スパイ大作戦 | 懐古趣味親爺のブログ

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幼少期(1950年代)から成人期(1970年代)までの私の記憶に残っているものを網羅。

スパイブームの頂点で登場したのが『スパイ大作戦』です。フジテレビ系列で1967年4月8日に始まり、放送日や放送時間を変えて73年9月27日まで全171話を放送。「おはよう、フェルブスくん」が馴染みになっていますが、シーズン1は、「おはよう、ブリッグスくん」です。ジム・フェルブス(ピーター・グレーブス)がリーダーとして登場するのは、シーズン2(29話)から。シーズン1のリーダーは、ダン・ブリッグス(スティーブン・ヒル)でした。声はどちらも若山弦蔵でしたけどね。

擦られたマッチの火が導火線について、画面を横切りながら燃えていきます。オーバーラップして映し出される、スパイ大作戦メンバーたちの活躍のダイジェスト。そこにかぶされるのがラロ・シフリンによるテーマ曲と紹介ナレーション(スパイ大作戦。実行不可能な指令をうけ、頭脳と体力の限りをつくしてこれを遂行するプロフェッショナルたちの、秘密機関の活躍である)、そしてタイトル文字が爆発して物語が始まります。

アメリカ政府が直接手を下せない極秘任務を遂行するスパイ組織IMF(Impossible Mission Force)のリーダーが当局から指令を受け、リーダーが作戦を立て、作戦に参加するメンバーを選出。メンバーとの打ち合わせ、作戦開始、作戦終了が基本的な話の流れです。

記念すべき第1話「核弾頭を奪え」は、ダン・ブリッグスがレコード店で受け取ったレコードに指令が入っています。「例によって、君もしくは君のメンバーが捕らえられ、あるいは殺されても当局は一切関知しないからそのつもりで。なお、このテープは自動的に消滅する」が定着するのはシーズン2からで、シーズン1ではテープも出てきますが、レコードやフィルムなど指令をうける媒体は色々。それと自動的に消滅するのでなく、ブリッグスに処理を任されています。焼却炉や海に捨てたりしてね。指令のはいったテープの場所を教える連絡員が出てくるのもシーズン1だけですね。

でもって、第1話の指令ですが、南米の独裁者がホテルの金庫室に保管している核弾頭を奪うこと。ブリッグスは、独裁者の替え玉にする変装の名人ローラン(マーティン・ランドー)、女好きの独裁者に近づく美女シナモン(バーバラ・ベイン)、テレビカメラの妨害や脱出用花火の仕掛けをする技術者バーニー(グレッグ・モリス)、核弾頭をケースに入れて持ち出す怪力男ウイリー(ピーター・ルーパス)のレギュラーの他に、金庫破りの名人テリーをメンバーに加えます。シーズン1では、レギュラーの他に、記憶の天才や軽業師などの特技を持つ人物がメンバーに加わるエピソードが多いです。参加メンバーを選んでいる時に、作戦の概要をリーダーが語るナレーションは、タイトル・ナレーションと同様に日本独自のもので、オリジナル原版にはありません。

迫力不足だったスティーブン・ヒルから、シーズン2からはピーター・グレーブスのジム・フェルブスにリーダーが代わります。『スパイ大作戦』といえば、フェルブスくんになったのです。

グレッグ・モリスとピーター・ルーパスは最終(7)シーズンまで出演しましたが、マーティン・ランドーとバーバラ・ベインはギャラをめぐるトラブルで、シーズン3で降板。変装名人はレナード・ニモイのパリスが4~5シーズン、美人スパイはリー・メリーウェザーのトレイシーが4シーズン、レスリー・アンウォーレンのダナが5シーズンと、その後もメンバーは代わっていきます。面白かったのは、3シーズンくらいまでで、後は惰性で見ていたようなものです。画像は、シーズン5のメンバー。

1988年にリーダーのジムを除いてメンバーを一新した『新スパイ大作戦』が復活。日本でも1991年に日本テレビ系列で放映されましたが、海外ドラマ衰退期だったこともあって深夜放送でした。グレッグ・モリスの息子フィル・モリスが、ドラマの中でもバーニー・コリアーの息子グラント・コリアーの役で出演していたのは嬉しかったんですけどね。

映画化されたトム・クルーズ主演の“ミッション・インポッシブル”シリーズは、私にとって、『スパイ大作戦』とは全くの別物で~す。