いよいよ夏休み富士山が始まりましたね。宿題で読書感想文を書く機会が増える時期なので、今日は、読書感想文を書くのにピッタリな、アメリカの人気法律ミステリー作家・ジョン・グリシャムが子供向けに書いた、弁護士の両親を持っている関係で法律に明るく、将来は法律関係の職に就きたいと願っている13歳の少年・セオドア(愛称:セオ)・ブーンが活躍する「少年弁護士セオの事件簿」シリーズの一巻目に当たる『Theodore Boone: Kid Lawyer (邦題:少年弁護士セオの事件簿 なぞの目撃者)』を紹介したいと思います。

Theodore Boone: Kid Lawyer (邦題:少年弁護士セオの事件簿 なぞの目撃者)

Theodore Boone: Kid Lawyer (オーディオブック)

 

ストーリーは、アメリカ東部・ペンシルヴァニア州の田舎町ストラッテンバーグに弁護士の両親と暮らす13歳の中学生・セオドア(愛称・セオ)・ブーンは、一見どこにでもいる普通の少年だが、両親の影響で法律に興味があり、その面の知識が豊富。伯父のアイクの法律事務所に出入りしたり、両親の知り合いの検事や裁判官等とも面識があるため、将来は自分も法律関係の仕事に就きたいとの夢を持っていて、正義感が強く心優しい性格のため、学校の友達の相談にも乗ってあげたりしている。ある日、ストラッテンバーグで、マイラ・ダフィーという女性が殺害される事件が起きた。マイラの夫・ピートは妻に百万ドル(約一億円)の掛けていたため逮捕され裁判に掛けられるが、証拠が無く、なかなか有罪に持ち込む事が出来ない。事件を自分で調査していたセオは、ピートがマイラを殺害したと確信し、証拠を集めていた。そんな時、セオの友達が、フリオという名の自分の従兄弟がピートが殺人を犯す現場を目撃したと伝えてきた。裁判でフリオにその事実を証言して欲しいと友達に頼むセオだが、友達によると、フリオは不法移民なので裁判での証言はおろか、公に姿を見せられないのだと言われ途方に暮れるが・・・。

 

という感じです。法廷ものミステリーを得意とするジョン・グリシャムが、英語圏の子供達に法律や司法組織の仕組みを学んでほしいと執筆したシリーズの中の一冊なので、話の筋も単純ですし、最後は予定通りの終わり方を迎えるので、内容は物足りないと感じるのですが、その分専門的な法律用語が噛み砕いて説明してあり、法廷ものが苦手な方や英語学習者が読むペーパーバックとしては最適です。何より、分からない所があってもスラスラ読めるので、外国語を読むストレスをほとんど感じないため、初級~中級の方には是非とも読んでほしい一冊です。高校、大学の授業でサブテキストとして使うのにもピッタリグッド!です。

 

邦訳も出ています。

少年弁護士セオの事件簿 (1) なぞの目撃者

少年弁護士セオの事件簿(既6巻セット)

少年弁護士セオの事件簿(既5巻セット)

7月に入り、豪雨災害や連日の猛暑晴れ等大変な事が続いていますが、如何お過ごしでしょうか。あと少しで夏休みも始まりますね。そこで今回は、英語圏の代表的なファンタジーの古典J・R・R・トールキンの「指輪物語(ロード・オブ・ザ・リング)」シリーズの最終巻にして三作目に当たる『The Return of the King (邦題:王の帰還)』を紹介します。

The Return of the King (邦題:王の帰還)

The Return of the King (オーディオブック)

The Lord of the Rings: The Return of the King (オーディオブック ・アメリカ版)

 

ストーリーは、悪の冥王・サウロンの攻撃の魔の手がゴンドール王国の都・ミナス・ティリスにまで迫って来る。ガンダルフとピピンがそれを都の主に知らせに行くが、間に合わず、ミナス・ティリスは敵軍に包囲されてしまう。ゴンドール王国の同盟国・ローハンでは、アラルゴンとセオデンが兵を集めていると、王の証である剣をアラゴルンに渡す。その剣を使いこなせる者は「死者の軍団」を操る事が出来ると聞き、アラゴルンは、レゴラスとギムリと共に死者の道に向かい、剣を振りかざして自分に従う様に死者達に呼びかけるが・・・。

 

という感じです。まとまりがなくて分かりにくいですが、あまり書くとネタバレになってしまいそうなのでアセアセこれくらいにしておきます。

 

ファンタジーが苦手なのに有名という理由で挑戦したこの作品なのですが、造語のオンパレードと長い長~いヴォリュームについていくのが無理そうで、最初の二巻を読まずにいきなり最終巻のこちらから読んでしまいました(爆)。そうしたら、まぁ、登場人物の名前や地名等に慣れるまでに時間が掛かること掛かることえーん。結果、これまで読んできた中で一番苦労したペーパーバックの一つとなってしまいましたぐすん。途中からは、あまり深く考えずにこういうものと割り切って、シリーズの世界を楽しむ事だけを心掛けて読みましたが、理解出来ない個所も多いにも関わらずそれなりに楽しめたという印象です。指輪を求めて旅をする過程での心の動きや、主人公たちの仲間を思う行動には素直に心打たれましたニコ。作品にどことなく漂う中世ヨーロッパやケルト的雰囲気も良かったです。基本的には冒険の話なので、中・高生の学生さんも楽しめそうな本で(むしろ若い方の方がすっと物語の中に入っていけるかも)、目前に迫った夏休みの読書感想文にもピッタリな作品だと思います。グッド!

 

英語は、20世紀半ばに書かれた作品という事、中世の騎士道物語を意識している事もあって、19世紀辺りの表現が多く出てくるので、その時代の表現に慣れていないと難しく感じるかもしれませんが、アガサ・クリスティーの作品が支障なく読める方は、文法、表現の点ではそれほど大変ではないかと思います。ですが、このシリーズが難しいのは、ファンタジー独特の世界設定にありがちな見慣れない固有名詞や言い回しが沢山使われている所だと思います。そのため、この二つがクリア出来ればハードルはグッと下がりますが、本のヴァージョンに依って500~600ページに渡るヴォリュームのある作品ですので、このシリースの大ファンラブという場合を除いて、ペーパーバックを相当読み慣れた方でないと読了は辛いものがあると思います。その分読み終わった時の感動(!?)はひとしおなので、チャレンジ精神が旺盛な方にはかなりお薦めな一冊です。グッド!

 

ファンタジーの古典だけに、前二作も含めて映画化もされています。この映画は、公開当時、「ハリー・ポッター・シリーズ」と人気を二分するファンタジー映画でもありました。風景や衣装、音楽等でケルトや中世ヨーロッパを彷彿とさせる世界観が見事に表現されていて、一見の価値アリビックリマークグッド!です。原書を読む前に一度映画を観ておくと、予習にもなりますね。

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オリジナル・サウンドトラック『ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還』 <OST1000>

 

邦訳も出ているので、原書が難しいと感じる方は、先にこちらを読んだり、邦訳と原書を同時に読んでいくのも良いかもしれません。

新版 指輪物語〈8〉王の帰還 上 (評論社文庫)

カラー新版 指輪物語 全3巻 ― 旅の仲間/二つの塔/王の帰還

文庫 新版 指輪物語 全10巻セット (評論社文庫)

今回は、まだ人種隔離政策が行われていた1950年代末のアメリカ南部で、差別される側の気持ちを知るため、本来の治療目的以外の薬や医療行為を行ってまで取材を敢行したアメリカ人ジャーナリスト、ジョン・ハワード・グリフィンのルポタージュ『Black Like Me』を紹介します。

Black Like Me

Black Like Me (オーディオブック)

 

人種差別が当たり前の事だった時代のテキサス州ダラスに生まれ育ったグリフィンは、若い頃のフランスへの音楽留学や、その時に経験したレジンタンス、軍への入隊等を通して自分とは異なる世界に生きる人々への興味を持った様で、1959年、人種差別下で生きる黒人達はどの様な待遇を受け、どの様な思いで生活しているのだろうかと疑問を持ち、健康な自身の身体には全く必要のない白斑病の治療薬を飲んだり、これまた必要のない紫外線治療を受けて自らの肌を黒くし、当時国中で差別の最も激しかったディープ・サウス(深南部)を、公共交通機関を使ったり、ヒッチハイクをしながら「黒人」として旅をします。その途中で経験する、白人と有色人種を分ける法律は勿論の事、自分に対する白人たちの意識的にしろ無意識的にしろ差別や冷ややかな眼は、グリフィンが当初想像していたものよりも相当過酷で、しかもそれらは、彼が白人の時には親切にしてくれていた人々から向けられたため、段々ノイローゼの様な状態になっていき、被害妄想が現れ、遂にはアルコールに頼るまでになります。それでも、旅の途中で出会った黒人達は、期間限定で「黒人」になっている自分とは違い常日頃からこの様な辛く理不尽な思いをしているにも関わらず、逞しく、明るく、懸命に毎日を生きていて、そんな彼らの姿や、彼らが自分にしてくれた親切から、グリフィンは白人として生きてきた時には到底感じ得なかった多くの物を感じとり、学んでいきます。ネタバレになりますが、最後、バスの切符売り場の白人の売り子が大きいお札を受け取らなかったために切符が買えず途方に暮れていた際にバス停にいて、グリフィンを気の毒に思い、自宅にしばらくの間泊めてくれた見知らぬ黒人男性とその息子に自分の正体を明かし、今有色人種たちが置かれているとんでもない状況や思いを皆に知ってもらうためにこの体験を出版するつもりだと伝えた時、息子は騙されたと激怒しますが、父親はその記事を白人は読んでくれるかどうかをグリフィンに尋ねます。そこで、「分からない。」としか答えられなかった彼が、何も出来ない自分のもどかしさを感じる場面は、状況を変えなくてはいけないのにどうすることも出来ない現実を反映していて、胸が痛みました。色々考えさせられる本なので、幅広い層にお薦めする一冊ですグッド!。夏休みも近いので、高校生以上の読書感想文にも向いていると思います。グッド!

 

日記形式で書かれているので、英語は読み易く、アメリカ特有の固有名詞や、当時の社会状況を知らなければ理解しにくい単語はあるものの、定番書以外の大人用のペーパーバック入門としてもお薦めグッド!です。

 

この記事が雑誌に掲載された後、本としても出版されると、当時としては(今もですが)異例の衝撃的な内容だったため、たちまちベストセラーになり、映画化もされました。

Black Like Me (輸入盤DVD)

 

現在はなかなか手に入り難い様ですが、「私のように黒い夜」というタイトルで邦訳も出ています。

私のように黒い夜

私のように黒い夜 (1967年)

 

6月に入り、ジメジメ、ムシムシした梅雨雨の季節到来ですね。日本では何かと憂鬱な6月ですが、程度の差はあれど、主な英語圏では結婚式ラブラブにうってつけのお目出度い月でもあります。そこで、今回は、先月行われたイギリスのヘンリー王子とアメリカの女優・メーガン・マークルの結婚を記念して制作された、式の模様を収録したロイヤル・ウェディング記念アルバムを紹介します。

 

The Royal Wedding

 

エリザベス女王の住まいの一つであるウィンザー城内にある礼拝所で行われたこのウェディングは、イギリス王室の伝統色の中にもメーガンのルーツであるアフリカ系の雰囲気を感じさせる、素敵な式でしたね。ほっこり中でも一際印象に残ったのが、ゴスペル・クワイアによる「スタンド・バイ・ミー」で、結婚式の定番曲ではないこの歌を入れてくるとはかなり驚きましたがおーっ!、これから新たな人生を踏み出す新郎新婦へのパワフルで頼もしい応援歌の様で、ジーンと心に響きました。ゴスペルのイメージしかなかったこの曲が、アレンジ一つで違和感の無いウェディング・ソングに変身したのはスゴイビックリマークの一言ですね。他にも、オーディション番組「ブリテンズ・ゴット・タレント」に出場経験もあるという弱冠19歳のイギリス人チェロ奏者・シェク・カネー(ケネー)=メイソンの素晴らしい演奏や、長いと評判になった(苦笑)牧師の演説、誓いの言葉等式の一部始終が収録されているので、TV中継を見逃してしまった方や、もう一度見たい方、ご自身の結婚式の参考にしたい方まで、ウェディングに興味がある色々な世代(特に女性)が楽しめるアルバムです。

 

 

ドレス等目でも楽しみたい方には、フォト・ブックも出ている様なので、こちらもお薦めグッド!です。

Harry & Meghan: The Royal Wedding Album

 

Inspiration

インスピレーション

Sheku Kanneh-Mason

まだ5月も半ばだというのに、まるで真夏晴れの様な暑さが続いていますね。そんな訳で、今回は、夏を感じるミュージカル「キューティ・ブロンド」のキャスト・アルバムを紹介します。

Legally Blonde The Musical (Original Broadway Cast Recording)

 

Legally Blonde: The Musical (Original London Cast Recording)

 

元々このミュージカルは、2001年にリース・ウィザ-スプーン主演で公開され大ヒットを収めた同名映画を基に制作されていて、ミュージカル版は初演当初はあまり話題にならなかったものの、公演を重ねていくうちにじわじわと人気が広がって行った作品で、現在はブロードウェイを中心とした全米各地のみならず、ロンドンでも公演されるほど安定したミュージカル作品となりました。あらすじは映画と変わらない様なのでここでは省略しますが、LA出身の可愛くてお金持ちで性格も良く頭も良いのに、金髪で美人というだけで弁護士志望の恋人から結婚相手には向かないと振られてしまったハートブレイクしょぼんヒロインの女子大生・エル・ウッズが、彼を見返すため一念発起得意げして、弁護士を養成する大学院である東海岸のロー・スクールに入学する(しかも、彼と同じ学校ビックリマーク)という筋書きにふさわしく、音楽の方も、落ち込んでいる時に聴くと気分が上がるアップ様な、明るく楽しい楽曲が盛りだくさんです音譜ちなみに、日本人俳優さんによる日本版も制作されており、そちらでは松田聖子さんの娘で「アナ雪」でもお馴染みの神田沙也加さんがエルを演じているらしいです。

 

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