行き止まり道路と隣地天空率 | 比嘉ブログ

比嘉ブログ

建築企画CAD「TP-PLANNER」開発者の日常・・建築基準法,天空率、日影規制講座などチャンプルーなブログ

8月20日 外は、久々の大雨。
今週は月曜日、旧暦7月13日ご先祖の霊をお迎えの為(ウンケー)沖縄にでかけた。ご先祖様をおもてなし後旧暦7月15日無事送り届け(ウウクイ)後木曜日に帰京。全国的にメジャーになったエイサーはそのウウクイの日に華やかにご先祖をお送りするイベント。

東京でも熱帯化しこの時期、暑さは沖縄も東京もほとんど変わらない。しかしこの海の碧さよ・・・。

 

 今朝も早朝からのオリンピック観戦。さすがに2週目の本日、慢性の寝不足感がある。が今朝もシンクロ、レスリング男子、競歩50KMそして男子400mリレー。
 思えば体操の内村の大逆転から始まり今回は逆転勝ちが多く勝負強い。

 今回のメダル数は金メダルこそ東京、アテネの16個に届かない12個(土曜日現在)だがメダル総数では過去最多のロンドン大会の38個を超えて41個。連日力が入るわけだ。
 

 日本選手の勝負どころで委縮する事ないのびのびとした闘いぶりがたのもしい。卓球の伊藤 美誠、女子レスリングの若手メダリスト・・・・・その他多数・・日本人もたくましく進化している様だ。
 ところで50Km競歩の銅メダルは日本の陸上競技に希望を与えてくれた。かつてのお家芸マラソンはアフリカ勢の2位時間4分台の時代ではもはや手が届きそうもない。・・が競歩は粘り強さ、技術指向の日本人に向いている感じがした。東京オリンピックに向け強化の為に箱根往復競歩駅伝大会を提案したい・・賛同有りや無しやどうだろう。

 そしてなんといっても本日の男子400mリレーは凄かった。ボルトのいるジャマイカと0.33秒差は東京大会で金を期待してもバチはあたるまい。
 

 これは沖縄の高速道路の脇、公園の庭などに多くみられる花で「アラマンダ」別名「オオバナアリアケカズラ」熱帯地方が原産らしい。子供の頃はあまり見なかった思いがあり名前をたずねど当方のまわりではいい加減な回答ばかり。ホテルで聞いたら「ハイビスカスの黄色い種類」などと言われてこれゃだめだと例のGooGLE画像検索で確認。スッキリした。アラマンダより和風の「ありあけかずら」と呼ぶ事にする。

 


天空率講座を開始したい。この3週程



 新人研修で使用したこの事例で道路天空率を解説してきた。行き止まり道路が3方に接道する場合の道路天空率からNGに対する対処として逆天空率の手法を解説した。

 今回は隣地天空率を解説したい。まずは隣地斜線のチェックから

まずは隣地斜線の断面図を確認してみよう「図法」「断面図」でダイアログが「道路、隣地」にチェックマークがついている事を確認後「設定ボタン」をクリックし任意の隣地境界線をクリックする。まずは東側の隣地境界線の南面をクリックし南北方向の隣地斜線は

 

 

 

 

 

 

NGとなる。

この場合、道路天空率の為,低層におさえられた23m高のブロックの部分は31mの可能高に対して空地と同様に考えられる。

NGに対する空地は十分だ。


 東側の入隅を構成する隣地境界線は

NG断面は同程度だが南側には約4.5mの空地が有り、その分で十分天空率はクリアーする事が想定される。

 最後に南北方向の断面を確認すると

 

さて隣地天空率を行う場合、JCBA方式の隣地の天空率の考え方を確認しておきたい。
現状の隣地天空率計算は「適用事例集」でも詳細が記載されておらずJCBA天空率分科会によるレポート参照する必要がある。「天空率の運用と検討について」
を参照するとP104 に隣地天空率計算を行う手法として
 

おむね隣地の境界点間事に隣地天空率を比較する「敷地区分方式」と道路以外の連続した隣地境界線をひとまとめに天空率比較する「一の隣地方式」がある。

 「敷地区分方式」はその隣地境界線の部分が出隅、入隅により設定法が異なる。残念ながら詳細の解説をされたものはないが慣習的に以下の方法による。
出隅に面した部分は

➊ 出隅に面した部分の適合建築物は、法第56 条第7 項第二号の政令で定める基準線に垂直方
向に適合建築物を作成する。その際他の隣地境界線からの高さ制限は考慮しない。
❷ 出隅、入り隅の判断は当該隣地境界点間で確定する。

入隅部は

❸入隅に面した部分の適合建築物は当該の隣地境界線に垂直に区分される部分と入り隅角の半
分の部分までを一体の区域とする。
❹入隅部を有する隣地境の他の端部が出隅の場合は端部から垂直に区分する。

敷地区分方式では境界点間で比較される為上記解説の敷地では4隣地境界がありその分天空率比較を行う。


一方「一の隣地方式」では
 

 

➊後退距離は、一の隣地境界線で近接する幅を最大としその間の任意の値を採用する。
❷ 連続した一の隣地境界線の隣地高さ制限適合建築物は全ての隣地境界線からの隣地高さ制限に適合する寄せ棟状に作成する。
❸隣地斜線に対して天空率を適用する場合の算定点を設定する基準線は、法第56条第7項第2号「隣地境界線からの水平距離が、~だけ外側の線上の政令で定める位置」に則して設定される。「屈曲した隣地境界線を一の隣地境界線」としてこの法文を適用すると、円弧部分も基準線と考えるべきである。(日影規制の測定線と同様の法文の記述)
❹連続した一の隣地境界線が入り隅状でさらに境界点間が狭い場合など面する位置に基準線を配置する事が困難な場合、隣合う道路境界線端部に垂直な位置まで延長する。

以上は講座で用いたテキストに掲載されている再確認して頂きたい。この解説例ではまさに隣地境界線は敷地区分方式が4に対して1になる。

 では今回の例題に戻ろう。適合建築物の作成および基準線の自動発生は「入力」「新天空率算定領域」で行う。

まずは敷地区分方式は
ダイアログで「敷地区分方式」をクリックすると

この例では境界線が8ゆえ8区域、8基準線が発生する。境界線ごとに形状を確認するには画面右側の「天空率表示」をクリックし境界毎に確認する事が可能だが今回は一気に解析する。「入力」「計算モードへ」から「計算」「天空率」で表示したダイアログボックス内で「均等発生」で算定位置を自動発生後、「計算開始」で天空率計算を実行する。

結果は

区域ごとに対数グラフで近接する算定位置を表示した天空率計算結果は全て青表示のクリアーである事がわかる。この解析結果は確認申請時に三斜求積による差分がクリアーする様に差分が確保されている。

 代表的区域をピックアップし検証してみる。
まずは東側入り隅部から

まず面した隣地境界線に片流れに加えて入り隅角の半分までが区域として区分される。

出隅部は

出隅部の境界線に基準線から垂直に区分する。この例では空地が殆どないがアイソメ図でわかる様に高さ制限内におさまっている為、天空率でもクリアーしているだけだ。ついでだが同様に隅部は

 

境界線の幅での比較となる為にこの様に狭い境界点間の場合、敷地内の空地が考慮されない。この例では高さ制限を超えてない為にクリアーしており、「敷地内の空地の分高さ制限を超える事ができる。」天空率計算の基本的な考え方に対して反する事がわかる。
 

 この様な問題を解決する為の仕様が「一の隣地方式」だこの場合は道路で区分された北西部と南部2の区域が発生する。

区域ごとに解析結果とアイソメで確認すると

南部は

 

道路で区分された北西部も南側の境界戦の端部から円弧状に高さ制限がある為にすり鉢状に適合建築物が作成される。後退距離は最も近接する東側入り隅部の値が適用される。その分安全側といえる。

 残る区域の北西部は

 

 

 

この場合北西部の円弧状の建築物は30mゆえ高さ制限は商業地域ゆえ31mからになる。後退距離の位置に着目。この区域は全て高さ制限内にある。
以上が一の隣地方式。「一の隣地方式」事前にその利用の可否を審査側に確認する事が肝要。

以上で隣地天空率の補足解説も無事終了。

新人研修受講の皆さん、配属された部所で戦力になれる様頑張れ!応援します。

 

比嘉ブログ