いよいよ終局です。
4話を残して打ち切られた問題のクライマックス
ドバは、追撃を指令する。その時・・
イデが発動(力の解放)する。この時より、すべての空間が死に絶え、戦闘は終わりを告げる・・・
これが、TV版最終回の全容です。しかし映画では、ここから先が描かれます。
戦況は一気にソロシップせん滅へと傾きます。
たとえ異星人の8割を失おうとも、イデオンとソロシップをせん滅する・・・
敵に勝つ・・・という大義名分の裏に、カララの父・ドバの中には、娘を敵に辱められたことへの悲しみ、父として指揮官として体面を失った憾み、自分の子供たちが男でなかったくやしさ・・・
その個人的な感情をソロシップへぶつけるドバ。
ここに、異星人の中心人物としてのドバ。地球人としてイデオンを操縦するコスモという双方の代表者が形作られていく。
双方死力を尽くした戦いも、いよいよ終盤である。
イデのレーダーは、敵・ドバの位置を的確に指し示す。コスモは最後の決着をつけるために、ソロシップから離脱・・・敵本陣を急襲する。
ドバはつぶやく・・・
「また、私の目の前に現れるのか異星人め!何故だ
」コスモは答える・・・
「わかっているはずだ!イデの導きだろう!!」
「イデのみちびき?」
「そうさ、俺たち出来そこないの生物の・・憎しみの心を根絶やしにするためにイデは!」
「われらを戦わせたというのか・・・」敵本陣を叩いたイデオンであったが、その時、異星人が用意していた巨大顆粒子砲「ガンドロア」が炸裂すると同時に大爆発を起こす。空間が焼かれ、すべての生物が死に絶える瞬間が訪れる。
ここに、憎しみも迷いも消え去った二つの地球人の姿がある。カララの赤ちゃん「メシア」に導かれて、新たなる新天地へと向かう二つの地球の意志たち・・
海にそそがれる種がやがて、何億年かの時を経て生まれ変わり・・・そしてまた、新たな時代が始まろうとしている・・・
(終わり)
自分たちの運命を悟りながらも、自分たちが背負った業から逃れられぬ悲しみの中で、その業に殉じる二つの地球との戦いはここに終結します。結末を悟りながら、それぞれの意志を曲げられぬ知的生物の哀しさ。
イデオンが公開されて30年。時代は温暖化による環境破壊が顕著化してきています。
所詮、業を持った人間は、己の意志の命ずるまま、ただ運命にしたがうのみ!そんな、出来そこないの知的生命体は滅びの道以外に選択肢はないのかもしれない・・・・
そう結論付けられている苦々しさを感じながら、イデオンの話を終わります。
▼TV版OP「復活のイデオン」 by たいらいさお
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