逆日影計算検証 5既存建物考慮検証  | 比嘉ブログ

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建築企画CAD「TP-PLANNER」開発者の日常・・建築基準法,天空率、日影規制講座などチャンプルーなブログ

11月19日土曜日。東京は小雨で寒い朝。
まずはこの一枚

 
東京でも紅葉がはじまった。これはニシキギ。真っ赤な色づきがきれいだ。
 
 今週は、火曜日ワールドカップアジア予選サッカー、アラブ戦勝利・・。最後の失点は無駄感ありで若干すっきりしないがやっと振り出しに戻りひとまずやれやれ・・・。
 世代交代の雰囲気も感じられたが久保、小林、そして原口など眼光鋭くバイタリティーあふれる若手の台頭は頼もしい。おっと清武、山口を忘れてはいけない。

 本当に忘れていけないのはタイがオーストラリアと引き分けてくれた事。タイに感謝。
 
 そして今週もう一つ錦織圭ATPファイナル。昨晩バブリンカが負けてくれたので自動的にベスト4進出で今朝のチリッチ戦の応援は朝5時ながらゆったりした気分から・・楽々1セットまではよかったのだがマレー戦同様の逆転負けで今一つこうれもスッキリしない。マレー戦の疲労が出たかなと納得したい。
 
 明日早朝ジョコビッチ戦・・なんとか勝ってほしい。朝が早い比嘉にはちょうど良い時間帯だ。応援するぞ頑張れ!
 
 大相撲豪栄道も応援しているゾ。
 
 本日はテニス観戦の後、ブログ講座のネタ作成。そして年明け恒例のゴルフにそなえて体力作りでジムで軽く汗をながしいつもの様に楽器いじり・・・そして現在晩飯前にあわててブログアップ作業中早く終えて昨晩も飲んだボジョレヌーボとやらを頂く予定だ。
 
 今週は、予定していた講座が来週に変更になるなど久々講座の無い週となった。
 
 今回はブログ講座が長くなるので早速開始したい。
 
今週は逆日影計算の総復習的な解説を行いたい。事例は2000㎡程度の土地ゆえそれなりの規模。土地の日影規制可能空間つまり逆日影計算の算出法と設計目的を連動して解説したい。

この事例の場合ほぼ東西の横長敷地で奥行が限られる為、高層の利用には注意を要する。
 
配置図の様に描かれた青表示は計画したい建物形状を示す。
 
 逆日影計算は太陽高度内に建物高をおさえる「低層建物型」。
 建物幅を日影規制時間幅この場合3時間に限定する事によりタワー状の建物を可能にする「高層型」。
 その高層ポイントが2点設定可能な「2棟高層型」の3種がある。
 
 まずは計画予定屋根伏せを「仮想建物」に設定しそれぞれの結果を検証し比較してみたい。
 
まずは「低層型」から

 
「逆日影計算設定」ダイアログで「低層建物型」を選択する。低層型には3種あるが一般的に規制ラインに平行に太陽高度内におさめる「逆日影基準線」を使用する。この場合はそのまま「計算開始」ボタンで結果が算出される。
 

影の長さL=(h-受影面)×倍率により可能高さhは規制ラインから離れるに従い高くなる。ブロックを建物変換し等時間日影で確認すると
 

 5mライン上がほぼ規制ライン際にあり厳しい事がわかる。左右の端部は10mラインに接近するのもこの方式の特長。
 
中央部の指定点日影4時間39分のP3から半天空図で確認すると
 

 
5時間の規制に対して、太陽が低い時間帯8時側と16時側で時間を消化するため中央部は太陽高度内におさまっている事がわかる。その為低層になるが敷地幅いっぱいに同レベルの高さが南向きに配置可能となる。
 
 次に「1棟高層型」で検証すると

 
「1棟高層」をチェック後敷地内でドラッグし逆日影チャートを高層設定したい箇所に移動後「計算開始」を行う。その際ダイヤ状の無限高の部分が算出されると同時に8時の方位線より東側は高層部による日影時間に影響を与えない様低層に設定される。
 

 
 この場合高層部が可能になる為その部分は10階だが日影規制のみを考える無限高が可能になる。等時間日影は
 

 
3時間幅で確定している為、10mラインが厳しい。これが高層型の特長

西側に高層部を配置した為に16時側から3時間幅が確保されその他の部分が太陽高度を超えない様低層になる。
 
 次に2棟高層の場合

 
高層部を2点(赤円弧部)指示後「計算開始」を行う。
結果は

 
一見、、低層型と同様に思えるが比較くするとわかるが左右に高層巾が確保された分中央部の低層部は、「低層型」の結果よりさらに可能空間が南側に移動し低くなる。
 

等時間線は5mライン、10mラインそれぞれが規制ラインに近接してくる。まさに低層と高層の折衷方式だといえる。
 

 
さてここまでが逆日影計算の基本的な手法と考え方。
 
ここからが本題となるが既存建物を考慮し別棟を増築する際の可能空間を検証してみたい。
 

逆日影低層型の結果でわかる様に6階建てがほぼ可能空間だが既存の建物は5階程度で日影規制は5時間が5mラインにやや近接するが十分余裕がある。その為西側のゾーンにどの程度の規模の建物が可能かを検証してみる。
 
 現況の建物が及ぼす規制ライン上の日影時間が現況建物側で
 

 
最も日影時間が長いのが5mライン上でP3で2時間18分残り5時間の規制に対して残り3時間弱
 

西側は時間が短くなり1時間強、残り4時間時間未消化となる。
 
既存建物を考慮した逆日影計算の場合はその事を考慮しなければならない。
 
西側仮想建物部に既存建物を考慮した建物を高層型で算出してみる。既存建物考慮とは上図で解説した様に既存の建物から日影時間から可能時間を算出しその事を考慮した逆日影計算を自動処理するのがこの方式。
 

 
「指定点チェック」の項に「既存建物考慮」のチェックを行った後は通常操作と同様に指定し「計算開始」すると

 
仮想建物に7階(上限を7階に指定)が可能になった。既存建物を考慮した結果だ。既存ではなくすべてを可能空間(仮想建物)とした最初の結果と比較すると
 

既存建物を配置しない場合に比較し高層巾は広いが東側の建物が5階以下の低層に自動算出されている。
 
 建物化し既存と複合し

日影規制チェックを行うと
 

 
やはり規制ラインいっぱいの可能空間が算出されている。
 
さておもしろくなったゾ。
既存建物が日影規制厳しい場合、あるいは既存不適格(日影規制がない昭和52年以前の建物特に病院、学校などが多い)の場合の解析法などさらに逆日影計算を掘り下げたくなった。次回にしよう。
 
*尚TP-PLANNERユーザーの皆さんにお伝えしなければならないのは最後の「既存建物考慮」はVer16で若干不具合が比嘉の検証中発見され為今回のレポートはVer15で仕上げた。同様の作業を行いたい場合、連絡いただきたく思っております。詳細は来週報告予定です。
 
 季節の変わり目、風邪ひきさんが多くなりました。忘年会もそろそろ始まります。ご自愛下さい。来週までお元気で!
 
 
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