解像度、走査線、毎秒の画面数について説明せよ



 ハイビジョンテレビなど近年高画質のテレビ放送の
需要が高まりつつあり、地上波デジタルテレビなどに
よって急速に普及している。


●解像度
 ピクセルの密度のことを表わす。特にパソコンのデ
ィスプレイやプリンタ、デジタルカメラ等でその性能
を表わす指標にしている。
 1インチに1000ドット×1000ドットあれば1000dpi
(Dots Per Inch)となる。人間の目には250dpi以上あれ
ば画像劣化は感じにくくなる。


●走査線
 画面の左から右へ映像を映し出す1本の線をいう。VGA
(640×480)の場合、走査線は480となる。一般的なテレ
ビは走査線は525本、ハイビジョン放送では1125本である。
一般的にこの数が多いほど映像が綺麗になるといわれる。


●毎秒の画面数
 NTSCの画像は1秒間に29.97枚の飛び越し走査(インター
レース)フレームで構成されている。画面のリフレッシュ
レートを電源周波数と同じにすることで、波の干渉による
黒縞が画面に出ることを避けることもできる。NTSCはアメ
リカの規格でありアメリカでは商用電源は60Hzである。


●NTSC
 日本や米国を中心に採用されているカラーテレビ放送の
伝送信号の規格。モノクロ放送との互換性を維持するため、
映像信号を色信号と輝度信号とに分離して送る。モノクロ
受像機で受信する場合には輝度信号だけを利用する。水平
方向の走査線数が525本、1秒間に29.97フレーム(画面)
のインタレース方式と規定されている。水平同期周波数は
15.75kHz、垂直同期周波数は60Hzである。
 アメリカの"National Television Standards Committee"
によって、アナログテレビジョン方式の規格として制定され、
非公式に委員会の略称"NTSC"で呼ばれることになった。 NTSC
はアメリカの標準となっているだけでなく、日本や台湾、韓国、
フィリピン、中南米諸国で採用されている。
 NTSCの画像は1秒間に29.97枚の飛び越し走査(インターレース)
フレームで構成されている。各フレームには480本の垂直解像度
があり、525本の走査線で構成されている(表示に使われていな
い部分は、同期信号、垂直帰線、また字幕信号などに使われて
いる)。


●PAL
 PAL(Phase Alternating Line)はアナログカラーテレビ放送
の規格である。開発した西ドイツ(当時)を中心に、イギリス等
の西ヨーロッパ、ASEAN諸国の大部分、中東の大部分、アフリカ
の一部、ブラジル、オーストラリアなどで採用されている。
 PAL(Phase:位相,Alternating:反転,Line:走査線)という名が
表す通り、走査線毎に色信号の位相を反転しているが、このこ
とで、ある程度の位相エラーを自動的に補正することが出来、
結果として正しい色を出すことが出来る(NTSCでは受信機の色合
い補正を手動で行う必要がある)。PALは通常、1フレームあたり
625本の走査線で、1秒当たり25フレームの信号で放送され、NTSC
同様飛び越し走査による表示を行う。各フレームは2つのフィールド
で構成され、各フィールドは1フレームの約半分の走査線で構成
される(片方は偶数ラインで、もう片方は奇数ラインで構成される)。
フィールドは伝送され連続して表示される。1秒あたり50フィールド
で表示されることになる。この構造は、フリッカー防止と帯域幅節約
との妥協案で生まれた。


●インターレース
 テレビやディスプレイなどが、1回の画面表示を奇数
段目と偶数段目の2回の走査に分けて行なうこと。1回の
走査で画面表示を行なう方式はノンインターレースとか
プログレッシブと呼ばれる。インターレース方式は動画
を表示する際にちらつきを抑えられるため、ほとんどの
テレビで採用されている。一方、コンピュータのディス
プレイは、静止画や文字を表示することが多く、インタ
ーレース方式だとちらつきやにじみが生じるため、ほと
んどはノンインターレース方式である。


●プログレッシブ
 プログレッシブ走査方式は、インターレース走査と異
なり飛越し走査をしないで、順に走査する。1度に1線づ
つ完全に順番通りに表示しますので、フリッカは生じな
い。


 リフレッシュレートが70Hz以上であるとちらつきが抑
えられるが、あまり速くすると液晶などディスプレイの
応答が追いつかないなどの問題がある。