10月31日
ハロウィンですねハロウィン

午前中に通った渋谷は
まだ平和な様子でしたが

今ごろ大騒ぎなんだろうなぁ。


「ハロウィン」で思い出すことがあります。

4月に、
手術をした次の日のことです。


CTの検査が入っていたけど
まだいろんな管がくっついていたし
痛くて歩けなかったから
車椅子で行くことになって

ナースエイドさんっていうのかな?

看護師ではないけど
検査やリハビリの付き添いだったり
身の回りのことを助けてくれる
看護助手さんが迎えに来て
わたしを車椅子で検査室に連れて行ってくれました。


わたしは術後の痛みが強くて
気管が傷ついていて声も出せなくて
その時は頭の中「痛い…痛い…」しか考えられないぐらいボロボロ状態で
うつむいていました。

そうしたら、
その時のエイドさん

ほとんど表情も反応もないわたしに

笑顔でたくさん話しかけてくれました。


その人は少し年配の女性で、
 
自分も若い頃に病気をして

子どもができない体になって

すごく落ち込んで籠りがちになってしまったけど

ディズニーランドにハマってから人生変わったの!!年間パス持ってカメラさげて休みのたびに行くんだよ〜!って本当に楽しそうに大好きなディズニーの話をしてくれました。


特にハロウィンの時期が大好きで

50歳過ぎてコスプレデビューしたの!!

マレフィセントやるの!!

って言ってて

え…
このボロボロの女を優しく笑顔で介助してくれている女神のような人がマレフィセント…?!って

痛すぎて停止していたわたしの脳も動きました。笑

カスカスの息で
すごいーって伝えたら

やっと少し元気な顔見れた〜って返ってきて

やっぱり、ぜんぜんマレフィセントになるところが想像できない人でした。


本当に明るくて
こっちも自然に笑顔にしてくれて
しんどい人にこんな風に寄り添える
とても素敵な人でした。


そして、
検査も終わって
病室に戻る帰り道
エレベーターを待っていたときです。



でも、もし自分に子どもがいたら

あなたぐらいの年齢だったのかなぁ。

娘でもおかしくないね。って



そう笑顔で言われた瞬間がわたしは忘れられません。

その言葉はすごく切ないけど

温かくて優しくて

いま思い出しても涙が出てくる

その人の人生がぶわーって後ろに見えたような気がした。

自分の病気のことや痛みのことで頭の中いっぱいになっていたけど、

この人にも人生や生活があって

この病院にいる人みんなにもある。

当たり前のように目の前にあったもの全て
自分も含めて

「あ、生きてる」

って、その時強く感じられました。


わたしは術後以外は自立していたので
その後エイドさんにお世話になる機会もほとんどなく

その人と一緒になったのは
この時のほんの15分ぐらいの間だったけど

わたしにとってすごく大切な時間になりました。

あの人は今年も
マレフィセントになって
ディズニーランドに行ったのかなぁ☺︎

思い出しながら、
わたしはかぼちゃのクッキーをたべました。
ハッピーハロウィン!

野下真歩パンダ