田村正和の新吾十番勝負(2) | 懐古趣味親爺のブログ

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映画では大川橋蔵の当たり役だった『新吾十番勝負』は、テレビでも何度かドラマ化されていますが、私のお気に入りの田村正和版『新吾十番勝負』(TBS系列で1966年10月3日~67年6月26日に放送)を昨日に続き、19話以降を紹介。

19話は、徳川家に不満をもつ大名をたきつけて騒乱を起こそうとする忍者軍団と対決。忍者の首領は須賀不二男。新吾を好きになり、裏切って殺される女忍者役で吉村実子が出演。

20話は、新吾に味方する将軍吉宗の弟で伊予・西条の藩主・松平頼安(大瀬康一)を暗殺しようとする27人の刺客と対決。刺客の首領は菅原文太だよォ。

21話は、道場破りにきた中国の武芸者(小池朝雄)との対決。目ん玉むいて、へんな日本語を喋る小池朝雄が印象的でした。新吾を助けようとして殺される中国娘役で亀井光代が出演。

22話は、親の仇と間違われた新吾が、真犯人(伊達三郎)と対決。

23話は、八千万両の埋蔵金の在処を知る淀屋の娘(霧立はるみ)を助けて悪党(細川俊夫)退治。

24話は、武田一真再登場。尾張柳生の刺客を倒した新吾と対決しますが、芸者(中原早苗)の情にほだされ、決着は持ち越し。

25話は、爆破テロリスト(江見俊太郎)退治。男(松本錦四郎)と女(中村晃子)の忍者が新吾を援護しますが、女忍者が買収されていて裏切ります。初代テレビ新吾だった江見俊太郎は、松本錦四郎を道連れに爆死。

26話は、仲良くなった少年(保積ペペ)の父親で槍の達人(東千代之介)と対決。

27話は、大和柳生の女剣客(松山容子)との対決。田村正和より松山容子の殺陣が中心。

28話は、平和な落人部落を守って、極悪非道の鎖鎌の達人(五味龍太郎)との対決。若き村長役で太田博之が出演。

29話は、新吾を狙う剣魔と呼ばれている居合の達人(内田良平)との対決。剣魔が横恋慕する娘役で清水まゆみが出演。

30話は、飴売り役で美川憲一が出てきて、持ち歌を脈絡もなく歌ったことだけが記憶にあるエピソード。

31話は、21話で倒した中国の武芸者の弟(小池朝雄)が現れ、新吾と対決。女スリの役で山東昭子が出演。

32話は、悪家老(原健策)の策謀により、余儀なく戦うことになった音無し片手剣法を使う剣客(天知茂)との対決。

33話は、女旅ガラス姿の信州上田の姫君(野川由美子)との道中記。悪家老役で加賀邦男が出演。

34話は、梅井多門を不意打ちした剣鬼(待田京介)との対決。

35話は、頼安の依頼で剣客兄妹(倉丘伸太郎と亀井光代)を追う新吾の物語。

36話は、尾張柳生の刺客たちと新吾の対決。刺客の首領は城所英夫。27話でやむなく対決した大和柳生の女剣客の妹(松山容子)が姉の仇として新吾に挑みますが、柳生を裏切り、新吾に味方して死にます。

37話は、孤児を集めて暮らしている疋田陰流の剣客(安井昌二)との御前試合。新吾は剣客の境遇に同情して勝ちを譲ります。

38話は、梅井多門が武田一真に倒され、新吾は一真との最終対決。最後の勝負にふさわしい見事な殺陣を見せてくれます。

39話(最終回)は、西の丸派の京都所司代・牧野河内守(宇佐美淳也)の妨害がありますが、14話で恋仲となった鷹司家の姫君の助けで新吾は晴れてお鯉の方(扇千景)と対面です。

田村正和のテレビ時代劇初主演作品。最初の頃は、演技も殺陣も今イチ。タイトルオープニングでの「ははうえ~!」の絶叫には目を覆いたくなりましたよ。武田一真との最初の対決では、南原宏治に完全に貫禄負け。しかし、回を追う毎にレベルアップしてきて、タイトルオープニングが凛々しい殺陣シーンに替わった頃には、殺陣も演技もサマになってきました。

松竹テレビ室の製作ですが、多彩なゲストで松竹らしい特徴はありません。大川橋蔵の『新吾十番勝負・二十番勝負・番外勝負』を手掛けた松田定次と、松田定次の助監督だった松村昌治が演出しているせいか、東映系の俳優が多数出演。斬られ役は、汐路章や川谷拓三など当時の大部屋俳優です。須賀不二夫・伊達三郎・杉山昌三九は大映系、松山容子・松本錦四郎・倉丘伸太郎は日本電波系ですな。

全体を通すストーリーは、オイオイと言いたくなるような展開ですが、豪華ゲストとの1対1の決闘は、それぞれ工夫があり、見応えのある殺陣になっています。多数相手の大立ち回りよりも、緊張感があってグッド。

田村正和は気品のある顔に暗さをにじませ、葵新吾はピッタシ。眠狂四郎のようなニヒルな役も悪くありませんが、若き日の颯爽たる貴公子ぶりも良いですよ。月形龍之介が立っているだけで剣の達人という風格を持っているように、どんな高貴な役をやっても凡俗なところが出てくる役者と違って、生まれながらの貴種が漂っていま~す。