Tomorrow’s Quantum Computers Threaten Today’s Secrets. Here’s How to Protect Them
(Scientific American, 2024/2/1, https://tinyurl.com/yox5pow3)

研究者たちは、量子コンピューターですら解読できないほど複雑なコードを作成しようと競い合っている。
Y2Q—“Years to Quantum”は、現在用いられている暗号アルゴリズムが、量子コンピューターによってすべて解読されてしまう問題を指す。公開鍵暗号などは量子コンピュータを使えば意味がなくなる。Y2Q 時計の現在の終了日は、2030 年 4 月 14 日、
ほとんどの研究者は、この変化は今後数十年以内に起こると信じている。
NIST(米国標準技術局)は科学者たちに量子コンピューターですら解読できない公開鍵のアルゴリズムを開発することを要請した。CRYSTALS-Kyberは4つの公開鍵の内の一つ。 現在それらの公開鍵の改良を科学者たちに依頼している。
あらゆる種類の公開キー暗号化は、難しい数学の問題に基づいている。量子の未来に対して秘密を守るために、研究者は、量子コンピューターですら十分なな時間内に問題を解決できないほどの難問を使う必要がある。2017年の締め切りまでに、研究者らはポスト量子暗号に関する 82 件の異なる提案を提出した。米国標準技術局はそのうちの26個を次のラウンドにアルゴリズムとして選んだ。NIST の専門家は最終的にいくつかの最終候補アルゴリズムに落ち着いた。そのアルゴリズムは”束論?”数学を使うものだった。 秘密点(近くの格子点)を見つけることは、非常に難しい数学の問題なので、これが暗号に使えることが分かった。問題は、格子ベースの暗号化が常に安全であることを誰も保証できないこと。、NIST プロセスの最終候補 4 つのうち 3 つは格子ベースのアルゴリズムを使ったもので、一般的な公開鍵暗号化のカテゴリで標準化の対象に選ばれたのは CRYSTALS-Kyber だけだった。
しかいしし、NISTは、格子ベースではないアルゴリズムを研究するために、両方のカテゴリの標準化プロセスを拡張した。一つの暗号化アルゴリズムに頼りすぎるの避けるための方法だ。NISTは現在、標準を設定の過程にある。ポスト量子暗号に完全に移行するには、おそらく数十年とは言わないまでも、何年もかかる。

Researchers are racing to create codes so complex that even quantum computers can’t break them
But a quantum computer would render the standard types of public-key cryptography useless.
The current end date on the Y2Q clock, April 14, 2030,
most researchers believe the shift will happen within the next few decades.
Every type of public-key cryptography is grounded in a hard math problem.
To secure secrets against a quantum future, researchers need to use problems so hard that even a quantum computer cannot solve them in a reasonable amount of time.
Before the deadline in 2017, researchers submitted 82 different proposals for post-quantum cryptography.
The problem is, no one can guarantee that lattice-based cryptography will always be secure.
NIST has extended the standardization process in both categories to study algorithms that are not lattice-based.
NIST is now in the process of setting the standards
It will probably take many years, if not decades, to fully transition to post-quantum cryptography.
<<単語帳>>
public-key cryptography:公開鍵暗号
ingenious method:巧妙な方法
NIST: National Institute of Standards and Technology●米国標準技術局, 米国の標準化団体の一つ
solicit:懇願する
CRYSTALS-KYBER:耐量子公開鍵暗号の名前
cipher:暗号文
Advanced Encryption Standard●共通鍵暗号アルゴリズム
eavesdropper:盗聴者
RSA cryptography:RSA暗号とは、桁数が大きい合成数の素因数分解が現実的な時間内で困難であると信じられていることを安全性の根拠とした公開鍵暗号の一つ。暗号とデジタル署名を実現できる方式として最初に公開されたもの
Diffie-Hellman:ディフィー・ヘルマン鍵共有、あるいはディフィー・ヘルマン鍵交換とは、事前の秘密の共有無しに、盗聴の可能性のある通信路を使って、暗号鍵の共有を可能にする、公開鍵暗号方式の暗号プロトコルである。この鍵は、共通鍵暗号の鍵として使用可能である。
Shor's algorithm:ショールのアルゴリズムは、整数の素因数を見つけるための量子アルゴリズム。 1994年にアメリカの数学者ピーター・ショールによって開発された。 
portmanteau:二つの言葉を組み合わせた新語
finicky:細心の注意が必要な
RSA cryptography:RSA暗号
lattice mathematics:束論?:数学における束(そく、lattice)は、任意の二元集合が一意的な上限(最小上界、二元の結びとも呼ばれる)および下限(最大下界、二元の交わりとも呼ばれる)を持つ半順序集合である。それと同時に、ある種の公理的恒等式を満足する代数的構造としても定義できる。二つの定義が同値であることにより、束論は順序集合と普遍代数学の双方の領域に属することとなる。
pegboard:(ゲームの)ペグボード◆ペグを差し込む穴がたくさん開いているボード、またはこのボードで行うゲーム。
backdrop:背景