それは海底に沈みし古代の都ルルイエ | のるのる『夜行性ねじまきカタツムリ』

 もうすぐ夏がやってきますね。

 

 という事で少し不思議な話をしましょうか。

 ひんやりとした怪談というわけではなく、僕が幼い頃に経験したよくわからない現象のお話。

 

 夏と言えば暑いのでプールというわけでして、学校の授業で体育の時間がプールになったりします。

 ところが、僕は子供の頃、泳ぎが得意ではなく、全然泳げなかった子供だったので、プールが本当にいやでした。今でも得意ではないんですが、一応は泳げます。

 そんな金槌だった小学校低学年のプールの授業での話。

 

 小学校のプールの授業は2時間あって、そのうち、前半は僕は泳げないのであたふたとテンションを下げつつやり過ごしていたのですが、後半の10分くらいは自由時間と言いますか、プールで勝手に遊んでいいよタイムがあるんですね。

 その時間は特に泳ぐ必要もないので、僕も友達と水に漬かりながら遊べるので好きな時間でした。

 この自由時間に奇妙な体験をしたのです。

 

 あまり詳細な事は覚えていないのですが、おそらく友達数人とプールの中で鬼ごっこ的なものをしていたと思うのですが、僕は泳げないので頑張って水の中を走っていたんだと思います。

 その時、うっかり足を滑らせてこけてしまったんです、プールの中で。

 

 もちろん、僕は泳げなかったわけですから、急に水の中に転倒してしまったのでとてもビックリしました。

 普通ならその衝撃で水を吸い込み蒸せてすぐに立ち上がりゲホゲホやる所なのですが……

 

 その時、僕は水の中で呼吸できたんですよね。

 

 ちょっと、何を言っているのかわからないと思うんですけど、転倒した僕は、何故だかあれ?水の中で呼吸できる?という状態になったんです。

 それまで全然、泳げなかった僕ですけども、水の中で呼吸ができるならば泳げないのなんか関係なく水の中で遊べるじゃないですか?

 だから、僕は嬉しくなってしばらく水の中を這うようにして遊んでいました。

 あぁ、これで僕はもう水を得意にして生きていけるのだなぁなんて思ったりして、そろそろ地上に上がるかと水面から顔を出すと、思いっきりゲホゲホして水を吐き出しました、死にそうなくらい。

 

 ちょっと泣きながらも落ち着いた後、僕はもう水の中で呼吸が出来ると思っていたものだから、もう一度、水の中に入り水中で思いっきり息を吸ってみたのですが、思いっきり溺れました。

 

 そう、僕が魚になれたのはその一度きりなのです。

 

 という事があったのですが、どういう事なのでしょうか。

 誰か説明お願いします。