柔道一代と姿三四郎 | 懐古趣味親爺のブログ

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幼少期(1950年代)から成人期(1970年代)までの私の記憶に残っているものを網羅。

私が初めて柔道ドラマを観たのは、TBS系列で62年12月14日~64年10月9日に放送された『柔道一代』です。柔術を近代スポーツの柔道にした嘉納治五郎と、西郷四郎・富田常次郎・山下義韶・横山作次郎の講道館四天王をモデルにした、柔道の普及に青春をかけるスポーツドラマ。ドラマでは実名でなく、嘉納が真野に、四天王も郷・宮田・山上・横川となっていました。

柔術対柔道の対立を軸に、師弟愛に恋と友情を絡めたドラマで、必殺技なんか出てきませんが柔道の魅力を伝えていましたよ。主演の真野には、新東宝の傍役だった御木本伸介。このドラマで知名度があがり、その後のテレビでの活躍は周知の通り。四天王は、高島新太郎、黒丸良、宇南山宏、友田輝と、地味な俳優ばかりで、その後も馴染みがありません。真野のライバルである柔術家の柘植正作には沖竜次。彼も新東宝の傍役でしたね。最終回の収録後、撮影中に『月光仮面』など宣弘社作品の悪役でお馴染みだった赤尾関三蔵と川に流されて事故死しています。そのため、未収録のアフレコは他の俳優が担当しており、最終回を観た時は声がおかしいと思いました。沖竜次の柘植正作は、洋風スタイルでカッコの良かったです。

♪~柔道一代、この世の闇に、俺は光を、なげるのさ~ 

 

『柔道一代』よりも前に放送された柔道ドラマに『イガグリくん』と『もうれつ先生』があります。『イガグリくん』は、福井英一の人気マンガのドラマ化で、1960年にフジテレビ系列で放送されましたが、広島では放送されなかったのか全く記憶にありません。平日夕方6時台の子供番組は系列とは関係なく別の番組が放送されていたんですよ。

『もうれつ先生』は、寺田ヒロオの人気マンガのテレビドラマ化。これまた1960年にフジテレビ系列で放送されましたが、土曜夜7時からの30分ドラマで、裏番組に『とんま天狗』があって未見。

 

♪~人に勝つより、自分に勝てと、言われた言葉が胸にしむ~

村田英雄が歌う『姿三四郎』の主題歌は、私の好きな歌のひとつ。弱音をはきたい時に口ずさむと、勇気がわいてきました。『姿三四郎』は、フジテレビ系列で63年11月18日~64年5月11日に放送。主演は倉丘伸太郎。眉毛が太く、地方出身の武骨で朴訥な青年のキャラが似合っていました。宿敵・檜垣源之助の内田良平は、武術家の雰囲気はありましたが、源之助のひねた性格が出ていませんでしたね。恋人・乙美は佐治多恵子。日本電波社専属の女優さん。隆昌寺の和尚が曾我廼家明蝶。東京の坊主なのに大阪弁を使っていましたな。だけど、三四郎を諭す人生の師として違和感はありませんでした。柔道の師である矢野正五郎には名和宏。後年は悪役ばかりですが、この頃はまだ良い役が多かったです。

原作は講道館四天王の一人・富田常次郎を父に持つ富田常夫。主人公の三四郎は、同じく四天王の一人である西郷四郎をモデルにしたと云われています。

『姿三四郎』は、倉丘伸太郎の前にKRT(現:TBS)で1957年に牧真介が、62年にNHKで舟橋元が演じており、後には日本テレビで70年に竹脇無我、78年に勝野洋が演じていましたが、倉丘伸太郎が一番私の好みにあっていま~す。