こんばんは。
以前からコツコツ書き貯めてあった記事を書き終えたので、せっかくだから上げておきます。
バリバリネタバレしてるので、苦手な方は退避して下さい!( ̄- ̄)ゞ
そして興味を持たれた方は是非一読してみて下さい( 〃▽〃)
ではでは…。
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【パーフェクトワールド 有賀リエ】
この作品です✴
※3月現在3巻まで出てます。
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"あなたは障害のある恋ができますか?"
*1巻より引用
(この言葉、作品を読んでいくうちに心に重く響くようになってきてます。この"障害"と言う言葉は"困難"という意味だけではなくて、身体的"障害"の意味も含まれていると私は解釈しています)
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【あらすじ】
《 冒頭部分》
26歳社会人インテリアデザイン会社《クランベリーズ》に勤める主人公つぐみは会社の取引先との飲み会で偶然そこで初恋の人である元サッカー部の鮎川くんと再会します。
つぐみは図書委員で、部活前によく建築関係の難しい本を借りていく鮎川のことを覚えていました。そして今、彼が夢を叶えて一級建築士であることも知ります。
成長して大人っぽくなった鮎川に胸が高鳴るつぐみ。しかし、鮎川が一足先に帰ることになり、店員さんに持ってくるように頼んだのは車イスでした。大学時代に事故に合い、車イス生活になったというのです。
あとで職場の後輩が、
"でも 私 車イスの人とは 恋愛は無理かも"
*1巻より引用
と言ったのに、思わずどうなの?と言い返しますが、
"だって 簡単な気持ちじゃ 付き合えなくないですか?"
と言い返され、何も言えませんでした。
仕事で鮎川の事務所に赴くことになって、彼がコンペに挑戦していることを知ります。久しぶりに話した二人は高校時代の思い出話に花が咲き、つぐみは鮎川に告白するか悩んでいるうちに彼に彼女が出来てしまったことを思い出します。
そして話しているうちに、鮎川は大学の時に自分が事故って脊髄損傷して歩けなくったことを説明されました。そこには何の深刻さもなく、つぐみはそれを笑顔で聞きます。
鮎川が今回のコンペをすごい情熱をかけて取り組んでいると知って、鮎川と彼行きつけのレストランで話しているとそこに鮎川の同僚がやって来て、そういうこと?(付き合ってるのか?)と二人に問い掛けます。
思わず全力で否定してしまったつぐみは、鮎川の少し傷ついた表情を見てやってしまった…と感じます。
鮎川はそんなに気にすることなく、誰とも付き合う気はないと言い切り、過去に何かあったことがうかがえました。
そんなことがあって暫くして、鮎川が病院に緊急搬送されたと彼の同僚から聞き、急いで搬送先へと向かったつぐみ。
そこで見たものは背中に穴が空いた鮎川の姿でした。彼の同僚から、よくあることだと説明されますが、ただ歩けなくなっただけ、という認識は間違っていて、彼のことを何も知らなかったのだと思い知ります。
脊髄損傷には、歩けなくなるだけでなく、下半身の感覚全てが失われ、背中に穴が空いても自分では気づかないことが多く重態になることがあるのです。
…………とこんな感じな冒頭から始まります。
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【感想】
このあと二人は葛藤しながらも付き合うことになるのですが、つぐみは鮎川の"障害の現実"と向き合わなければならなかったり、鮎川は脚さえ動けば出来たことが出来ないことと向き合っていかなければならなかったり。
正直、読みはじめはお涙頂戴かと諦めて読んでましたが(すいません⤵)そうではなくてきちんと障害のことを知ってる方が描かれているのだな、と感じました。
漫画としてのジャンルは"コウノトリ"と似ている部分があるな…と思いますが、この作品は少女マンガなので登場人物たちの恋愛感情がメインです。
ちょっとここからはセクションに分けて感想を述べていきたいと思います。
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①パーフェクトワールド
作品のタイトルに何かを感じることってあまりないんですが、この"パーフェクトワールド"というタイトルに強烈な切なさを感じました。
描かれている世界は決してパーフェクト"完全"ではなく、むしろ欠陥だらけなのにパーフェクトワールド。この違和感というか切なさをわかって頂けるでしょうか!?(笑)
なんで切なくなるんだろう…と必死に考えるのですが、まだこれだ!という理由を言葉に出来ません。
今のところ、パーフェクトという言葉は"綺麗"という意味なのかな…と解釈してます。想いだけの完全なる世界。でも想いだけじゃ現実世界は回らないってことでしょうか…。うーん、わからない(笑)
これから巻が進むにつれて私の中でも答えが出るのではないかと思ってます。つまり、とても考えさせられるタイトルです、ということを言いたかったです(^^;)))
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②想いと現実
この作品は、"想い"だけではどうにもならない部分がしっかり描かれていて、どうも違和感や反感を覚えるような作品とは違います。
ある場面に、障害をもつ鮎川を支えるために、つぐみが様々な専門的な知識が要求されるところがあります。
車椅子の畳み方って普通は知らない。どこかに出掛けるのも段差がない道を探して通るので一苦労。電車に乗るときも駅員さんをいちいち呼ばなければならない。排便のお手伝いもしなければならない。"恋人の"をです。
"普通の人"を選んでたら絶対にしなかった苦労や向き合わなくて良かったことはたくさん。
それでも、
"あなたは障害のある恋ができますか?"
と問われたら私なら無理、となってしまう気がします。どこかで疲れてしまう気がする。
想いだけはあっても体や技術がついていかない。現実と想いとのギャップが"障害のある恋"を難しくする要因なのかもしれないと考えさせられました。
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③とにかく勧めたい理由!
ここまで書いたのを読み返したら作品を賞賛してばかりいる気持ち悪い感想になったかもしれません…が、気にしません(^^;)))
本当にたくさんの人に読んで欲しいなぁと思うので書きます。
とにかくひとつひとつの言葉が胸に迫るものがあります。とてもリアル。絵はちょっと下手かな…(笑)でも問題ないレベル。君に届けに似てます。
鮎川を支えるためにはあれもこれも出来なきゃいけない、知らなきゃいけないとつぐみがどんどん焦っていく気持ち。わかるボタンとかあったら連打しまくりで何度も読んでしまう。
障害とか重いわーって思うよりきちんと恋愛漫画として読めるのではないでしょうか。
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【最後に】
私はきっとこれはいずれ映画化とかドラマ化するのではないかと思ってます('ε'*)テレビとかこういうトピック大好きですから。
私は最近のすぐ何でもかんでも映画化やドラマ化してしまう風潮は好きではないのですが、やっぱり一番発信力あります。
ドラマ化とかあまりしてほしくない…でもやっぱりして欲しいなぁ、映像化するなら安っぽいドラマじゃなくてきちんと描いて欲しい、なんて思っちゃいました。
時間があれば見なさんも読んでみて下さい✴
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以上、自己満足感想文でした!
長文をお読みくださりありがとうございます。