戦う伝説の忍者。キラリと光る涼しい目に、赤い仮面をつけた正義の忍者。「赤影、参上!」の名乗りを上げて、赤いマフラーをひるがえし、どこからともなく青影、白影をともなって現れるのが、『仮面の忍者赤影』(フジテレビ系列で1967年4月5日~68年3月27日放送)です。東映テレビ室が制作。原作は横山光輝で、『伊賀の影丸』の後を継いで「少年サンデー」に66年11月6日号から連載開始された『飛騨の赤影』。テレビ放映にあわせて『仮面の忍者赤影』に変更されました。

赤影(坂口祐三郎)は、飛騨の山奥にある忍者の里で、その頭領・影烈風斎(徳大寺伸)の息子として生まれた影一族のエリート忍者。忍者が持つ暗い雰囲気はみじんもなく、青影(金子吉延)からは赤影さん、白影(牧冬吉)からは赤影どの、と慕われています。白影は赤影と強い信頼関係で結ばれており、赤影の片腕として、また助言者として活躍。大凧の名手、そして変装の名人。青影は少年ながら白影と同様に赤影の片腕となって活躍。鎖を巧みに操り、望遠鏡・通信機などメカニックも得意。

第1部:金目教編

京の都から南に位置する南近江一帯で、金目教なる謎の宗教が広がり、織田信長(倉丘伸太郎)は木下藤吉郎(大辻伺郎)に調査を命じます。藤吉郎の軍師・竹中半兵衛(里見浩太朗)は影一族に依頼。赤影たちが近江に向かいます。赤影たちに秘密を探られまいと現れる謎の忍者たち。彼らの正体は金目教教祖・甲賀幻妖斎(天津敏)の配下・甲賀忍者霞谷七人衆。幻妖斎は宗教による集団洗脳によって人心を攪乱して京の都を掌中に収めようとしているんです。巨大な金目像や巨大鉄独楽を操り、赤影と対決。蟇法師が育てた巨大な千年蟇は、映画『恐竜大決戦』の使い回しです。

第2部:卍党編

謎の忍者集団卍党が、織田信長の手元にあるゼウスの鐘を奪います。赤影たちは卍党の正体と彼らの目的を調査。赤影はポルトガル人宣教師から、ゼウス・マリア・サタンの三つのギヤマンの鐘を揃えると、巨大なエネルギーを生み出す製法を手に入れることができると教えられます。さらに赤影は、秘密を狙う卍党の正体が、死んだはずの甲賀幻妖斎と配下の甲賀うつぼ忍群であることを察知。残る二つの鐘をめぐって赤影たちと卍党の戦いが繰り広げられます。

幻妖斎が操るのがUFOを想起させる空中戦艦・大まんじ。白蝋鬼、魔老女、怪獣・むささび道軒たち妖術使いを次々と赤影の前に送り込みます。

第3部:根来編

天下を狙う夕里弾正(汐路章)が京で反乱。それを知った織田信長は、自ら精鋭を率いて京に向けて出発します。護衛につくのが赤影たち。夕里弾正は根来十三人衆に信長暗殺を要請。赤影たちは次々と襲ってくる根来十三人衆を倒して旅を続けます。

根来十三人衆は、ガッポ・ドグマ・アゴン・ガバリ・ガンダといった怪獣を使って攻撃してくるのが特徴。第1部では甲賀七人衆の一人にすぎなかった汐路章が、天下を狙う黒幕に出世です。

第4部:魔風編

忍者の天下を狙う魔風忍群の首領・魔風雷丸(汐路章)は、配下を率いて忍者の名門・影の里を急襲。影一族の頭領・影烈風斎を手にかけ、さらに青影の姉・陽炎(時美沙)を狙います。陽炎は、影一族に伝わる忍者世界のシンボル・黄金の仮面の秘密を知るたった独りの人間。烈風斎から黄金の仮面を託された陽炎は影の里を脱出。里からの知らせで急ぎ駆けつけた赤影たちですが、影の里は鎧怪獣グロンによって破壊されています。陽炎を捜す三人。行く手には怪獣を操る魔風忍群が待ち受けています。

鎧怪獣グロンの他に、人食い植物バビラン・山ヒル怪獣ギロズン・強殻怪獣ガガラ・巨大カニ怪獣ザバミ、そして雷丸が変身するトカゲ怪獣ジジゴラなど根来十三人衆以上の怪獣使いばかり。メイクやコスチュームを変えて、汐路章がシリーズ三度登場。たくさんいた個性派俳優の中でも目立つ存在でしたね。

原作に近かったのは第1部だけで、あとはリアリティー無視の何でもありの世界。「だいじょォーぶ」の青影のセリフ通り、赤影たちに悲愴感はなく、とんでるドラマだったと思いま~す。