最大幅員が適用距離外にある事案の天空率 | 比嘉ブログ

比嘉ブログ

建築企画CAD「TP-PLANNER」開発者の日常・・建築基準法,天空率、日影規制講座などチャンプルーなブログ

6月4日土曜日
東京は、うす曇りの土曜日
以下どうでもよい話がつづく。できればアジサイの花の段まで飛んで頂きたい。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 2週ほどたっただろうか。どうも肩甲骨のあたりが朝起き上がるたびに痛む・・。
多分、寝しなに時々思い立ち始める鉄アレイを使用した筋トレもどきが原因かと思いながらも、その事は「・・の冷や水」と言われるのもしゃくで痛みをこらえていたのだが・・・

 今週あたりから痛みが日に日に強くなるにつれ内臓・・心臓に欠陥があるのでは?など心配になり湿布薬で様子をみる事にした。久々の湿布薬・・・気持ち良い事もあり効いた気がしてきた。どうやら内臓系の疾患では無い様だとNHK「総合診療医ドクターG」よろしく自ら納得したのだが2~3日たっても状態はよくならず。

 とうとうがまんできずに10年ぶりだろうか近くの名医の誉れ高い整形外科に出かけた。前回はキャッチボールでイレギュラーにはねたボールを取り損ねて突き指の時。その時も元野球部ゆえ取り損ねたと言いたくない理由で我慢したが1週間たっても引かない痛みに駆け込んだ・・・がすでに手遅れで名医いわく「比嘉さん幸いにも内側に曲がった指は生活する上で支障ありませんのでそのままにしましょう」と言われ・・納得した。

  さて今回だがもはや名医も息子に代替わりしていたが「原因は首ですネ」とあっさり診断された。そういえば肩甲骨のあたりは指で押しても痛くない。首の骨が若干ヘルニア状態らしい。それが神経に当たり肩甲骨の神経、先生に言われて、そうかもと思ったが腕の若干のしびれも影響しているらしい。
・・・どうやら原因は筋トレではなくこのところセミナーの為に長時間PCに向かって書き物をしていた事が直接の誘因・・・で根本的な原因は、20年以上うつ伏せに寝る我が寝相にあったらしい。

 出張、旅が多く枕が変わるのがいやで枕のいらないうつ伏せで寝る技を20年程前に会得したのだが・・・どうも寝ている間に首の骨に大きく抵抗を与えていた様だ。・・・・以来、今週中頃より枕を利用する事にした。どうも寝つきが悪いが皆さまもくれぐれもうつ伏せ寝はやめましょう。
・・・・・ひょっとして単に寝違えただけ?
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 

どうでも良いついでだがこの中央のアジサイの花房・・・ハート型に見えないかい?!

 
 さて今週の講座は、ハウスメーカーの3人組。新人中心に天空率講座をおこなった。終了後のホットした瞬間。
 

あとは実践あるのみ。実践を通じた質問をお待ちしてます。ガンバレ!



 天空率講座を開始したい。

今回は「最大幅員が適用距離外にある事案の天空率」最大幅の適用距離が他の道路区域に与える影響を解説したい。

前回解説時間切れとなったこの事例

これはサポートセンターに寄せられた質問への回答でもあるが
この場合、最大幅員に面した道路境界幅が狭い事もあり壁面位置が18.2mの位置となった。その為、適用距離は後退距離0mに設定した場合でも計画建築物に達しない。

 その事から最大幅員10mは最大幅員ではなく次に道路幅員の広い北側道路(屈曲している為、行政への確認では最も幅の狭い5m部を道路幅員)が最大幅員に昇格するのでは?

というもちろん間違った解釈があった事より念の為この事を解説しておきたい。

 道路幅員が2以上ある場合の道路天空率の適合建築物の作成法は令第135条の6第3項で規定される。
3 当該建築物の前面道路が二以上ある場合における第一項第一号の規定の適用については、同号中「限る。)」とあるのは「限る。)の第百三十二条又は第百三十四条第二項に規定する区域ごとの部分」と、「という。)の」とあるのは「という。)の第百三十二条又は第百三十四条第二項に規定する区域ごとの部分の」とする。


令第132条で区分される事が記述されている。毎度おなじみだが最大幅員に関して規定した1項の部分のみを掲載すると

(二以上の前面道路がある場合)
第一三二条 建築物の前面道路が二以上ある場合においては、幅員の最大な前面道路の境界線からの水平距離がその前面道路の幅員の二倍以内で、かつ、三十五メートル以内の区域及びその他の前面道路の中心線からの水平距離が十メートルをこえる区域については、すべての前面道路が幅員の最大な前面道路と同じ幅員を有するものとみなす。


最大幅員を規定する条文の中で「最大幅員が適用距離を超えた場合・・」などという規定はなにもなく適用距離により最大幅員の扱いが変わるわけでもない。したがってこの場合最大幅員区域には計画建築物が存在しない為、高さ制限そのも不要な区域となる。

 申請時には適用距離が計画建築物の区域にない事を距離表記などで記述する事などで対処するのが一般的。

 したがって最大幅員以外に面する道路幅員を規定する令第132条2、3項はそのまま最大幅員10mが適用される。道路幅員の形状が前々回比嘉ブログと事なるので北側屈曲道路に面した最大幅員の区域を検証すると

前々回の事案ではクリアーしていた北側屈曲道路の最大幅員の区域がNGとなった。最大幅員は前々回と同じで・・・違いは最大幅員の形状。前々回比嘉ブログを再度確認すると




なるほど前々回の事案は最大幅員が屈曲し敷地に接近している為最大幅員の2倍が敷地内にあり北東隅部の空地が最大幅員の区域に含まれた。・・が今回は敷地外となりすべて北側屈曲した道路中心から10mを超える部分で区分された為に空地は北東側の隣地に接する部分でわずかとなる。


最大幅員10mがまわりこんだ最大幅員が適用される区域ではあるが、この空地では天空率でもクリアーする事はできなかったという事だ。天空図重ね表示だと明確になる。



一方西側4m道路に面した最大幅員の区域は

この区域は前々回と同様になる。念の為以下表記する





以上が最大幅員および最大幅員10mがまわりこむ区域。敷地外の最大幅員の形状が他の道路幅員の区域に大きな影響を与える為、区域の自動処理には、敷地外の道路形状を正しく認識させる必要がある。新天空率では従来「天空率敷地」で代用したその機能を直接加筆する事で法解釈を可能にしている。

 さてこうなると北側屈曲道路の道路中心10mの区域も当然異なる事になる。確認しよう。

ちなみに前々回では



2の算定位置でNGとなる。さて今回は


北東側の隅部の空地が今回は道路中心10mの区域に含まれて設計有利となったが右端部の算定位置でNGとなった。4m道路上側の空地が遠い事とNG算定位置の前面の計画建築物の規模が大きくしかも算定位置に近い為、空が大きく遮蔽された事による。

 アイソメ図で確認すると

やはりその様だ。天空図の重ね表示で確認するとさらに明確になる。

 中央部の計画建築物のデッパリが左右の緑の空地部より大きい。それゆえNG・・・納得。ちなみに最適後退距離でも確認したが壁面位置は今回採用する最大がベストの様だ。


一般的に最適後退距離が効率的に機能するのは区域の幅が狭く、さらに道路幅員が広く見通しが良い事と後退距離が4m~5m超の幅がある場合に有効に機能する。

 逆天空率チャートでカット幅を確認すると

この区域に関しては微小なカットで問題ないが最大幅員が回りこんだ北側屈曲道路では

これが思いのほか微小なカットで済みそうだカットし検証

以外と微小なカットですんだ。しかもカットは躯体外のひさしの部分だ。ちょっとした変更でなんとかなりそうだ。天空率おそるべし。


 4m道路に面した道路中心10mの区域は前々回同様カットするが結果として

円弧で記した3か所をカットする事でおさまる。


本体部はほとんど影響無し。改めて敷地を見直すと建物本体部は最大幅員10mが令第132条で適用される事、それに伴い高さ制限で超えた部分もわずかとなる。高さ制限を超えた分の必要な空地は逆天空率カットにより確保された空地である。極めて明快なロジックだ。

 本日は、他に2例用意したが思いの他、興味深い展開となった為に長くなった。その分は次回にしよう。次回までお元気で!


比嘉ブログ