土地情報から始まる企画BIM運用法その1 | 比嘉ブログ

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建築企画CAD「TP-PLANNER」開発者の日常・・建築基準法,天空率、日影規制講座などチャンプルーなブログ

1月14日土曜日
  本日より大寒波襲来の予報。島が恋しくなる。
 正月からちょうど2週間が経過した。そろそろ新年の挨拶をする事もなくなり普通に「おはよう」、「こんにちは」で済ませられる様になってきた。正月のかしこまったあいさつは苦手だ。
 12月の仕事おさめからの休日が瞬き程度の一瞬で終わり、毎回仕事初めからの1週間ほどは、落ち着かない。そして2週間をこえたこのあたりで日常に戻る感じがしている。
 
 先週のゴルフ会は雨の予報が見事に当たり大雨。がそれはプレイ後の話、いつもの反省会の飲み会では、晴れ男を自認する、やたらがたいの良いTが、自分のおかげだと得意げにしていた。がそのときの外の雨は比嘉のせい。内緒にしておいた。楽しい飲み会で終わったことだけを報告したい。今年も来年のリベンジを誓うことに・・。
 
 
 これは正月に山すそを散策している時にみつけたあざみの花。たんぽぽかと思ったが葉にとげがある。
 
 今週から講座もぼちぼち始まった
 

今週はプランニング講座だが二人とも逆日影計算の講座を受けてないとの事で急遽30分延長で逆日影講座ダイジェスト版も付加した。今回の比嘉ブログ講座でも解説される逆日影チャートはプランニングを効率的に行う必須ツール。ぜひマスターして頂きたい。今回は。大阪からの参加もありだが大阪でのセミナー要請をうけてしまった。近々予定したい。
 
 さて本日比嘉は忙しい。朝から出かけなければならない。その事は来週の比嘉ブログでお伝えする事とする、講座のネタは仕込み済みだ。
 
 
 講座を開始しよう。前回は、令132条の過去講座情報のインデックスを提示したので本格的な、今年初の講座となる。
 
 初回の今回は「土地情報から始まる企画BIM運用法その1」と題して土地情報からTP-PLANNERを使用したボリューム算出の流れをお伝えしたい。
 
 1月27日開催のセミナー

 
で使用する共通データを作成しなければならない都合もありその製作過程をお伝えしたい。
 
 尚、沖縄の皆様、このセミナーは主催各社製エキスパートシステムがいかにBIM連動し機能するかをお伝えする画期的でスリリングセミナーです。。残席も残り少なくなってきましたお早めのご申し込みをお待ちしております。上記リンクをクリックしお申し込み下さい。

 コマーシャルが入ったところで講座開始!
 
 沖縄では、日影規制は北緯が26度30分で日影倍率が東京の60%ほど、つまり影が短い、さらに日影規制時間が5/3時間のみ(4/2.5:3/2時間は無し)である事などから設計有利である。 
 
 一方、島ゆえ傾斜道路、屈曲した道路も多いその為、天空率利用では、困難を伴う事が多い。
さらに車社会ゆえ駐車場の確保が必須であることがポイントになろうかと思われる。
 これらのテーマを解決するための企画BIMの利用法を解説したい。
事例はこれ

 
最大幅員が南側10m~11.5m幅の屈曲した道路さらに傾斜も-0.75mから0mの傾斜。他東側8m道路さらに2.5m水路、北側4m道路の3方向道路。

1月19日修正。

*水路が入力されていました。下記解析は全て水路が入力されている条件で解析されています。東側規制ラインの緩和は8+2.5=10.5mより10mを超える為10.5-5=6.5mの緩和が適用されています。
 


 北側の隣地が凹んだ形状になっておりその隣地境界線からの日影規制ラインも凹みその分、日影規制が厳しくなる事が予想される。この様に北側隣地が凹んだ事案は日影規制が困難になる事が多い。
 
 まずは、日影規制によるボリューム感をつかむ為に逆日影計算で日影可能空間を算出してみる。
 
 まずは条件設定から

緯度、方位入力後、敷地情報で屈曲した道路の情報、高低差などを入力する。

 
用途地域、基準容積率、日影規制時間を入力し土地情報の入力完了。沖縄では高度斜線は無し。尚、TP-PLANNERの土地情報はbSI 検定MVD名称:建築確認モデルビュー定義2015出力で唯一検定に合格しています。
 
 ちょっとした宣伝を入れながら解析にすすみたい。まずは、どの程度の規模の建物が可能か敷地全体を見渡しながら逆日影チャートをドラッグし可能範囲を算出してみたい。
 
まずは逆日影計算
 

 
 逆日影チャートの詳細は「日影規制の話6:日影チャートと逆日影チャート」で解説されている。お忘れの方は確認していただきたい。
 
 結論から敷地内でドラッグすると発生する逆日影チャートを任意の位置に移動し設定する。その際8時の方位線と16時の方位線で囲まれた中に建物を配置する事をイメージする。
 本例では、上図で示す様に敷地の上側の凸部を避ける様に南側にどの程度の建築物が可能か確認したい。計画位置をドラッグポイントで設定したらダイアログボックスの「計算開始」で日影規制の可能空間は一瞬で算出される。
 

 
この場合、階高3mで9階を指定したが容積率から7階から8階のエリアの有無がポイントになるが十分確保できそうだ。
 
 ブロック図でさらに確認すると

 8階で建築面積1000平米を超えており十分だ。
 
この結果を日影図で精度をチェックすると

A~Eのポイントがもっとも厳しくおさまっている事がわかる。やはりC,Dの凹部の日影規制は厳しい様だ。
 
 この結果は東京に比較し北緯の違いが日影規制上有利に機能したようだ。
 
 ちなみに東京北緯36℃の結果と比較すると
 

敷地南側に沖縄では7階(紺色)程度が可能と思われるが東京で5階(赤)程度だ。
2層分建物可能範囲が異なる。
 
さて7階から8階程度の規模が可能である事が確認されたが次にその等高線をガイドにプランを作成する。
 

階数を設定し各階の等高線を表示させる。今回は7階でキープランを作成するターゲットは75㎡程度のファミリーマンション。ほぼ7階が配置可能となった。このエリアでさらに逆日影を行いさらに逆斜線計算を行う。建物幅が明確になる事によりさらに現実的な(プランニングに即した)逆日影計算が行え逆斜線計算では壁面後退位置が明確になる事よりこれも最終イメージの可能空間が算出される。
 
まずは7階のみで作成したプランを転送する。

 
転送の際には初期値の壁厚が付加され1階部まで屋根布状にブロック転送される。

 
この建物外周を「仮想建物」つまり逆日影計算、そして逆斜線計算を行う対象とする。
 

 
仮想建物に変換する事により日影規制の時間幅が漠然と敷地いっぱいとした解析に比較し明確になりより精度が向上する。
 
 まずは逆日影計算から
 

赤で表示した北側階段部と東側バルコニー部のみが日影規制上NGになると表示されている。
  さらに逆斜線計算を行う。
 

この場合、屈曲傾斜の3方向道路だが令132条も含めた法規処理された可能空間が算出される。解析は一瞬。
 
 
 
どうやら南側最大幅員側で道路斜線で8階部までNG、西側隣地斜線は8階と9階がNG。駐車場の為に確保した空地が機能しそうだ。天空率でなんとかする。
 
 建物イメージをブロック図で確認すると
 

 
 どうやら、プランイメージが固まってきた。この限界ラインを参照しながらのプランニングで容積、日影、天空率をクリアーしていく事としたい。
 
 長くなった次回の解説としたい。
 
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