用途地域の区分法とその検証 | 比嘉ブログ

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建築企画CAD「TP-PLANNER」開発者の日常・・建築基準法,天空率、日影規制講座などチャンプルーなブログ

3月17日土曜日

 パラリンピックで村岡桃佳。成田緑夢選手の金メダルの快挙が伝えられえる中・・・政治の劣化の報道も連日。
 文科省の講演への介入、財務省の公文書書き換え、いずれもとんでもない事態で民主主義の危機がここまで極まれりの感。 為政者の驕りだ・・・驕る平家久しからず・・・。
 このところメディアがこの危機に取材力を発揮し頑張りだしたのは心強い。ファクトを公にすべく頑張っていただきたい。

 

 一方、海外の政治の現場も一気に劣化しているようだ。がこの混沌が千載一遇のチャンスをもたらしたのが拉致問題。この際、最優先で解決できる能力のあるリーダーに登場してもらいたい。

 

 

 今週一気に春が来たかと思ったが東京は昨日からまた急激に冷え込んだ。今朝は昨日からの雨はあがって太陽が見えたが寒い。本日午後からでかけるのだが何着ていけばいいんだろうか?

 比嘉観測木の桜もつぼみが膨らみかけたとたんの冷え込みにおや?って感じ。

 公園を散策すると派手な花発見!バラか山茶花かと思ったら

乙女椿だ。乙女椿といえば

 1970年前半の頃より活躍している沖縄芸能グループ。当時は10代。ネーネーズが有名だが歌踊り、太鼓、武道など多彩なステージで楽しませてくれる。

 

 乙女椿から我ながら思わぬ展開だが・・早速今週の講座の報告から

 TP-PLANNERのサポートも担当して頂いているデべの皆さん。今回はサポートの勉強会。比嘉の講座風景をビデオに収めながらの研究。若干てれるが3回コースで行う。初日は日影逆日影から

 

 火曜日にはやはりデべの皆さんの日影講習、前回天空率の復習から始めた

2回の講座で目的内容をびっちり詰め込んだぞ。忘れたらビデオ学習よろしく比嘉が語ってるヨ。今回が最終回あとは実践で頑張れ!

 

木曜日は月曜日のメンバが再来社。天空率をじっくり講習。

じわじわと自信がでてきた感じだがどうだろう。次回は最終回、まとめと意見交換会だヨロシク。

 

 

 さて講座を開始しよう。

今回は、サポートセンターに寄せられた質問からお答えする形式で日影規制、あるいは天空率計算を検証したい。

 

 用途地域が敷地外で用途地域が分かれる場合の日影規制、天空率への影響と入力方法

 

まずは日影規制における規制ラインと日影規制の考え方を考察したい。用途が近隣商業1地域の事例と法文の解釈から

 

日影規制は基準法56条の2の1項において日影規制が適用される範囲に関して記述されている要旨は

 

第五六条の二 別表第四(い)欄の各項に掲げる地域又は区域の全部又は一部で地方公共団体の条例で指定する区域(*「対象区域」*)内にある同表(ろ)欄の当該各項(*)に掲げる建築物は、冬至日の真太陽時による午前八時から午後四時まで(*)の間において、それぞれ、同表(は)欄の各項(*)に掲げる平均地盤面からの高さ(*)に、敷地境界線からの水平距離が五メートルを超える範囲・・

とある。

 

まず56条の2では敷地の境界線から水平距離が5mを超える範囲とあり敷地境界線から5m以内は日影規制の対象外である事がわかる。5mを超えた部分は別表第四(い)欄で示される。

 

(に)の欄では「敷地境界線からの水平距離が10m以内の範囲における日影時間」とあり5mを超えて10m以内までの規制時間がしめされている。5mから10mの範囲となる為、5m幅の面での規制となる。一般的に敷地および建物に近い5mラインでNGが確定するが5mラインと10mラインの間で規制時間が異なる場合、線ではなく面で規制されている事がわかる。この事は別の機会で解説したい。

 

 10mを超えた部分で当該建物が発する日影に関してもその欄の規制時間で比較される。

 本例用途が1地域の場合は

 

5mラインから10mラインの幅だが5mラインの内側に5時間線がある為クリアー。3時間線は10mラインを超えてない為、やはりクリアーとなる。

 

 さて次に用途境界線が敷地の内外にある場合の入力法とその影響を解説したい。事例は

 

 

敷地外北西側に第1種低層住居専用地域があり敷地内も屈曲した用途境界線で東側が第1種住居専用地域で日影規制時間が4/2.5 受影面は4m、容積率は150%。

 

 まずこのように敷地の内外を問わず用途地域が異なるケースは多い。TP-PLANNERではそれらの用途地域の数に制限はない。入力法を解説しよう。

①屈曲した用途境界線は連続線に設定する事からはじめる。

 

 まず用途境界線を連続線に変更設定する。連続線の延長方向で用途地域を切断する為、屈曲した用途境界線は連続線に設定する必要がある。AUTOCAD等でポリラインで作図されていればよいがJWCADのように連続線が作図できない場合は「補助線」モードでその線分を選択後右ボタンメニューから「合成」で連続線に変更する事から始める。

 

連続線が設定されたら「補助線」を再度クリック解除し「用途地域」入力モードに移動する。

 

②最初に設定した「近隣商業地域」のエリア内でクリックし選択後右ボタンメニューから「連続線切断」をクリックし近隣商業地域を切断する。

 

③切断された用途地域で「第一種住居専用地域」に設定したいエリアをクリックし選択後、「用途境界条件入力」ダイアログボックスで用途条件を入力する、この場合、敷地外の日影規制の条件3/2 受影面1.5m(自動設定)を設定し「現在の値を適用」で変更

④「第一種住居専用地域」の設定後さらに近隣商業地域をクリックし選択後③の操作同様に東側第1種中高層住居専用地域を設定する。

 

 

この様に用途地域の区分法は用途境界線を区分する線分を事前に作図後、「用途地域自動設定」ボタンをクリックする事で設定された十分広い用途地域(1KM四方)を用途境界線で切断後そのエリアを選択し用途地域条件設定を行う。

 

 ⑤この場合敷地内で用途値域が区分された事により容積率の面積按分、採光系列など過半で確定する用途値域エリアが表示される。

 

 

⑥さてこの条件で日影規制を解析を開始する。

まずは時刻日影計算から始めると

 

第1種低層住居専用地域部(円弧で囲ったエリア)の受影面1.5mは、近隣商業地域4mに対して影が長く伸び段差状になる。

 

⑦等時間日影で確認すると

 

北西側の第1種住居専用地域と東側第一種中高層住居専用地域も2.5時間がNGとなる。別表の解釈法と合わせて解説すると

 

 

第一種住居専用地域の規制は3/2 受影面1.5m。5mから10m以内の範囲はその第一種住居専用地域に含まれない為、チェック不要。10mを超える範囲における日影時間が2時間が存在してしまいNGとなる。

 

⑧2時間の等時間線を追加して作図すると(「計算」「等時間線」で2時間線を追加して「計算開始」で作図される。

 

この2時間線は近隣商業地域では3時間の影まで可能である為、1種低層の用途境界線を超えなければよい事になる。したがってこのように敷地外で日影規制時間が異なり厳しい場合その用途境界線が規制ラインと同様の意味を持つことになる。

 

 東側第一種中高層住居専用地域の10mを超えた部分は2時間30分を超えられない為NGとなる。

 

 したがって当該建物が発する日影にはすべてのエリアで日影規制が適用される事になり当該の敷地エリアだけの規制だけではない事に注意。用途境界線を正しく入力したい。

 

 またこの場合、道路斜線をチェックすると

天空率計算を行わなければならないが天空率計算は高さ制限勾配が異なる場合それぞれの区域毎に解析する必要がある。

(前面道路との関係についての建築物の各部分の高さの制限を適用しない建築物の基準等)
第一三五条の六
2 当該建築物の敷地が、道路高さ制限による高さの限度として水平距離に乗ずべき数値が異なる地域、地区又は区域(*道路制限勾配が異なる地域等」*)にわたる場合における前項第一号の規定の適用については、*)の
道路制限勾配が異なる地域等ごとの部分の」とする。
 

したがってこの場合は

近隣商業地域は勾配1.5、第一種中高層住居専用地域の勾配は1.25ゆえ2区域に区分される。

まず近隣商業地域側は

残念ながらほとんどNG。第一種中高層住居専用地域側は

さらに厳しい。

 

用途値域が近隣商業地域のみで区分されない場合は

このように区分される。

ここでは用途地域の区分で日影規制、天空率に大きな影響を与える事を理解して頂ければ十分だ。

 

 さて次回もサポートセンターに寄せられた質問にお答する形式で行いたい。

 

寒暖の変化が激しい今日この頃です。風邪などひかぬ様がんばりましょう。スギ花粉も来週までで終わる予定だけど・・。次回までお元気で!

 

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