天空率解説書の正しい読み方 2 | 比嘉ブログ

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建築企画CAD「TP-PLANNER」開発者の日常・・建築基準法,天空率、日影規制講座などチャンプルーなブログ

 4月29日4月最後の土曜日、東京は、さつき晴れで気持ち良い気候。1年で一番いい季節かもしれない。

 

 かつての天皇誕生日は、今では「緑の日」。ゴールデンウィークの始まりの日でもある。今年は飛び石かな・・。

緑の日にふさわしいこの若葉はもみじの木。秋の紅葉したもみじの木も良いが、春もみじもさわやかで良い。

 

 足元に目をむけると

 

 諸葛菜。ウィキペ情報では、三国志の諸葛亮が食用とした事が名前の由来。中国原産で江戸時代に日本にはいってきたとの事。知らなかった!。

 

 左端には可愛くヒメジョオン(ヒメジオンかと思ったらジョ。知らなかった)

 

 先週土曜日の玉打ち大会、といっても仲間4人の会だが・・。快晴で程よく涼しくスコアはともかく楽しく進行したが後半、曇りだしたと思ったら本降りの雨に雷まで・・。中止。

 

 雨男比嘉のせいだろう・・となった。責任は特別感じていない。・・がなにか責められているような皆の視線を感じた。

 プレー前に晴男を自認するTと雨男の比嘉。

 Tは快晴のスタート時には、自信満々だったが・・・この分だけ比嘉の勝ち。くれぐれも玉打ちに比嘉をさそわないよう。反省会だけの参加なら屋根ありの場合のみOKです。

 

  さて今週の講座は

まずは火曜日、不動産鑑定の為の画地割講座に参加の皆さん

 

 補講ありで4時終了の予定が6時近く。物件2例をこなして感触を得ていただいた。あとは実践で頑張るのみ、お疲れ様でした。またお会いしましょう。

 

 

 水曜日は午後半日の予定で土地情報から逆日影、プラン、日影天空面積表まで。盛りだくさんの内容に意欲的な質問多数。いつのまにやら8時近くまで、ベテランと若手のチームワークが抜群のこのメンバー。次回は天空率徹底学習会が残っている。またお会いしましょう。

 

 

 さて連休の始まりだが天空率講座を開始したい。

 

 前回から建築確認申請時に特に天空率審査の現場で利用されるJCBAによる「集団規定の適用事例」

 

 で解説される挿絵の正しい読み方を法規解釈とともに検証している。

 

 1回目の前回はP195に記載された挿絵

 

 

 

 が最大幅員の「前面道路の境界線」を破線まで延長したと考えるとの条件付きの簡便法である事を解説した。

 

 本来正しい解釈ではP196に記載された

 

 

 最大幅員とその他の全面道路の交点までを「前面道路の境界線」とする事が正しい事、合理的である事が解説されている。

 

 

 簡便法で処理する場合は、どのようなケースでも安全側である解釈が要求されるが

 

 

 危険側になり大きく設計有利になる場合もあるのでやはり簡便法ではなく法文に適合した解釈が求められる。

 

 今回はこの事を事例を追加しさらに検証したい。

 

今回はまずこの事例から

 

 最大幅員の全面道路が円弧で示す部分近隣商業地域で容積率400%で適用距離20m。

 

 まずは最大幅員が行き止まり道路ゆえ敷地入力で「行止まり部分」設定を行う。

 「行止まり部分」の設定の場合、最大幅員の全面道路の両端部から円弧状にまわりこむ。

 

 

 

 この「行き止まり道路」の通達ではAからFの片側にのみ当該敷地があるが本事例ではFから右側にもAからEと対称に円弧状にまわり込む。

 その結果、適合建築物は「新天空率算定領域」で「道路境界」をクリックすると下図のように最大幅員の区域が区分される。

 

 

 全区域が自動発生だが最大幅員側の算定位置はみなしの道路反対側の境界線が自動発生する。ただし算定位置は4m道路側は円弧状の区域の端部まで自動延長される。一般的に算定位置は道路境界線を越えた隣地部分まで延長されないのが通常ゆえ自動発生した基準線の端部をドラッグスナップで道路境界線との交点まで縮める。

 

 その結果

 

 最大道路幅員8m、後退距離1.975mゆえ、道路反対側1.975mの位置から適用距離20mが適用される。その両サイドの円弧は

 

 20-(8+1.975)=10.25  両端部から10.25mの半径で円弧状に回り込む。

 

 この解説挿絵はP191に

 

 このように解説されている。ただしこの挿絵は適用距離が敷地を超えた位置にある為先端が円弧状になってない。つまり敷地奥行が20m以内(最低道幅4mとしても16m幅以下)の狭い敷地のケースである事。具体的に後退距離および適用距離などの解説はない。挿絵は汎用的に利用する為にこの様に簡便化するのが通常。

 

 本事例の4m道路側に回りこんだ最大幅員の区域は

 

赤線でしるした最大幅員の前面道路の境界線から2倍、8×2=16mまでと16mを超えた部分はその他の前面道路4m道路の中心線から10mを超えた適用距離まで最大幅員8m道路があるものとする。

 これは前回事例と同様の結果となる。

前回は

 違いは今回は、後退距離1.1mを適用している事。適合建築物は計画建築物の後退距離以内で高さ制限適合建築物を作成可能だ。

 

 一般的に後退距離を考慮し高さ制限適合建築物を想定する事が設計有利となるケースが多いがほとんどの挿絵には計画建築物の設定はない。

 後退距離も0mで設定した挿絵が多い。理由は挿絵の作成が簡便にできるからで現実的でない。

 

 挿絵だけで判断してはいけない。

 

ところでP191の挿絵右端の図2-6-3「入隅敷地」の挿絵をよくよくみると道路に垂直に区分されている。

これも簡便に描いた挿絵であり区域設定はP178によるとある。

P178を確認すると

 

垂直に区分した簡便区分と水平距離で円弧状に区域を設定する場合があり、程度問題ではあるがいずれでもよいとされる。

程度問題としたのは下記の事例を検証するとよくわかる。

商業地域、容積率600%で適用距離は25m

 

 最大幅員11.5mが斜に行き止まる道路で検証してみたい。直角に行き止まるよりこのように鈍角になる場合の方が多いと思われる。

 その際、青線で示した最大幅員11.5m行き止まり部分から6m道路側にまわりこんだ最大幅員の区域の区分法をそれぞれの場合で区分比較してみたい。

 

 その前に最大幅員11.5mの区域は

25m-(11.5m+1m(後退距離))=12.5m

最大幅員の境界線の端部から12.5mの円弧で区分する。

アイソメ図では

 さてここからが本題、令132条の1項最大幅員が適用されるその他(6m)道路側の区分法だ。まずは円弧状の場合。

 最大幅員境界線の端部から2A=11.5×2=23mの水平距離ゆえ円弧状に区分される。この場合最大幅員11.5mがまわりこむ為、後退距離1mを考慮した適用距離25m。右端部は最大幅員の区域同様12.5mの円弧状に区分される。アイソメ図では

 

 さて垂直区分の挿絵と同様に区分すると

 

 

このように区分されてしまう?幸か不幸かNGがクリアーしてしまった。検証すると最大幅員の境界線を延長した線分に平行に2Aで区分すると最大幅員の端部から2Aをこえた27.638になる。これは傾斜角が大きくなるにつれ顕著になる。

 

  どうしても簡便的に区分したいのであれば2Aは確実に確保する必要がある。6m道路に2Aの位置から垂直に区分したのが下図。

 

 

ただしこの場合、境界線上のみが2Aになるが、道路中心側までの距離は2Aを超えた24.02mmとなり正しいとはいえないが簡便法を可とするのであればまだこの方が合理的。

 

 ただしこれは6m道路の敷地側境界線が屈曲した場合は面倒になるが・・・・

連休前につき本日はこのあたりで終了。このシリーズまだ続く。

 

ゴールデンウィークをお楽しみください!。・・・・hi

 

 

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