前回に続き境界性パーソナリティ障害について説明する。
その前にまず一般的な認知の方法についての概略を説明する。

ひとは物事を考えるときに4本のヤリをもっていると考えて欲しい。
この4本のヤリの考え方は非常に大事である。
この4本のヤリは何を表しているかというと何を考えているかである。
1本のヤリで「今日の夕飯の事を考え」
1本のヤリで「恋人の事を考え」
1本のヤリで「趣味の事を考え」
1本のヤリで「仕事の事を考え」と行っている。
これら4本のやりはバランスよく自分で使いこなしている。同時には1つの事しか考えないが人はこのような大体4つの事を自由に使い分け、切り替え可能である。

これが人間の考え方と理解する。

境界性パーソナリティ障害の場合このヤリのバランスが崩れているのである。
どのように崩れているかというと4本のヤリではなく2本ほどのバランスの悪い太いヤリしかないという状況なのである。

具体的にどういう事かというと、バランスがとれず1つや2つの事しか考えられないのである。
それゆえ太いヤリなので1つの事に異様に執着してしまう。

だから、彼氏の事になるとその事ばかり考えてしまうのである。
「どうしよう、彼からメールがない、もしかしてもしかして浮気??あー死にたい手首切ってやる!」
「連絡がない!どうしよう20回着信のこしたけど心配すぎる!」
といった具合になるのである。
特にこのようなヤリの状態が女性に多いわけではない。
日常生活で困るパターンが女性に多いのである。
どういう事かというと女性の場合は2本の太いヤリの先が恋愛に向かう場合が多い。
そして恋愛とは相手の気持ちがあって成り立つものであるためこのような強力なヤリが1点に向かわれると関係が崩れてしまうのである。
そうなると他に考えていた事がないため(ヤリが1、2本しかない)自分の人生の全てが失われてしまった気になるのである。
そして崩れると不安で仕方なくなってしまいそれを解消するためにリストカットや過量服薬に走ってしまう。また女性の場合、恋愛以外には美への意識が高い場合が多い。
これは太いヤリが美へ向かった結果として美容整形に走るひとや化粧がうまい人が異様に多いのである。
境界性パーソナリティ障害に美人が多い理由もこの事が関係している。

一方、これが男性の場合は恋愛よりも少ないヤリが自己価値や仕事に向かう場合が多い。
その場合仕事は逃げないため不安定にはなりづらくさらに仕事での成果もけっこうよかったりする。
ヤリが太いため全エネルギーが仕事に向かうのである。
ただ自分にも向かうため自分勝手であり自己愛性パーソナリティ障害と呼ばれる場合が多い。

作家に多いといった事もこのような理由からである。
太いヤリをもっているため細かいところにも鋭く過敏に反応する事ができる。
それゆえ人の細やかな表情や反応も読み取ることだできるのである。

この事は境界性パーソナリティ障害の良い点でもある。
周りの空気が読めたり高いエネルギーで物事を達成することができるのである。

境界性パーソナリティ障害とは一見悪いもののみに考えられがちであるが自分のヤリがうまく使いこなせていないだけなのである。
社会経験をつむことによってそれがいい方向にむかっていき社会的にも成功している人は数多くいる。
ただ自分自身をうまく扱いきれていないだけなのである。
境界性パーソナリティ障害(境界性人格障害ともいう)とは比較的よくみかけるかもしれない。
俗称としてボーダーと言われている。
1クラスに1人はいたのではないだろうか。
どのようなひとかというと、リストカットを繰り返したり彼氏をとっかえひっかえしたりメールの数が山のようにあったりとするような女性に多いタイプである。
このような事により日常生活にも支障をきたすのである。
一説によるとヘルマン・ヘッセ、太宰治、ダイアナ妃、マリリン・モンロー、ウィノナ・ライダー、ブリトニー・スピアーズもそうであると言われている。作家には非常に多い。
「人間失格」や「17歳のカルテ」ではこれらをわかりやすく詳細に記されている。
では境界性人格障害とはどのようなものなのであろうか。まず一般的な診断方法からみていく。
これは診断基準を使ってチェック方式で考える。
DSMⅣ(診断基準)によると以下の9つの中で5つ以上を満たすものである。

・現実に、または想像の中で見捨てられることを避けようとする気も狂わんばかりの努力(注:5.の自殺行為または自傷行為は含めないこと )
・理想化と脱価値化との両極端を揺れ動くことによって特徴づけられる不安定で激しい対人関係様式
・同一性障害:著明で持続的な不安定な自己像や自己観
・自己を傷つける可能性のある衝動性で、少なくとも2つの領域にわたるもの(例:浪費、性行為、物質濫用、無謀な運転、むちゃ食い)
・自殺の行為、そぶり、脅し、または自傷行為のくり返し
・顕著な気分反応性による感情不安定性(例:通常は2 - 3時間持続し、2 - 3日以上持続することはまれな強い気分変調、いらいら、または不安)
・慢性的な空虚感
・不適切で激しい怒り、または怒りの制御の困難(例:しばしばかんしゃくを起こす、いつも怒っている、取っ組み合いのけんかをくり返す)
・一過性のストレス関連性の妄想様観念、または重篤な解離性症状

しかしこれをみてもいまいちよくわからない。なんかいろんな事が起きてるし診断基準には当てはめることはできるけどなんでこうなるんだろうか?そこがよくわからないのである。
この境界性人格障害を理解するにはまずそうでない多くの人が物事どのように考えているかを理解しなければならない。
それでは次にそれについて述べる。
私たちは普段いろいろな音を聴いている。
精神疾患の中でも音に対する反応の変化は大変重要である。
どのような変化が起こっているか具体的には未だわかっていない。
それでは聴くという作業は具体的にどのようなメカニズムなのであろうか。

まず人の聴くことのできる範囲は決まっており20~20000Hzの間のみである。
この周波数と空気の圧力の強度によって音は決定させる。
主な流れとしては次の通りである。

蝸牛の聴覚受容器→脳幹ニューロン→MGN(内側膝状体)→聴覚野

それではまず受容器でどのようなメカニズムで反応を引き起こすのかをみていく。

音波が鼓膜を動かす→鼓膜が耳小骨を動かす→耳小骨が卵円窓の膜を動かす→卵円窓の膜の運動が蝸牛内の液体を動かす→蝸牛内の液体の運動が感覚ニューロンの反応を引き起こす

液体を動かす事で基底膜が振動するのだがこの基底膜は異なる周波数に対して振動する場所が異なるといういわゆる場所符号化構築している。

このような機械的エネルギーを膜の電気的分極の変化へと変換する聴覚受容器は基底膜上のコルチ器の中にある。その中で、
有毛細胞→ラセン神経節→聴覚前庭神経→延髄の蝸牛神経核に投射する。

この有毛細胞の不動毛が一方向に傾くと脱分極し、逆方向へ傾くと過分極するのであるが、この不動毛の直径は約500nmでありその1000分の1のゆらぎで感知されるということからもごくわずかな音が聞き取れる理由がわかる。
ゆらぎにより不動毛の先にあるTRPA1チャネルにK+が流れ込む。
主に内有毛細胞はラセン神経節に入力し、外有毛細胞が基底膜の動きを増幅させる。
また脳から外有毛細胞への繊維もありこれにより聴覚の調整も行っている。

そして下丘を通じてMGNを介し聴覚皮質へ投射される。
また下丘からはMGNのみならず上丘や小脳に送ったり皮質から下丘やMGNへ送ったりと様々な経路が存在する。

音の強度はニューロンの発火頻度と発火するニューロンの数で符号化される。
また水平面の位置特定には両耳での音の誤差で判断している。
垂直面での位置特定は耳介の形によって判断している。

そして最後に至る聴覚野は側頭葉にある。