共振回路のQとは共振の鋭さを表すものであり、無
線機器の同調回路等で重要な品質の要因である。
・共振回路のQの定義
共振回路とは2つのエネルギを保持する素子に、エネ
ルギを交互に受け渡しし続ける回路である。具体的には
コンデンサとコイルに交互にエネルギを蓄えている。
無損失の理想的な回路の場合、損失することなくエネル
ギを永久に受け渡しし続ける。しかし実際には抵抗成分
があり、そこでエネルギを損失している。このエネルギ
の損失と蓄えることができるエネルギの量の比がQとな
る。
共振回路の蓄積エネルギ
Q = ――――――――――――
電力損失エネルギ
直列共振回路のQは以下である。
ωoL 1 1 √L
Q= ――― = ―――― = ――・―――
R ωoCR R √C
並列共振回路のQは以下である。
ωoC 1 1 √C
Q= ――― = ―――― = ――・―――
G ωoLG G √L
1
ωo = ――――
√LC
また
共振周波数をfo、
共振しているときの負荷電流をIo、
Io
――― の時の周波数をf1、f2とする時(f1<f2)
√2
fo
Q = ――――――
f2 - f1
・共振回路におけるQの位置づけ
Qは損失の大きさを表しており、値が大きいほど損
失が少ないことを意味している。損失の少ないQ値の
高い回路では,共振曲線の先鋭度が高く,コンデンサ
やコイル端子電圧の共振時の値も大きくなることが分
かる.