自衛隊の歴史認識は問題(2024年6月12日付沖縄タイムス主張欄投稿)
 6日付本紙に自衛隊の歴史認識として、ぜひ改めてほしい記事が二つでている。
 一つは福岡県久留米市の自衛隊幹部候補学校の教育方針に「沖縄戦は善戦」と書かれているという記事、もう一つは陸自15旅団のHPに旧日本陸軍第32軍牛島満司令官の辞世の句がずっと掲載されたままになっているという記事だ。
 あらためて、自衛隊に確認したい。自衛隊は戦後戦争やそのための武力行使を放棄した日本国憲法の下につくられた防衛部隊だ。戦後日本軍は解体されたのだ。自衛隊との連続性は全くない。それが幹部候補生学校では旧日本軍の戦争を教育方針に掲げ、戦争放棄の下の部隊が戦争を善戦と評価する。戦後の視点が入るなら、戦争や住民被害への反省があって当然だ。
 また牛島司令官の辞世の句も、沖縄県民を守る立場ではなく「皇国」防衛への決意の句だ。現在の日本は「皇国」ではない。憲法の立場に立たない限り、自衛隊の存在は認められない。