うまくいかない
離婚計画への葛藤
※このブログはネタバレありなので、閲覧ご注意ください。
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勤務中に家に戻ってきて、イネスへと疑問をぶつけるカッセル。
その問いは、イネスに何かの計画があることを見破っているかのような核心をついてきますが…。
【48話】
カッセルは、イネスに問います。
『君に何か計画があるとしたら?』
イネスの計画を知ってる私達は、ドキドキしますよね。
カッセル、鋭すぎない?って。
イネスも『計画』なんて言われて、たぶんん、内心、ドキドキだと思います。
例えば、私達のような現代人でも、
付き合っていた男の人がいて、相手が事情で海外にいて、なかなか結婚できない。
でも年齢的にもう待てなくて、別の人とお見合い結婚をして、好きではないけど嫌いでもない夫と平穏に暮らしている。
そして、本当は、夫ではなく、彼が好きな自分に罪悪感を感じつつ、いつも彼を思っている。
ある日、夫が突然会社から帰ってきて、『その男のために、俺と結婚したのか…?その男が帰ってきたら…?』とか言われたら…
例え、悪いことは何もしてなくても、かなりドキドキのサイコサスペンスですよね。
イネスには、前世の話とは言え、2回の結婚歴があり、その2人とも実在するわけで。
特に今、カッセルの疑いに近いのはエミリアーノなわけで、会うつもりはないとは言っても、そもそも、この結婚を思いついた根源的な動機にもなっているわけで…。
しかも『計画』なんて言われてしまうと、本当に『計画』があって、彼を利用するために結婚したのは事実なわけで。
カッセルがいくら鋭くても、イネスの『計画』の真意は、当時の普通の考え方の貴族には、計り知れない、想像もできないものでしょう。
『離婚』さえもあり得ない貴族社会なのに、その上、子供を産んだ上での計画的な離婚なんて。
しかも、その目的が、男との再婚などではなく、法的な自立のためだなんて。
カッセルの想像できるのは、せいぜい、ペレスの平民の男とイネスが恋をして、でも公爵令嬢とは結婚できない。
多少は身体の関係なんかもありつつ、イネスには婚約者がいるから、処女でなければいけないから、最後まではできない…
とりあえず形だけでもカッセルと結婚して、カッセルが浮気した隙に、彼と密会する計画、とか、その程度のストーリーでしょう。
まさかイネスの口から『駆け落ち』なんて言葉が出ること、イネスが去ってしまうとまでは、予測していなかったのだと思います。
イネスも内心の動揺を見抜かれまいとするように、わざと挑発的に、キワドイ言い方をして、疑惑の一歩先手を打ったのだと思います。
実際、前世の夫なんて、夢の中の架空の出来事のようなもので、この人生には一度も現れていない男なわけですから。
『まさか私が、付き合っていた男と駆け落ちするとでも?』というイネスの言葉は、『…駆け落ちするのか?』と逆質問してしまうくらい、カッセルにとって、予想を超えるくらい、ショックな、寂しい『自分の妻』の言葉だったのだと思います。
そして続く、『合法的な離婚』『その男との再婚』『逃げるのを手伝ってくれるのか?』などという、静かながらも追い立てるように続く、イネスの言葉は、
ただ幼馴染の婚約者と結婚し、妻を愛していて、当たり前にその結婚は続くものだと信じていた、無邪気な『夫』であるカッセルにとっては、どれだけ残酷に響いたことでしょう。
イネスも、はからずも、カッセルに離婚の覚悟を匂わせて、今後、離婚する際に受けるカッセルのショックを和らげる意味もあったのかもしれません。
自分から始めてしまった疑いの刃が、ブーメランのように自分に戻ってきて、カッセル自身を傷つけます。
『私がそんなみっともないことをすると思う?』
『そんな間抜けな人間に見える?』
まくしたてるように問われて、カッセルは、だんだん冷静に戻ってきます。
そして、自分が、そんなふうにイネスの対面を傷つけて、恥ずかしめるようなことを言ってしまったことを恥じます。
イネスも、かつてエミリアーノと駆け落ちし、失敗してしまった愚かな過去を恥じているからこそ、今のように頭を使って賢く生きているわけで、今の人生のイネスしか知らないカッセルにとっては、それがすべてです。
今の人生のイネスを幼い頃から見てきたカッセルだから、イネスの賢さ、慎重さ、感情に流されない冷静さを誰よりも知っているのです。
それをカッセル自身、よくわかっているだけに、その自分の自覚を超えて、イネスを疑ってしまった自分の錯乱ぶりを、改めて、恥ずかしく申し訳なく思ったのでしょう。
もちろん、イネスの場合、その賢さ、冷静さがあるからこそ、カッセルは単なる『駆け落ち』などという無謀なものを想定していたわけでは決してなく、もっと緻密な何かの『計画』という言い方をしたのも事実なのです。
カッセルは本当にイネスの本質を、よくわかっていますね。
イネスが内心『あなたは何も悪くない』というのは、それら全てをわかった上の本心でしょう。
そして、最後には反省した犬カッセルが『数発殴って忘れてくれ』なんて。
いかにも体育会系、脳筋的な考え方で、イネスもドン引きで、あきれますよね。
しかも、殴って欲しくて、キスしてくるという。
確かに、昔、キスされて、イネスがビンタした時あったから、それを狙ってるんだろうけど。
イネスも、もう呆れて、一周回って、可愛いくなってしまったんでしょうね。
優しくキスを返します。
カッセルの考え方って独特ですよね。
『キスする(罪を犯す)→殴られる(罰を受ける)』を公式化して、
殴られたい(罰を受けたい)→キスする(罪を犯す)
前日の宴会の時も、
『罪を犯す→罰を受ける』公式を逆転させ、
先に罰を受ける(怪我する)→罪を犯す(キスする)
この考え方、カッセル的には合理的らしく、ネタバレになりますが、ビルバオでも神に対してやってますね。
よくわかんない理論に、イネスも『当たり屋』だと呆れてしまいますね。
ちなみに、この場面のイネスがまた、髪型もドレスもホント上品で美しいんですよ。
繊細なレースの胸元にカメオのブローチと肩掛けショール、低い位置でまとめられた髪、いかにも保守的な奥様みたいな佇まいで。
原作には、ドレスや髪型の描写は無かったので、作画担当様がデザインしたのだと思われますが、『浮気を疑われる妻』という危うい立場とは対極のような、貞淑な妻っぽいスタイルで、この場面を深く美しく演出していますね。
*
カッセルが仕事に戻り、窓辺に座るイネスの周りを、メイドのカラとラウルが整えています。
ラウルは上級使用人のため、本来はやらないメイドの手伝いや、侍女のようにイネスの身の回りの世話をするのも、この屋敷では、暗黙の了解なようです。
カルステラに来て、そろそろ1年が経とうとしていて、予想外の都市に予想以上に長居しているようで恐ろしくなるイネス。
イネスの予定では、本来は、エスカランテの領地・エスポーサ城か、あるいはメンドーサのエスカランテ邸に住み、カッセルは単身赴任でカルステラに住み、休暇の時だけイネスを訪ねてきて夫婦生活を送る、そんなごく普通の軍人家族のように暮らす計画でした。
もしも、その通りになっていたなら、カッセルと打ち解けることもなく、婚約時代のように、よそよそしい関係だったかもしれないし、限られた休暇中に子作りするだけなので、妊娠するのも時間がかかるから、義務的によそよそしい貴族らしい夫婦生活を4.5年続けるだけだったでしょう。
そして、単身赴任ですから、カッセルは浮気し放題で、子供が産まれたなら、それを理由に、後腐れも未練もなく離婚する。
イネスの計画は、貴族社会を知り尽くしたイネスによって綿密に練られていて、特に無謀なものではなく、実現可能なものではありました。
けれど、予想外だったのは、カッセルがまったく『貴族』らしくなく、予想外のことばかりするし、しかも、浮気するどころか、イネスを溺愛するくらいです。
そして、カッセルとの親密な毎日や、誠実な態度、居心地の良いカルステラの屋敷…全てが、そこを去りがたいものにして、イネスを悩ませます。
しかし、カッセルは決して、同情すべき哀れな男ではなく、いくらでも良い女性に出会える最強スペックの男です。
それをわかっているから、敢えて、イネスは、離婚後も、独身のままでいるなり、再婚するなり、自由に選べる最強モテ男のカッセルを選んだのですから。
けれど、カッセルが別の女性に優しくしている想像をすると、なぜか気分が悪くなるイネス。
完全に嫉妬だと思いますが、本人的には、それを認めるわけにはいきません。
こんな離婚やめてしまえばいいのに、と読者である私達は思いますが、
イネスにとっては、6歳のときから、これ以外の生き方を考えたことがないわけです。
心の奥にエミリアーノへの罪悪感も忘れたことがなく、彼や子供への贖罪を忘れ、自分だけがカッセルを利用して生きることはできず、
カッセルの未来を考えても、イネスのような罪深い狂った女と暮らすことは、彼にとってマイナスでしかなく、彼本来の独身主義や自由を損なうことになってしまう。
そして、このままカッセルと生きることは、カッセルがオスカルのいとこであり、いずれオスカルの側近となる立場である以上、絶対に避けなければいけません。
何より、カッセルを信じた先に、もし何か裏切られるようなことがあって、再び、死を選ぶようなことがあっては、絶対にならないのです。
今度こそは失敗できない、だからこそ、離婚して、孤独ではあっても、安全な、安泰な静かな人生を生きることが何より重要なのです。
離婚を取りやめるなんて決断ができるわけもないのに、離婚しがたい悩みだけが増えていく、苦しい葛藤に悩まされるイネス。
そんな時、ラウルから、アルフォンソの企みが知らされます。
この屋敷で唯一、イネスに肯定的ではないアルフォンソと、いよいよ直接話をすることになります。
まるで戦闘用のような黒いドレスで、アルフォンソを待つイネス。
さて、どうなるのでしょうか…?
…ということで、今日はここまで。
次回またお会いしましょう。
※4/6最新ニュース※
↓前回シェアしたアニメイトでのグッズ通販ですが、現在はほぼ販売終了。3月発売予定でしたが、4月にずれ込んだようで、まだうちにも届いていません。届いたら載せますね。
※めちゃコミさんでは『2月13日より2ヶ月の休載』と書いてあるので、そろそろ4月に連載再開予定なんでしょうか?
でも、今のところ、韓国版もポルトガル語版も、連載再開していません。
それらが、2〜3週先行するばすなので、日本版4月再開は難しいのかな?
韓国版などで再開情報ありましたら、また載せますね。
作品を読むなら↓
LINE漫画完全版がおすすめ
https://manga.line.me/product/periodic?id=Z0003741
シーズン2までのハイライト↓おすすめ
めちゃコミさんの動画↓
なんと声優さんが声を当てて漫画を読んでくれます。カッセルの声がイメージどおり✨初期の復習にもいいかも。

