2018年9月6日3時7分に北海道胆振地方中東部を震源として発生した地震による、損害鑑定の立会を約20物件ほど行ってまいりました。

 

地震保険で支払われる保険金は、「建物・家財」の被害の程度によって全損(100%)・半損(50%)・一部損(5%)」の3段階の損害区分に分けられていましたが、2017年1月1日より「全損(100%)・大半損(60%)・小半損(30%)・一部損(5%)」4段階に細分化され、この損害区分によって支払われる保険金額が決まってしまいます。

 

損害区分の判定で、一番の厄介なのが、一部損になるか、ならないかの瀬戸際の鑑定であります。


保険をかけた人にとっては、5%でも地震保険をもらいたい気持ちはわかるが、損害の無いものを有るとは言えないのです。

 

今回は約20物件に立ち会い、オーナー、鑑定会社、保険代理店、管理会社にまつわるエピソードを列記いたします。

 

1)保険代理店は、建物をほとんど確認しないで、新規顧客や代理店変更の建物を契約している場合があるので、RC造で契約されている証券が実際に鑑定に行くとS造であったり、面積が全く違う物件も有りました。

 

2)証券の住所はほとんどが地番で契約されており、鑑定人が目的の建物に着かない場合も有る。

 

3)東京在住のオーナー物件が札幌市西区にあり、管理会社が札幌の会社。住所は地番で契約。目的地まで、管理会社の社員の車の後ろについて行くが、たどりつかず、1時間ちかく、探しまくって、やっと目的の建物に付くと、鑑定人がカンカンに怒り始め「この建物は本当にあなたの会社で管理されている建物なのか・・・。」一括された管理会社の社員。

 

4)構造種別によって、被害箇所のクラックや破損をカウントするが、まったく関係ない箇所のクラックを何カ所も指摘するオーナー。しかも今回の地震による被害でないのは一目瞭然。

 

5)東京在住のオーナー物件が札幌市南区にあり、管理会社が札幌の会社。建物廻りは背丈ほど草が生い茂っている。鑑定人は思わず、「蛇でないですよね・・・・・」って尻込み。鑑定結果が一部損である5%の支払をオーナーに告げると、「この保険金で、まずは草刈ですね・・・・」と告げる。

 

6)鑑定立会の依頼がきて、報酬金額を告げると、「必ず損害金が出ますよね・・・・損害がゼロの場合は、報酬もゼロですか」と言い返しくるオーナー。

 

 

7)鑑定結果が無損で有ったが後日、再鑑定によって、無損から一部損を認めさせたって豪語してSNSで書き込むオーナー。

 

8)地震保険は最低でも一部損の5%はもらえる、なぜなら災害見舞金なのだから・・・・て豪語する保険代理店。その物件が無損判定と告げると、あなたに鑑定立会を頼まなければよかった・・・・って逆切れ。

 

面白く書き込みましたが、
鑑定業務は結構大変で、まずは図面を書き込み、構造種別によっては被害の一番ある階を探していきます。

基礎廻りも1本たりともクラックを見逃がさないように地べたに伏せて確認していきます。

双眼鏡で何度も何度も高所を確認していきます。心のよりどころは公平にがモットーである事は間違いないです。

 

今後大きな地震が起きない事を祈るばかりです。

 

 

建築物全般における診断・調査、 外断熱改修工事の設計・監理は

ノースエンジニアリング株式会社 へご相談ください