Rokkasho redux: Japan’s never-ending reprocessing saga
(Bulletin, 2023/12/26, https://tinyurl.com/yuscu8fm)


日本原燃株式会社は青森県・上北郡・六ヶ所村にある使用済み核燃料からプルトニウムを取り出す再処理工場を2024年の4月から9月の間に竣工したい模様。この再処理工場は計画から25年以上遅れている。それゆえ、今回の計画もまた延期になる希望的な計画と見られている。 いかがこれまでの歴史。
1993年: 建設が開始。
1997年:当初の完成目標。
2006~2008年:高温試験が実施され、再処理中に生成される廃棄物を処理するためのガラス固化プロセスの技術的問題が明らかになった。
2011年:福島第一原子力発電所事故。
2012年:新しい安全規制基準の導入。
2022年:完成予定日延期、2024 年 6 月まで。
2022年の延期は六ヶ所村プロジェクトの26番目の延期。

延期の理由はおもに五つ。
第1、JNFL には、専門知識がない。 使用済み核燃料の再処理分野の専門家ではない。
第2、に、プロジェクトの管理は技術的に複雑です。
第3、福島事故後の原子力施設の安全許可審査プロセスは、事故前よりもはるかに厳格になっていること。
第4、延期に伴うJNFLへの金銭的コストは電力会社の顧客が負担。 原子力再処理機構の再処理料金を決める仕組みは不透明。
第5、独立した監督が欠けている。 第三者による独立した分析は行われていない。コスト増加や建設プロジェクトの無期限延長の理由を精査する動機がない。

なぜ日本は再処理への取り組みを続けるのか。
これには4つの理由がある。
第1、使用済み燃料の管理。六ヶ所村には3000トンの使用済み核燃料冷却プールがあるが、の容量は限定されており、ここも満杯に近い。むつ市で保管する計画もあるが、永久に保管場所になってしまうという問題があり、六ヶ所村の処理が再開できるまでは、使用済み核燃料の受け入れをむつ市は拒んでいる。六ヶ所村の処理容量は一年800トン。
第2、法的および制度上の取り組み。日本の原子力規制では、事業者は使用済み燃料の「最終処分方法」を指定する必要がある。使用済み燃料の「最終処分方法」は再処理と申請書で述べている。
第3、ホストコミュニティへのコミットメント
地域社会に対し、使用済み燃料を再処理工場に移送することを暗黙のうちに約束した。それが国策だったから。六ヶ所村で処理ができない場合は、六ヶ所村に保管されている使用済み燃料を原子力発電所に戻すことを含む他の措置が検討されるとしている。
また、日本の燃料サイクル政策が変更された場合(再処理をせず、直接地下に保管)、六ヶ所村は英国とフランスでの日本の使用済み燃料の再処理による廃棄物のさらなる受け入れを拒否し、六ヶ所村に保管されている再処理廃棄物と使用済み燃料の撤去を要求している。
第4、制度的および官僚的な惰性。
日本では官僚は2、3年ごとに新しい役職に交代し、既存の政策を変更するリスクを取ることを好まない。

日本の新たなプルトニウム上限規制政策は実際に影響を与えるだろうか?
プルトニュームはヨーロッパの処理施設に約36.7 トン、日本に10.5トンある。日本政府はこのプルトニウムを原子炉で使用することで、その量を削減していくと言っている。しかしこれは実現されていない。

日本はいくつかの方法で再処理とプルトニウムの問題から抜け出すことができる。 いずれも、次のような大幅な政策変更を伴う。
第1、オンサイトまたはオフサイトで追加の使用済み燃料貯蔵場所を見つけること。 乾式キャスク貯蔵なら受け入れる地域社会があるのではないか。佐賀県と岐阜はこの方法を受け入れている。ただし期限つき。
第2、高レベル放射性廃棄物の最終処分に関する法律の改正
使用済み核燃料を地下深部の保管場所で保存すること。そのための法律改正が必要。
第3、再処理料金法を改正して六ヶ所村を廃止

- Why does Japan’s commitment to reprocessing continue?

<<単語帳>>
JNFL:Japan Nuclear Fuel Ltd.:日本原燃株式会社◆青森県・上北郡・六ヶ所村
reprocessing plant:(使用済み核燃料)再処理工場
doggedly:執拗に
tacitly:それとなく
plutonium capping policy:プルトニウム上限規制政策
extricate:(困難な状況から)脱出させる
dry cask storage:乾式キャスク貯蔵
deep underground:地下深部の保管場所
incur:(損失・罰などを)被る