イタリアの至宝、カロリーナ・コストナーの祈り | ならの”スポーツの喜怒哀楽を語ろう!”

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ソチの団体戦で、真央ちゃんが、リプ子の演技のあと、ぽつりと、
「これからは、若い子達が活躍していくんだろうな・・」
というようなことをつぶやいたそうだ。

真央ちゃんは、すでに心を決めているのだろうなと推測した。勝手ながら。
私は、茶番クーバーが終わってから、真央ちゃんがソチを目指すという発言をしてから、これが最後のオリンピックになるだろうと思っていたし、それでいいと思った。彼女が背負っているものは、想像を絶するぐらい大きく重い。
この世界選手権で、その重荷が、どうか下ろせますように。


やっと引退してくれるのか・・ああ、よかったという輩の場合は別として、
「惜しまれながら引退する」スケーターは、今年は、例年になく多いのではないだろうか? 

ソチで幕を閉じた者、そして、来週から始まる世界選手権で最後の美を飾る者。それぞれが、異なる想いで、最後の舞を披露してくれるだろう。

真央ちゃんと、本当の意味での良きライバルだった選手、茶番クーバー以降は、カロコスとワグナーだったと思っている。 カロコスは、3度目のオリンピック、ワグは最初で・・おそらく、最後のオリンピック。

イタリアの至宝、カロリーナ・コストナー、彼女もまた、そのスケート人生に幕を降ろそうとしている。 




彼女の存在を知ったのは、トリノの時、悪党・チン苦が、カロコスが目立たなくなるため、真央ちゃんの特例を許可しなかったという話もあったような。そんなことで、カロコスがあまり好きではなかったが、当時は、真央ちゃんの存在を脅かすような選手でもなかった。よく転ぶ選手だなあという印象があった。

ところが、カロコスは、徐々に頭角を現し、一昨年の世界選手権、そして、ソチで、念願のメダルを手に入れた。いちゃもんついた金メダルに比べて、彼女の銅メダルは、なんと清々しかったことか。三度目の挑戦が実った。



カロコスの人となりを感じ、好意を持ち始めたのは、真央ちゃんのお母様が急逝され、GPファイナルからトンボ帰りした時、その訃報に涙してくれたと聞いてから。彼女もお母さんとの関係がとても深いそうだから、相通じるものがあったと思う。
“私たちはそばにいるわ”と彼女は言ってくれたそうだ。

彼女の今年のプログラムをGPシリーズで見た時、ちょっとこれでは・・と思ったが、そこはさすがベテラン、ソチ用には、ベストを組んできたと思った。

27歳のベテランは、アヴェ・マリア、それも
子守唄のような、シューベルトの作品

に集大成を賭けた。



NUMBERSのコラムよりひとつ。
この記事は、カロコスの人となりをとてもよく表現してくれていると感じた。

***
ソチメダリストとして、唯一登場するコストナー

1位のソトニコワと2位のキム・ヨナが不参加と発表された中で、3位だったイタリアのカロリーナ・コストナーは唯一のソチ五輪メダリストとして世界選手権に出場する。

気持ちの優しさ、温かい人柄がその演技にも表れるコストナーは、常に順位よりも演技の内容にこだわるスケーターだった。

だがその彼女が、ソチの個人戦SPでは本番でいきなりフリップからトウループへとコンビネーションジャンプの難易度を上げて勝負に出た。

ソチの会場で見ていたスケート関係者の間では、その出身国に関わらず、優勝にふさわしいのはコストナーだったという意見がもっとも多かった。
だが韓国からの強い抗議に、ロシア叩きの機会を逃さない北米メディアが便乗し、キム・ヨナが優勝に相応しかったという論調の報道が相次いだ。


コストナーは女子の花束授与式で、大人の彼女らしくソトニコワを支えるように背中に手を回して、先輩らしい思いやりを見せた。だが彼女の心の奥底で、3位という結果をどのように受け止めたのかはわからない。

27歳のコストナーにとって、埼玉は最後の世界選手権になるかもしれない。スケーターとして、競技者として、そして芸術家としての彼女が、どのような演技を見せるのか。彼女が最高の演技を見せたとき、ジャッジはどのような評価を与えるのか。彼女の集大成に相応しい演技を見ることができるかもしれない。

http://number.bunshun.jp/articles/-/801723?page=2
END

この記事には、多くのスケートファンが感じたことが書かれていたのではないだろうか。

カロコスの温かい人柄がにじみ出るプログラム、表彰台での先輩としての大人の態度

なぜ、キムチムカデが金メダルと騒いでいる理由、タラソワママが言われたとおり、単にロシアが嫌いなアメリカによる、ロシア叩きの材料程度ということ。
誰も、心から、キムチムカデが金メダルなどとは、爪の先ほども思っていない。
脳内お花畑の者たちにはわからないだろうな。

カロコスは3位という順位に胸を撫で下ろしていると思う。金メダルをとったら、今度は彼女が槍玉。無難な順位だった。カロコスのオリジンは、バッハ・エロ会長と同じ地方だから(彼女のお父様がドイツ人かもしれない)、彼女に恩恵はあるだろうと、前から欧州のファンたちは予想していた。確かに恩恵はあったと思う。ただ、別に騒ぐほどの恩恵ではなかった。 

27歳の彼女が舞う、アヴェ・マリアは、本当に楚々として、氷上の聖女というような印象だ。ウェディングドレスのようなイメージの衣装も美しく、ジャンプするたび、ターンするたび、スカートが花のように開く。さすがファッションの国、イタリアのセンスだと、私の母なんて、彼女の演技中ため息を漏らしていた。




彼女の繊細でしなやかな動きは女性の美の象徴のようで、その柔らかな笑みは、慈愛深い聖母マリアに重なり合う。 
演じる人の心が美しくなければ、このような表情は出来ない。決して。

それこそ、浅田匡子さんが生前言われた、
「その人の生きざまをどう氷の上で見せるか。それがフィギュアスケート」
カロコスも、生きざまを見せてくれたと思う。



カロコスは、つい先日、引退の可能性について尋ねられた時、
「競技会で、選手たちと競い合うのが辛い」
といっていた。彼女もまた、真央ちゃんと同じように、今後は、スケートを楽しみたい、無心に、子供の頃のように、と思っているのだろう。
ソチでの私が描いた表彰台は、中央に真央ちゃん、左に、カロコスだった。今度こそ、その夢が実現して欲しい。

彼女が最後に選んだのは、自らの心を映す鏡のような名曲だったと思う。

BUON FORTUNATA! 
カロリーナ、あなたの未来に幸運あれ!




シューベルトのアヴェ・マリア

アヴェマリア 慈悲深き乙女よ
おお 聞き給え 乙女の祈り
荒んだ者にも汝は耳を傾け
絶望の底からも救い給う

汝の慈悲の下で安らかに眠らん
世間から見捨てられ罵られようとも
おお 聞き給え 乙女の祈り
おお 母よ聞き給え 懇願する子らを

『シューベルトのアヴェ・マリア』として知られるシューベルト歌曲『エレンの歌第3番 Ellens dritter Gesang, Ellens Gesang III』作品52-6(D.839)。
バッハ、カッチーニのアヴェ・マリアと並び、世界三大アヴェ・マリアとされる『シューベルトのアヴェ・マリア』  歌詞は、スコットランドの詩人ウォルター・スコット(Sir Walter Scott/1771-1832)による叙事詩『湖上の美人 Lady of the Lake』からとられている。


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”心のなかに喜びのある場所を見つけなさい。その喜びが苦しみを取り除いてくれる”
-ジョセフ・キャンベル (アメリカの比較神話学者)

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お読みいただき、どうもありがとうございました。

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